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ニュージーランドの政治・経済・社会に関するニュースと短評です。
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クライストチャーチでは、例年より2週間ほど早く桜が咲き始めています。
日本では、8月30日に実施された選挙で、戦後3回目の選挙による政権交代が起こりました。前の2回は戦後間もない1947年の社会党政権と、1993年の細川政権です。しかし、いずれも与野党の議席数が伯仲する不安定政権であったため、1年以内に瓦解してしまい、政権交代の影響は小さなものでした。

今回の選挙では、民主党が地すべり的な大勝利をおさめ、安定多数を確保したので、戦後初の本格的な政権交代だと大きな話題になってます。しかし、その一方で、「これでようやく日本も普通の国になった」という意見もあります。ここでいう「普通の国」とは、選挙によって数年毎に政権交代が行われる国ということです。

ならば、ニュージーランドではどうなのかと調べてみました。以下のとおり戦後9回、国民党と労働党の間で政権交代が起こっています。ニュージーランドは1院制で3年ごとに選挙が行われます。過去60年に9回の政権交代があったので、政権を保持できた期間は平均6.6年、2期と少しです。最短は1期3年の短い交代が2回、最長が4期12年で1回だけでした。

昨年11月に行われた選挙では、3期9年続いた労働党のクラーク政権が、ジョン・キー率いる国民党に破れました。クラーク首相に大きな失策はなく、人気もありましたが、官僚主義の傾向が強くなった労働党政権に対し、国民が変化を望んだのです。どうやら、一政権の賞味期限はせいぜい3期9年のようです。

日本との大きな違いは、政権交代の頻度だけでなく、議員の世代交代の早さとリーダーの若さです。ヘレン・クラーク前首相が政権の座についたのは49歳の時でした。ジョン・キー首相は47歳で首相になりました。1984年の労働党政権は、世界で最も徹底した行財政改革を行いましたが、この時の閣僚も40代でした。この改革が国民に与えた痛みによって、労働党は1990年の選挙で歴史的な大敗を喫します。しかし、この改革のおかげで、ニュージーランドは国家財政を立て直し、その後の安定的発展の基礎が作られました。

今や日本の財政再建や官僚機構の改革は焦眉の課題です。今回、奇しくも中道左派の民主党政権が成立し、比較的若い閣僚がリーダーシップをとることになりそうで、ニュージーランドのような大改革が実行に移されるのか、興味を持って見ています。

<ニュージーランドの政権交代>

年代 政権党 議席数 第二党
1935 労働党 42 38 国民党 (労働党の初政権)
--------‐----‐----‐----‐----‐----‐‐
�1949 国民党 46 34 労働党
�1957 労働党 41 39 国民党
�1960 国民党 46 34 労働党
�1972 労働党 55 32 国民党
�1975 国民党 55 32 労働党 (このときから永住外国人にも選挙権)
�1984 労働党 56 37 国民党
�1990 国民党 67 29 労働党
�1999 労働党 49 39 国民党
�2008 国民党 59 43 労働党

「親が子どもを良くしつけるための体罰を犯罪とするか」について賛否を問うニュージーランドの国民投票は本日締め切られました。
投票率は54%で、開票速報によれば、賛成11.8%に対し反対が87.6%でした。正式な結果は8月25日(火)の正午に発表されますが、結果に大きな変化はない見込みです。投票期間中にメディアが実施した世論調査では、「Yes」が13%、「No」が83パーセントでしたので、それよりも多い9割位近い人が、しつけのための体罰を犯罪行為とすることに反対の意思表示をしたことになります。

この国民投票は、「ファミリー・ファースト」という市民団体が中心となり、有権者の10%以上の署名を集めた「イニシアチブ」により政府が実施を余儀なくされたもので、政府の発案で実施されたものではありません。質問の表現が明確さを欠き、いささか誘導的なのは、2007年に体罰が禁止されたことを不服とするファミリー・ファーストが作成した質問だからです。体罰の是非を問うているのではなく、体罰を犯罪行為とすべきかの是非が問われている点に注意を要します。

