製作国:イギリス
製作年:1969年
<スタッフ>
監督: ボリス・セイガル
製作: ルイス・ラックミル
脚本: ドナルド・S・サンフォード
ジョイス・ペリー
<キャスト>
デヴィッド・マッカラム:クイント・マンロー
スザンヌ・ネヴ:ベス・スコット
デヴィッド・バック:デヴィッド・スコット
<感想>
V1ロケットによってロンドンを空襲されていたイギリス軍は、起死回生として製造工場を爆撃する
作戦を企画する。ボール爆弾という新兵器を使って攻撃を加えようとするが、イギリス空軍の捕虜を
人間の盾とするドイツ軍にどう対抗するか、イギリス空軍は悩むのであった。
※モスキート爆撃機。エンジンはロールス・ロイス社製。後には57ミリの対戦車砲を搭載した機も出た
イギリス空軍とドイツ空軍が死闘を繰り広げたバトル・オブ・ブリテン。制空権をモノにすることで
ドイツはイギリス本土への陸上部隊の投入を目論んでいた。そこでチャーチルは総力戦を宣言。ドイ
ツ空軍の空襲によって生産能力が下がっていたにもかかわらず、大量増産に成功した爆撃機がこのモ
スキートなのである。正式名称はデ・ハビランド モスキート(DH.98)。
最高速度は667.9キロというからかなりのもの。敵戦闘機も追うことができなかった程である。
尚、中嶋飛行機の偵察機彩雲(C6N)は、終戦後に米軍によって高オクタン価の燃料を使って試験
飛行をしたところ、最高速度は700キロに迫る695キロであったらしい。「ワレに追いつくグラ
マン(F6F)なし」と基地に打電した実力は、伊達ではなかったのである。
さて映画では 「V1ロケットを継ぐ新兵器の開発」とあったが、これはフォン・ブラウン博士の開発
したV2ロケットのことであろう。V2を開発したドイツ軍は、バトル・オブ・ブリテンの制空権を
争う戦いで破れた。これは大型爆撃機を持たなかったという点と、レーダーを持ったイギルス空軍の
優位性があったからと思う。敗戦後、ヴェルナー・マグヌス・マクシミリアン・フライヘル・フォン
・ブラウン博士(やたら長い)はアメリカに移住。レッド・ストーンロケット、ジュピターCロケッ
トに続き、サターンロケットを開発。月面着陸の中核をなすロケット開発に貢献したのである。
この映画ではバトル・オブ・ブリテンに活躍した高速爆撃機として描かれているが、この機体は開戦
から終戦まで大活躍をした。木造の爆撃機で、増産には木工や家具屋まで駆り出されたそうである。
また固形燃料で飛ぶV1ロケットは速度が遅く、速度自慢の戦闘機スーパーマリン スピットファイ
ア戦闘や高射砲の餌食になったそうである。V2は液体燃料で飛ぶため推力が強く、最高速度は57
00キロを越えた為、撃墜は困難になった。この開発に関わった技術者がアメリカとソビエト連邦の
ロケット技術の基礎を作り上げたことを考えると、この映画もまた一味違って見えてくる。
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