今日何食べた? 押忍!!おっちゃんの部屋

復活させております『おっちゃんの部屋2』も同時進行中・・・まだまだ頑張らねば

失いしもの

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

運命の受諾

イメージ 1

※あるパーティでの写真。両親と・・・












小さな頃から鋭利な勘を持ち合わせた娘だった。物事の全体から鍵となるものを探し出し、きちん
と押さえてしまうのが得意だった。地べたを這い回りコツコツと積み上げるタイプの僕とは、まっ
たく違っていた。違っていたからこそ、薫とは気が合ったんだと思う。


学生の頃、モデルのアルバイトをしていた。ある日持ち込まれた話は雑誌『GUN』のモデル。
ワルサーPPKをハンドバックから取り出して、射撃をするというシーンだったらしいが、レクチャー
を受けてすぐ、射撃姿勢をマスターしたなんて事もあった。




時々、訳のわからない事を言ったりして周囲をびっくりさせることがあったけれど、彼女なりに何か
が見えていたのだろう。


事故死の数年前から、『私は45歳まで生きられない』と周囲に漏らしていたらしい。友人から聞い
た話だった。家庭内の不和と離婚に悩む薫が、精神的に参っていたから出た言葉とその時気にもしな
かったが、今思うと本人はわかっていたのかも知れない。


自分の生きてきた意義をどう意味づけするのか?という心の渇望と、どのように接していたのか、今
となっては分からないが、その仕事を自分に託された様な気がしてならない。


人は何のために生まれ、そして死するのか? 匕首を心臓に突きつけられたような気分である。



こうして今、僕は薫と二人で人生を歩んでいる。
これが兄として、彼女にしてあげられる精一杯の愛情なのかも知れない、というよりこの旅は自分の
為でもあるのだ。

タラとレバ

イメージ 1

仙台にて、海水浴。この頃良く家族で海水浴に行った。





薫と遺体安置所で再会してから、悲しみを心の片隅に追いやった。
通夜、葬儀、後始末と忙殺された。

両親のダメージは思ったより大きかった。特に母の様子は一変してしまった。
泣くのは当然だが、呆然と居間に座っている姿が痛々しかった。
表情には何も浮かべず、ただぼーっとしている姿に慄然とし背筋が寒くなった。

様々な事情により、当面は実家ではなく東京にある薫の自宅で母は過ごす事にした。
実家に帰れば、親類や友人の対応をしなければならない。母のケアの為唯一の選択だった。

もちろん、母を一人にする時間を作ってはいけない。妻を残すことにした。
幸い妻は即決で承諾してくれた。それから3ヶ月の間妻は東京で過ごす事になった。
札幌に一人で生活をする事になったのは幸いだった。
ボロボロの姿を妻に見せずに済んだから。

酒と勝負をするように毎晩飲んだ。帰りは歩いて家まで帰った。真っ直ぐ歩けないぐらいに
酔っ払って泣きながら歩いた。無垢な子供の様に大声を上げて泣きながら。

『何故、薫を守れなかったんだ』







彼女が結婚するとき、僕の両親は強烈に反対していた。全く聞く耳を持たないほどだった。
そんな騒動の真っ最中に薫は僕に相談に来た。
思い詰めた表情でやってきた彼女に

『どんなことがあってもお前の味方だから』

という言葉だった。その時は良かれと思って言ったが、薫が死んだ後に苦しんだ。
あの離婚さえなければ薫はこうならなかったのでは?
あの時、結婚の後押しをしなければこんな結果にならなかったのでは?
途中で相談に乗ってあげていれば、あるいは神様は違った運命を与えてくれたのでは?
悶え苦しんだ。

理屈ではあり得ないと分かっていても どうしても考えずにはいられない。
詮無き事だけど、そう思わずにはいられなかった。

あの時僕がこうしていれば、もうすこし僕が気配りをしていれば、
一人暮らしを反対していれば、実家に帰る環境を整えてあげれば、

いいや、そんなことはない。仮説からはリアルは決して生まれてこない、と頭ではわかっていても
いつの間にかその考えに戻ってしまっている。
そうして少しずつ、そう自分で気がつかないまに、僕は自分と言う存在を薄めていった。
今、生きている自分という存在を遠くに押しやり、まるで『タラ、レバ』を心の中で繰り返していれば
死んでしまった薫が蘇るといわんばかりに。。。

僕は神経が柔なほうではない。回りも自分もそう思っていた。
しかし気が付くとこの『タラ、レバ』の底無しスパイラルにどっぷりと浸かっていた。
そしてどんどん自分という存在そのものを自分で薄めてしまっていた。

出口の無い苦しさ、いくら考えても元に戻ってしまう苦しさ。
本当に自分が原因では無かったのか? 偽善に満ちた生き方をしているのではないか?
自問する日々。
その苦しさを終わらせる為に、『死』という最悪の選択肢が蛇の様に鎌首をもたげて来た。
その考えの向こうには、甘美ななにかがある様な気がしてきた。

