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アスパラガスが店頭に出る季節になりましたね。という訳で、食い倒れ妻の登場です。 * * * * ニュージーランドのアスパラガスは「消える野菜」である。春先からボチボチ出回り始め、夏場に盛りを迎えたかと思うと、秋の声を聞く前にコツ然と売り場から消えてしまう。あとはまた、次のシーズンまでさようなら。真冬にシチューにでも入れようったって、絶対に見つからないのだ。 日本にいたころは、アスパラなんて年中あるじゃん、と思っていて「旬」があることすら忘れていたのに…。よく考えたら、日本でいつも目にするのは、まさに季節が逆のニュージーランドから輸入しているからだった。たまにこの辺りのスーパーでも、アスパラガスを束ねるテープに漢字で「新鮮野菜」なんて書いてあるけれど、これなんてもろに輸出用。きっと別れた兄弟は、日本に向かっているのである。 盛りの時期にしか出回らないということは、一番おいしい時期のものだけが手に入るということでもある。まず春先に細くてピンピンに尖ったものが出てきて、夏にはものすごく太くて長いのがお店にならぶ。大きいのは大味かと思っていたら、実は太いものほどみずみずしくしなやかで香りも強い。グラグラ煮え立つお湯にさっと放って、「まだまだ〜!」ぐらいのゆで加減で引き上げる。鮮やかな緑色で、シャキッと仕上がれば最高!なんだけど…。 ニュージーランドの家庭で野菜をいただくと、この辺の感覚がいまいちなことが多い。どうも「火を通す時はとことん!」というのが筋のようで、温野菜の「シャキッ」とした感じは煮えていない。アスパラだけでなく、ブロッコリー、インゲンなど、春先にシャキッとゆでて食べたいような野菜も、念には念を入れてやわらかく仕上げるから、色なんか緑を通り越してフカミドリになっている。歯ごたえはどうでもいいのか…。でも、はじめからこういう野菜の食感はこんなの、と思っていれば、私が好みのゆでかげんは「シャキッ」どころか歯ざわりが悪すぎて許しがたいのかも。 そんなことに疑問を抱きつつ、ちまたでアスパラガスを使ったキッシュやサンドイッチなどを探してみると、生のものがないときには缶詰が使われることが多いのだった。アスパラの缶詰というと、光を当てずに育てた乳白色のホワイトアスパラのほうを想像してしまうが、この国にあるのはグリーンのほうだけである。あのグリーンアスパラガスが、穂先付きの長いまんま缶汁にどっぷりひたっていて、それこそ「ミドリといっても、何ミドリでしょうねえ?」という色になっている。 そんなのが、クタァ…と缶から出てきた日には、つい「標本…⁉︎」などと思ってしまった。も、もしかしてみなさん、生のアスパラガスをゆでるときもこのクタり具合を手本にされているんでしょうか!いや、誤解をされたらいけないから言うけれど、この缶詰アスパラも、キッシュなどには入っているとわりにおいしいのだ。でも、さすがにあの情けないまでのやわらかさは、アスパラガス本来のものじゃない、と声を大にして言いたい! やっぱり、今のうちに買ってきて自分でゆでよう…いずれにしろ、旬のものは出回っているうちに思う存分楽しまないとね。そんなわけで、アスパラガスはこれからしばらくが勝負です。スーパーでも、八百屋さんでも、今ならごっそり出ています「また今度ね…なんて思っていると、そのうち本当に消えちゃうんだから! (マツザキ リカ)Good Kiwi Tucker No.25/10/07 ニュージーランドの情報誌「Gekkan NZ」にフードエッセイ"Good Kiwi Tucker"を好評連鎖中。 http://www.gekkannz.net/gekkannz/latest_gekkannz/ Kazzy & Rika がやっている個人旅行者を応援する小さな宿 Minna House B&B http://minna-house.co.nz |
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2014年10月14日
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