ここから本文です
ぼくらの60’s & 70’s・・・そして今。
ぼくらが高校時代を過ごした60〜70年代から今に至る個人的なエピソードを音楽・映画・CM等のフィルターを通して綴ります。

書庫全体表示

北京オリンピックの開会式の中継をテレビで見ていて感じたことがあった。

鳥の巣スタジアム一杯に埋め尽くした演者たちによる、一糸乱れぬセレモニーで始まる人によるデジタル演技は、中国という国のとてつもないエネルギーと同時に、無表情にただひたすら与えられた仕事をこなすロボット人間の不気味さを感じさせられた。

これだね!↓




マスゲームと呼ばれる大勢の人をデジタル機械のようにあやつって演技をさせる手法は、北朝鮮が最も得意とするパフォーマンスだ。

日本でも甲子園では、私立の常連校などが、色とりどりのボードと大勢の生徒を駆使し、選手の応援やエールシーンなどに登場する。

 
41年前、僕らの先輩たちもこのマスゲームに強制的に参加させられ、そのために1年間苦渋を舐めさせられる思いをしたことがある。

1967年に開かれた埼玉国体だった。

戦後すぐに始まった国民体育大会は、22番目に埼玉に順番が回り、上尾の陸上競技場を中心会場として、全県を挙げて成功をさせなければという雰囲気に包まれていた。

当時中学生だった僕らも、別に競技場へ応援に行くわけでもないのに「埼玉国体の歌」とか言うのを授業で教えられ(もう、忘れてしまったが、歌の最後のサビで、♪さいたまこーくうたーい♪と終わるところだけは、♪埼玉航空隊♪と聞こえたので、そこだけは今も大脳の中で蠢いている)、歌わされたのは覚えている。

僕らの先輩たちは、埼玉国体開催の前年に入学した1年生、500人が強制的に国体のセレモニーとして、このマスゲームに参加させられたのだった。

当初、開催地の上尾高校と、上尾に近い大宮高校がマスゲームの担当校として県から割り当てられたのだったが、頭のいい大宮高校(の校長)は、いち早く辞退をしたのだという。

そこで次に近い県立高校の浦和西高におはちが回ってきたのだった。

人のいい?時の校長は何の疑問も抱かずに引き受けてしまったところに、先輩たちの悲運が待っていた。

マスゲームそのものは北京オリンピックみたいな派手なものではなく(もちろん北朝鮮にも及ばない!・・・あたりまえだ!!)、選手の入場行進が始まる前、10分程度のものだったらしいのだが、そのたった10分の演技を無事こなすための練習が大変だったのだ。

1年間の体育の授業はすべて、マスゲームのための練習に潰され、奴隷のごとく、体育教師の言いなりに動かされたという。その間、楽しいサッカーも、水泳も柔道もいっさい教わることなく、ただひたすらにサルのごとく、マス、マス、マス・・・の練習だったらしい。

考えてごらん、僕らだったら、そして君たちだったら・・・って。

同情・・・どころか、怒りさえ覚えるよね!

当然、西高生がおとなしくしているはずはない。

僕らの先輩たちも、返上のお願いから、校長に抗議、そしてボイコットだのと、かなりな抵抗をしたらしい。その騒動は、新聞にも取り上げられ、国会の文教委員会でも問題にされたくらいだ。

しかし、結局は、学校(校長)のメンツなんだか、県の圧力だったのか、強制的に演技をさせられることになってしまった。

衆議院文教委員会の議事録に、当時のある先輩のつぶやきが残されていた。

「その該当生徒の一人は、生まれた年が悪かった、ちょうどめぐってきて、高校二年のときに埼玉国体にぶつかったんだとあきらめるしかない」

・・・と。

会社でもそうだけど、トップの判断が悪いと犠牲にされる社員はたまったもんじゃあないよね!


この年、多胡輝作「頭の体操1・2・3」が次々とベストセラーとなる。・・・大宮高校の校長はきっと読んでたんだと思うね!

寺山修司主宰の「天井桟敷」、唐十郎の「状況劇場」が相次いで旗揚げされ、“アングラ“という言葉とともに、いままでの考え方、価値観とはちょっと違った自由な思考方法をもつ、集団が続々と誕生するようになる。

映画では、ウオーレン・ビューティ、フェイ・ダナウエイ主演の「俺たちに明日はない」や、ダスティン・ホフマン、キャサリン・ロスの「卒業」、アラン・ドロン、リノ・バンチュラの「冒険者たち」が登場する。・・・うーん、みんないいね!特に「冒険者たち」のレティシア役のジョアンナ・シムシカは最高だね!!

少年マガジンで連載が始まる赤塚不二夫の「天才バカボン」や、週刊漫画アクションからデビューするモンキーパンチの「ルパン三世」もそんな反体制の世の中で生まれてきた傑作だ。

そうそう、青島幸男の「意地悪ばあさん」もこの年からのオンエアーだった。
 


今日のおまけ!は、僕の大好きな『冒険者たち』からだ!!





ついでに『卒業』もおまけ!!


この記事に

  • 顔アイコン

    現在浦和西高校に通う2年生です。現在西高ではStand On! という、生徒会が発行する新聞(? があります。今日それに、何十年もまえのこと、マッスゲームについて書かれてたんで、調べたしだいです。なんか、読んでてとても腹が立ちました。修学旅行の延期、臨海学校の中止、100時間以上の授業カット。本当に腹が立ちました。そして同時に、怖くなりました。 長文失礼しました。 削除

    [ みことん ]

    2012/6/2(土) 午後 9:57

    返信する
  • 顔アイコン

    ようこそ、みことんさん。

    この話には後日談があって、その年の埼玉国体での西高生のマスゲームの演技はとても不評だったらしいんだ。

    西高生はそれなりに一生懸命演技をしたらしいんだが、なかには明らかに不貞腐れてるような生徒もいて(それはそうだろう、ぼくだってその一人になってたろうね)、全体としてはまとまりに欠けるようなものだったらしい。

    国会で取り上げられたこともあったんだろうが、この後の国体からは、高校生によるマスゲームは廃止になったらしいんだ。

    ぼくらの先輩の苦労は無駄にはならなかったということだね。

    それにしても、こんな古い話でも真面目に考えてくれる西高生がいてくれることがうれしいなあ。

    感謝いたします。 削除

    [ 川幸彦 ]

    2012/6/3(日) 午後 0:07

    返信する

顔アイコン

顔アイコン・表示画像の選択

絵文字
×
  • オリジナル
  • SoftBank1
  • SoftBank2
  • SoftBank3
  • SoftBank4
  • docomo1
  • docomo2
  • au1
  • au2
  • au3
  • au4
  • 名前
  • パスワード
  • ブログ

本文はここまでですこのページの先頭へ
みんなの更新記事