これではいけないと思い悩み、また酒を飲む。泥沼だった。



妻が東京から帰ってきたある日、よたよたと妻に歩み寄って話をしていた。
何の話をしたか忘れてしまったが、眩暈を覚えながら話していたことだけは覚えている。
ふと訳も無く涙がこぼれた。恥ずかしい話だが妻の胸で初めて泣いた。

その瞬間からようやく生きている自分を取り戻せた。
去っていった妹に感謝した。

『本当の自分を取り戻せたよ』

さまよえる いし

イメージ 1

母と薫 いい笑顔だ・・・






つよいこころをもちたい

あらしにも

うみのなみにも

にんげんのこころにやどる じゃあくにも

ゆるがないつよいこころを・・・

運命(さだめ)

遺体安置所から慈恵医大付属第三病院に移された薫は、翌11月30日に行政解剖された。
死因を明確にするための措置である。
警察署の担当官からについて、執刀医師の解剖結果報告に立ち会う様に連絡が来た。

『お兄さんが来られますか?』との担当官の問いに
『はい』とだけ答えた。

病気や怪我を治す為の執刀ではなく、死した原因を探る為にメスを入れる事に、兄としては
薫が不憫でならなかった。死んでしまったのに、何故死んだ原因を明らかにせねばならないのか?
いまさらそれをして、どうなるというのだ!
子供じみた思いが駆け巡ってきた。

両親に捜査上の必要があるので、とそっけなく説明した僕は胸の中の鋭い痛みと戦っていた。




解剖が終わり執刀医の教授と直接話しをした。
僕達遺族の思いを理解してくれているような、優しい目をした先生だった。

『ほぼ即死でした。心臓が破裂してます。痛みは感じるヒマは無かったと思います。』
残念でしたね。という言葉に続けてこんな話し方で説明を始めてくれた。

妹の死亡時の状況を坦々と説明いてくれる、血液内のアルコールの有無等々、雑多な事実の積み上げ。
僕は説明してくれている先生の後ろの窓を通して、病院の庭にある桜の木を見つめていた。

『お兄さんはご存知でしたか?』
『は・・・・?』

『妹さんの心臓に障害があったことですが』
『いえ』

『心臓の弁に異常が認められました。』
初めて知ったその事実。家族はだれも知らなかったことだ。ショックで口ごもる。

『その異常とは、後天的なものですか?』
『いえ、生まれつきのものかと。発作が起きたら命に係わる性質のものです。』
『一回の発作で命を落とす可能性が非常に高い性質のものです。』








それからどうやって車を運転して帰ったか覚えていない。
先天的な障害で詳しく検査をしなければ分からなかったろう、との話だけははっきり覚えている。



両親にはいまだ言っていない。
いずれ、消え去る命だったなんてとても言えない。




ある日突然、笑顔の思い出だけを残して去っていこうとしていたんだね、
そうなんだね、薫・・・・

かっこつけすぎだよ、まったく









イメージ 1

いつごろの写真だろうか?髪型から察すると30歳半ばの頃だろうか? 
子供の頃『おにいちゃん』と発音できず、『おんちゃん』と呼んでいた。

結婚してからも『おんちゃん』だった。白髪頭で老け顔の自分は、いつも『姪っ子さん?』
とか『おじさんなの?』と勘違いされた。笑

オリオン座

イメージ 1

福岡に遊びに来た時の写真。一人で新しい旅立ちをした頃。久しぶりに一緒の食事は楽しかった。








冬の星座として名高いオリオン。
四角い形と真ん中に連なる三連星を子供の頃よく二人で探した。

母は家で仕事をしていて、いつも二人だった。
周りの大人からは、いつもおとなしくしていておりこうさんなんて言われてたけれど
妹は寂しかったに違いない。

その事を一言も口に出さなかった。
子供心にも口に出してはいけない、と思っていたのだと思う。
僕もそうだった。

でも二人でいると不思議とそんな感情を忘れることができた。
いまでもふと思うと、彼女の体温を近くに感じる事がある。
そんな時、思い出すのがオリオン座なのである。

東京の空は明るくて、なかなか見る事ができないけれど、酔いどれて帰る道すがら
空を必ず仰ぎ見る。

今日は晴れるのだろうか?

.
おっちゃん&ばっちゃん
おっちゃん&ばっちゃん
男性 / AB型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について

スマートフォンで見る

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

スマートフォン版Yahoo!ブログにアクセス!

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

標準グループ

NO.1

NO.2

NO.3

NO.4

NO.5

NO.6

NO.7

お休み

Yahoo!からのお知らせ

友だち(11)
  • ミチ
  • 絵里奈
  • りりぃママ♪
  • χ都チ、ン
  • 富士桜
  • yog**un2000
友だち一覧

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

ふるさと納税サイト≪さとふる≫
実質2000円で好きなお礼品を選べる
毎日人気ランキング更新中!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事