|
ニュージーランドでは今月1日から運転中に携帯電話を手に持って使用することが違法となりました。日本の方からすれば、今さらとか、遅れてる〜と言われそうですね。もちろん、この国でも2003年ごろから運転中の携帯を使用禁止にする動きはありました。何でそんなに時間がかかったかといいますと、必ずしも「お役所仕事」のためだったのではありません。議論となったのは、運転中の携帯電話の使用を法律で禁止することの「正当性」でした。
運転中の携帯電話の使用は確かに事故の原因になります。昨年の交通事故のうち、116件が携帯使用に起因しています。しかし、これはその他の事故原因である、ダッシュボード開閉やオーディオやライターなどの操作(223件)、同乗者に気を取られる(146件)、車外の景色や人歩行者への脇見(145件)よりも件数としては少ないです。
また、携帯電話の使用を違法にしなくても、上記のように注意を欠いた運転は、現行法の「ケアレス・ドライビング」条項で摘発することができます。それなのに、携帯電話だけを槍玉に上げるのはどうかという議論がありました。極端な話、運転中の携帯電話を使用禁止にするなら、運転中にアイスクリームやパイを食べるのはどうなのということです。
最終的には世論の7〜8割が禁止に賛成ということも後押しして、ようやく禁止となりました。
携帯使用は事故原因としては多い方ではありませんが、ドライバーの注意力を妨げる力が強いことが理解されてきたのだと思います。
ヘラルド紙が、11月以降にオークランドの自動車道の上にかかるホープタウン橋で2度の目視調査を行ったところ、1時間の間に16〜17人が通話しながら運転しており、8〜9人がテキストメールを打ちながら運転していたということです。法規制されても、まだやっている人がそれだけいるわけです。
この調査中、カメラを構えた調査員に気づいて手を振ったりクラクションを鳴らす人が多かったそうですが、携帯使用中のドライバーは誰一人として調査員に気づかなかったそうです。それだけ注意力を削がれているわけで、運転が危ないばかりでなく、警察の取り締まりにも気がつかないでしょうから、しない方が無難でしょう。
違反した場合は80ドルの罰金と20点の減点となります。2年間の減点合計が100点になると3カ月の免停ですから、過去に減点がある人は注意しましょう。遅ればせの禁止ではありますが、国民の行為を規制することに対して、その正当性を慎重に議論することは悪くないと私は思います。
|