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注意:遡ってお読みください。これは、最後のページです。
その男は、どう見ても喜和子の夫とは思えない。誰かに、似ている……。そう、あの年下の指導員・
梶浩介である。もちろん浩介ではないが、横顔はよく似ている。
奈美は思いをめぐらせた。彼女は離婚したのだろうか。いやその前に、家出ができたのだろうかと。疑
問符を貼り付けられたまま忽然と消えてしまった喜和子の出現は、唐突で奇異すぎた。
整形をした、顔…。
「てめえら、そんな高いところで空気吸うんじゃねえよ。空気が薄くなるわ、ったくよー」
と、酔った男に悪態を言われるような夫婦がどこか微笑ましく、そんなふたりがもう夫婦でないのかと
思うと、ちょっぴり寂しい気がしないではない。
多分貴和子は、念願かなって亭主以外の男に抱かれ、もしかしたら今が大恋愛の最中なのかもしれな
い。だが一方、それで本当に彼女は幸せになれたのだろうかと思う自分がいて、だがそれは、今の奈美に
は知る術もなく…。
たった半年の付き合いで、いったい彼女の何を知ったのかと考えれば、彼女の幸不幸を今さら知ったと
ころで意味もなく、第一今の彼女は、自分の知っている貴和子の顔ではなく、他人の顔…。
奈美はこう思うことにした。いいんじゃないの、と。
浩介似の男に腰を抱かれ、エスカレーターに乗って消えていく貴和子の後ろ姿を見送っている奈美を、
等が訝しげな顔でエレベーターの前で待っている。紳士服売り場は5階で、早く行こうと口が動いてる。
等はどちらかというと長身痩せ型で、スーツがよく似合う。女店員の勧めで何着も試着している。褒め
られて、ほくそえんで、ネクタイもジャケットも買う気になっている。
それを奈美は、他人の顔を見るような目で、見ていた。
おわり。
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「結婚とは、してもしなくても後悔するものだ」とは、誰の言葉でしたでしょうか。。
しかし若いときの結婚は、何てふわふわと、落ち着きがないものなのでしょうねぇ。
「いいじゃない!」「素敵じゃない!」が、
「ま、いいっか〜ぁ」になるのも、結婚のひとつのあり方かもしれません…。
拙い文章を最後までお読みくださり、ありがとうございました。
皆さまに、心から感謝いたします。
な〜んちゃって、途中からどんどん恥ずかしくなってきていた、私目でございます。(‘へ’;)
蛇足 際立ったキャラ貴和子のモデルは実在しますが、後半は全くのフィクションです。
整形…彼女ならしかねないかな〜と思って書きました。知ったら、怒られちゃうかも。
でも今、無性に会いたくなっています。じわ〜っと…。
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光悦さ、短編の難しさ確かにあります。これは18枚。
少しの事実からあたかもあったがごとくに書いていく。
楽しいですよ。自己満ですがこの世界も。
光悦さん、前に言ったでしょう? 書いてみたら、って。^^
2010/3/15(月) 午前 8:42
阿蘇さん、やっぱり思いました。好きなんだなあって。
昔はペンだこでしたが、今は目と腱鞘炎が心配です。
しかしこうして活字にすると、客観的になれるかもです。
恋愛の形も時代とともに変わってきていますが、
恋愛を想像するってのも、面白いですよ。
誰も傷つけないし。。
傑作ポチ、ありがとうです!
2010/3/15(月) 午前 8:50
無言石さまは、どこを中心にご覧になっていらしたの?
最近どうも後ろに気配を感じるんですが、
付いて回っているでしょ!
そして、そ知らぬ顔で他人の顔で、見てるでしょ!
まあですね、書いたものは私の分身。投影されてます。
全部見えるより、ちらりという方がよろしいようで。
ありがとうございました。♪ナハ〜〜〜(*^ー^*)
2010/3/15(月) 午前 8:59
ありがとう、もあもちゃん。
貴和子さんみたいなキャラを作りだせるのが、面白いところ。
デフォルメしてますからね。でも、あとは知らないよ〜です。フフ。
見られちゃったか、私の一面。
だから、だんだん恥ずかしくなっていったわけよ。( ̄∀ ̄*)イヒッ ポリポリ
2010/3/15(月) 午前 9:04
最終回…読ませていただきました^^
毎回いいところで終わりなのがまたまた釘づけでした〜!!夫婦…してもしなくても…本当にそうですね!!
