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危険な相互依存の状態
気象庁が特別警報を発令していたにも関わらず、今回200人以上の命が奪われてしまったのは何故であろうか。警報に基いて地方自治体は住民に、避難準備・避難指示・避難勧告を行う。これらの指示を住民は受け止めて、行動に移るというのがこの制度の目的なのである。自然災害は人知を超えることが多い。「想定外」という言葉は、先の東日本大震災で使い古された感のある言葉である。気象環境は以前とはまったく違った様相を呈している。南から北へ抜けていく台風が、東から南に抜けるという史上初のコースを辿った。もうこれまでの体験を生かすことはできないのである。気象の激変によって、これまでに予想しなかった災害が発生している。そこで国や地方自治体は、これまでの対応を一新しているのだ。
住民は、住んでいる市町村が出す指示を守る・・・これが命を守るために必要だと考えている。しかし本当はそれではいけないと思うのだ。行政が出す指示は、何ミリ以上の雨が降った場合に、行政の長が避難を指示する。これはマニュアルによるものである。マニュアルは過去の災害の気象データを基に作られている。ところが最近では線状降水帯やスーパーセルなど、想像以上の強烈な雨をもたらす気象が多くなってきている。住民は避難の判断を行政に一任して、自分の回りにある危険なサインを見逃してはいないだろうか。たとえば斜面から流れてくる水の色に泥が混じるようになった、ゴロゴロという音が遠くで聞こえる、焦げ臭い臭いがしてきた・・・(いずれも土砂崩れの兆候である)こうした兆候は役所では捕らえることができない。「役所がナニも言ってこないから、だいじょうぶ」という論理は成り立たないのが現在の気象状況なのだ。
行政は警報や指示を出すところで終わりでは無い。どうも一連の指示を出したことに”依存”している気がするのだ。避難指示や避難準備を発令し、それらの指示が住民に浸透して、避難行動が完了して役目が完結するのだ。住民と行政のこの相互依存関係が、大規模災害の際には極めて危険であると思う。
普段からの準備
さてそれではどうすればいいか・・・
個人でできることと言えば、自分が住んでいる町の状況を詳しく把握することが必要である。それぬは地図を持って散歩するおが一番良い。自分の家の近くに、どんな高い建物があるか。水害や津波から逃れるために、どの方向へ逃げたら良いのかを研究する必要がある。また水が襲ってくるスピードが速いときは、どのビルなら避難ができるか見極めておく必要がある。
住民のこうした積み重ねによって”減災”は可能になる。こうすれば、行政の救いの資源は老人・障害者・幼児などの弱者に集中することができるようになる。また近隣の住民が地域の家の家族構成を知って、災害の際に弱者の避難を手助けすることも有効だ。そのためには地域を知るため、まずは自分の地域に住む人への挨拶から始めることが重要になってくる。地域の小さな商店で買い物をするのも、この趣旨から効果的だと思う。自分の存在を知ってもらい、近所の様子なども話す機会はこうして作っていくのである。一旦災害になれば、こうしたつきあいが役に立つ。大型スーパーに比べて、近所の小型店は高いかも知れないが、5回のうちの1回は家の近くで買い物をすれば、経済的な負担も少ない。これも災害”保険”の一部なのだ。
市町村では災害に備えるためハザードマップを作っている。これを基にマイハザードマップを作っておくのも有効である。水が飲める場所、高台、コンビニなど考えられる情報を書き込むのもいい。それから家族で災害時の行動をあらかじめ決めておくことも重要である。「●●になったら、親戚の家に移動する」などと決めておけば、危険を冒すリスクも無くなるのである。
自分の命は自分で守るということが基本であることは間違いない。
災害で命を落とされた方のご冥福をお祈りすると共に、これから身の回りでこんなことが無いように僕達は動かなくてはいけない。
2018年8月8日
川尻 健裕
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