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日本では終戦記念日の今日、連合国側であるニュージーランドにとっては戦勝を祝う日です。しかし、街はいつもと同じ。特別なイベントは何もないし、マスメディアでも取り上げられてません。テレビで戦争ものの放映もありません。その理由の一つは、ニュージーランドには(オーストラリアもですが)
Anzac Dayという戦没者を慰霊する日があって、この日に戦争に関することを集約しているからです。
1915年の4月25日、ニュージーランド軍は宗主国イギリスから命じられてトルコのガリポリ要塞を攻めました。しかし、要塞は堅固で戦闘は膠着状態となり、2721人のニュージーランド兵士を含む多数の兵士の命が失われました。粗略な作戦で英国の捨て石にされたという人もいます。翌年からこの日に追悼が行われるようになり、その後、第二次大戦やベトナム戦争の戦没者の追悼も含め行われるようになりました。ですからこの日の前後はちょうど日本の8月前半のような感じになります。
そういうわけで、8月15日を特には祝わないクライストチャーチですが、8月に戦争に関連して行われるイベントが1つあります。それは「原爆投下を悼み、平和を願う日」です。今年は8月9日の日曜日に実施され、コンサートや灯籠流しが行われました。現地の在留邦人も参加しますが、日本人関係団体が主催するイベントではありません。
旧連合国で原爆忌のイベントが行われていることに、初めは驚きましたが、その後、ニュージーランド国民の多くが米国の原爆投下を非人道的な行為であり、誤りだと思っていることを知りました。その意識が、米国のイラク侵攻に対して、ニュージーランド軍の協力派兵をノーと言ったのでしょう。
「大量破壊兵器を製造もしくは保有しているいる疑いがある」というのがイラク侵攻の理由(今はでっち上げであったことが判明している)でしたが、この国の人は「大量破壊兵器をいちばん製造し保有しているのは米国でしょう。のみならず、実際に使いました。日本で2回も。」と正しい歴史認識に基づいて協力を拒んだのでした。(その後、国連からの平和維持部隊のイラク派遣要請には直ちに応じ、機雷除去や復興作業を行っています)
この国では、骨抜きでない非核三原則が堅持されています。そんなニュージーランドと、戦勝を祝わず原爆を悼むクライストチャーチが大好きです。
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