ブログますます楽しみにしています♪
2010/3/15(月) 午後 6:02
顔。いいですね。文学の対象になります。私は新たに知りました。ポチ
[ 文学の散歩道 ]
2010/3/15(月) 午後 8:12
こうげつさん、ありがとうございました♪
笑える内容のなかに、ちょっとしたスパイスを最後に入れたつもりです。何にしても、“作りもの”は、結構面白いです。
なかでも、人間が一番面白いかもですね。^^
2010/3/15(月) 午後 9:20
散歩道さん、そうです。人間を描くときはその顔は大事です。
読者がどう想像するか。
でも、このブログの中でもそれは言えますね。
皆さんのお顔、どんなかな〜って。ポチ、いつもありがとうです。
2010/3/15(月) 午後 9:23
じっくりと何度も読ませていただきましたよ。
11行目の「洋として」は「杳として」ですね。
ヒューマンミスを指摘するのは、一生懸命にリメイクして書いている寧さんがそこにいるからです。
もったいない。
この小説、発想が女性の目で面白かった。
このままで終わらせないで、もっと意外な要素がからんでくると大作になりますよ。
ここでは、夫婦問題だけですが新興宗教とか、選挙とか…
今を取り巻く社会的な何かが絡むとさらに面白い。
何かはわかりませんけれどね。
文才があるのですね。
驚きました。
[ pok**hino*324 ]
2010/3/16(火) 午後 3:07
じっくりだなんて、雫さん。何せ、20枚限定の習作ですから。
洋は茫洋の洋。探すに探せない距離のあることを言いたかったのです。
大作? いえいえ、そんな大それたことは考えていません。
100枚前後のものもまだありますが、お蔵入りです。
気が向いたらまた記事にするかもですが、リメイクも大変。^^
ありがとうございました。感謝です。
2010/3/16(火) 午後 5:09
立派な小説ですよ。
デヴューできますね。
多才です。
感心しました。
茫洋の洋ですね。
「杳(くら)い」不明となった部分が深い闇に覆われているという意味かと思いました。
またの発表を楽しみにしています。
[ pok**hino*324 ]
2010/3/16(火) 午後 5:36
早くコメントするつもりが遅くなりました。ごめんなさい。
自分でブログを始めてから、手で作るものは料理にしろビーズにしろ、拙いといえどもあまり恥ずかしくはないのですが、脳みそを搾り出して造りだすものはものすごく恥ずかしくて、尻っぱしょりして逃げ出したくなっちゃいます。
まずは夜志野さんの勇気に拍手!そしてなんか私もこんなふうにブログで表現できたらなぁ、とちょっと触発されもしました。
頭の中にわんわんうなるほどアイデアはあるんですよ、アイデアは。
でもそれを形にするにはものすごく難しい気がして。
夜志野さんみたいにさらりと書けるといいなぁ。
ところで、この短編を読むうち、なぜだか金井克子の「他人のふたり」のメロディーが頭の中をよぎりました。
ついでに喜和子さんの顔が往年の金井克子とダブりました。
私って変かなぁ、やっぱり。
あ、遅ればせながらお疲れ様〜の傑作ぽちりです。
2010/3/16(火) 午後 7:24
雫さんも博識ですね。^^
「杳」なんて字知りませんでしたよ。調べましたが。。
広く浅くなんでも手を出す私です。だから、散漫。
最後にひとつくらいはねって、思ってはみても、です。
2010/3/16(火) 午後 8:36
ポラポラさん、今はっきり分かったわ。
あなたも私と同類、散漫な人って。@@;
>わんわんうなるほどアイデアあるんですよ、アイデアは。
そうね、形にするのは、やる気と根気。
仏像と一緒だよ〜〜〜ん。
金井克子? そこは一緒じゃなかったわ! ぽち、ありがとさん。
2010/3/16(火) 午後 8:43
面白かったです。
なんともいえない雰囲気を持ってますね。
P。
[ 帰っても旅人 ]
2010/3/21(日) 午前 10:16
書くことの達人、旅人さんには
そっとスルーしていただきたかったのに。。
>面白かったです。
素直な心で、感謝です。Pも。
2010/3/21(日) 午後 8:51
夜志野さん。仏像作りと作家と両立ってのはいかがでしょ?
本を読むと、それを書いた人のことがなんとなくわかる氣がするのは私だけではないでしょう。夜志野さんの人格がちょっとだけ、ほんのちょっとだけ見え隠れした感じ。引き込まれます!!
2010/3/29(月) 午前 0:27
茜景さん、どうしても自分が入ってしまいます。
だから恥ずかしくもあるんですが、小説を書くって事は、
自分を曝け出すこと。その勇気がないと書けないんですって〜!
2010/3/29(月) 午前 8:02
こんばんは。昨夏にこの書庫を紹介して下さり、何度か訪問、そしてまた再読…。
「結婚とは、してもしなくても後悔するものだ」
これは真理ですねェ…(´〜`)
私、若かりし頃、ケージツカの父親のことを“この人は家庭を持つべき人ではないな”と、ずっと思っていました。そして、よりにもよって“腐っても鯛”と教え込まれた母親と、よくもまあ結婚生活が続けられていると。まあその産物が私なのですけど(笑)。
そんな両親も老境に入り、何やら帰省するたびに思うのは、老いの坂道を肩寄せ合って生きてるんかなあ…と。
四十路半ばにして、私がすごく父親の影響大だと気付き始めています。少なくとも、離婚歴のない父親の方が私よりまともかも知れません…(汗)
2012/3/12(月) 午前 2:01
Ren'ohさま。。
ありがとうございます、再読だなんて。
結婚にも、向き不向きがあるのでしょう。私は後者かもしれません。
世の中、一人では何もできませんが、独りだからこそできることもあると思っています。
そして、DNA・・・。私も、つくづくです。^^
長く連れ添うと、夫婦は「夫婦になる」ですってよ。
それはそれで、素敵なことです。♪♪
2012/3/12(月) 午前 9:43