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今年6月初めにオーストラリアのシンクタンク(政策研究所)が発表した「グローバル・ピース・インデックス」で、ニュージーランドが1位にランクされたことで「世界で一番平和な国」との評価が広まっています。ニュージーランド航空のウェブサイトは、このフレーズをチャームポイントの一つとして前面に押し出しています。私自身も7月号の「Gekkan NZ」に、トップニュース扱いで以下の記事を書いており、「平和な国」アピールの片棒を担いでいるわけですが・・・。
世界で一番平和な国 <GEKKAN NZ 7月号 NZ News掲載>
「 オーストラリアのシンクタンク「経済と平和のための研究所」が先月発表した平和な国ランキング(グローバル・ピース・インデックス)で、ニュージーランドが1位になった。この調査は、銃器の販売数、殺人件数、受刑者数、軍隊の規模、テロ発生の可能性など23項目の指標にもとづいて144の国や地域をランキングしたもので、その他の国の順位はデンマークとノルウェーが同点2位、日本は7位(アジア最高位)、豪州19位、韓国33位、英国35位、米国83位となっている。しかし、OECDが発表した社会指標では、日本の犯罪遭遇率が10%に対してニュージーランドは同22%となっており油断は禁物だ。」
ニュージーランドが「平和な国」のランクを上げたのは、空軍の攻撃部隊を廃止し、米国のイラク侵攻を支持しなかったヘレン・クラーク前首相の貢献によるところが大きいと、私は思っています。その功績が評価されてクラーク前首相は、今年4月に国連開発計画の総裁に任命されました。国のあり方としてニュージーランドが「平和」であることは確かで、その点は日本よりもすぐれていると思います。
しかし、「平和な国」の評価がイコール「安全な国」だとのイメージを植えつけるものであれば、これは事実に反しますので、用心が必要だと考えます。上記の記事でも指摘してますが、人口10万人あたりの犯罪発生率は日本よりニュージーランドの方がずっと高く、殺人で2倍、性犯罪で5倍、窃盗3倍以上になります。事実、08年の日本の殺人事件の発生率は10万人当り1.0人ですが、クライストチャーチでは7件発生し同1.85人となります。
在留邦人が集まったときに聞くと、そのうちの半数以上が空き巣や車上荒らしの被害経験があったりします。何度もあったという気の毒な方もいます。これは日本ではありえないでしょう。特に10年以上住んでいて無傷だとしたらラッキーです。残念ながら私も経験済みです。
ニュージーランドの国のありようは良いと思うし、とても好きです。人情も悪くありません。しかし、不届きな輩も相当数おります。この国の犯罪統計は分母となる人口が少ないので、やや高めに出るきらいはあるのですが、「日本よりも犯罪に遭う率が高い」ことは、ほぼ間違いない事実だと思いますので、油断せずにこの国を楽しんでいただきたいと思います。
不幸にして何らかの被害にあったとき、周囲の人の親切が身にしみる国であることなのがせめてもの救いです。
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