ですので、この国民投票の結果から9割が「体罰に賛成している」というのは早計です。「No」と答えた人の中には、「体罰には反対だが、犯罪行為にすべきではない」と考えている人が相当数含まれているからです。おそらくニュージーランドの親の意識は「体罰はできるだけしない」が多数派だと思います。実際に体罰を与えることがあるという親の比率は減っていて、ワイカト大学の調査では4歳児の親にどのくらいの頻度で子どもを叩くかを質問したところ、1997年は、毎日が35%、週1が19%、月1が32%、年1が17%、皆無が2%という回答だったのに対し、2009年では、毎日が0、週1が9%、月1が25%、年1が27%、皆無が39%だったそうです。

私は親から叩かれて育ちましたが、その事が心の傷になっているとは思っていません。学校でも叩かれたことはありますし、中学から大学まで武道をしてたので「シゴキ」もありました。しかし、学校を出てから物事の解決のために腕力を行使したことはありません。人助けのために使う寸前までいったことはあります。しつけのために体罰をするかどうかについては、子どもを実際に育てたことがないので何とも言えません。私の場合、叱るだけでも十分怖いと妻から言われてますので、手を上げるとすればよほどのことだと思います。でも、非常に危険なことを止めないときや、他者に大きな危害を故意に加えようとしているようなことがあれば、きっと腕力を使うでしょうね。

日本では終戦記念日の今日、連合国側であるニュージーランドにとっては戦勝を祝う日です。しかし、街はいつもと同じ。特別なイベントは何もないし、マスメディアでも取り上げられてません。テレビで戦争ものの放映もありません。その理由の一つは、ニュージーランドには(オーストラリアもですが)
Anzac Dayという戦没者を慰霊する日があって、この日に戦争に関することを集約しているからです。

1915年の4月25日、ニュージーランド軍は宗主国イギリスから命じられてトルコのガリポリ要塞を攻めました。しかし、要塞は堅固で戦闘は膠着状態となり、2721人のニュージーランド兵士を含む多数の兵士の命が失われました。粗略な作戦で英国の捨て石にされたという人もいます。翌年からこの日に追悼が行われるようになり、その後、第二次大戦やベトナム戦争の戦没者の追悼も含め行われるようになりました。ですからこの日の前後はちょうど日本の8月前半のような感じになります。

そういうわけで、8月15日を特には祝わないクライストチャーチですが、8月に戦争に関連して行われるイベントが1つあります。それは「原爆投下を悼み、平和を願う日」です。今年は8月9日の日曜日に実施され、コンサートや灯籠流しが行われました。現地の在留邦人も参加しますが、日本人関係団体が主催するイベントではありません。

旧連合国で原爆忌のイベントが行われていることに、初めは驚きましたが、その後、ニュージーランド国民の多くが米国の原爆投下を非人道的な行為であり、誤りだと思っていることを知りました。その意識が、米国のイラク侵攻に対して、ニュージーランド軍の協力派兵をノーと言ったのでしょう。

「大量破壊兵器を製造もしくは保有しているいる疑いがある」というのがイラク侵攻の理由(今はでっち上げであったことが判明している)でしたが、この国の人は「大量破壊兵器をいちばん製造し保有しているのは米国でしょう。のみならず、実際に使いました。日本で2回も。」と正しい歴史認識に基づいて協力を拒んだのでした。(その後、国連からの平和維持部隊のイラク派遣要請には直ちに応じ、機雷除去や復興作業を行っています)

この国では、骨抜きでない非核三原則が堅持されています。そんなニュージーランドと、戦勝を祝わず原爆を悼むクライストチャーチが大好きです。

「親が子どもに体罰を与えることを犯罪とすべきか」について、郵送による国民投票が21日まで実施されてますが、メディアが実施した世論調査によれば、83パーセントの人が「No」、13パーセントの人が「Yes」と回答する可能性があるそうです。

2年前に刑法が改正され、それまで許容されていた「適切な腕力の行使による体罰」が違法となりましたが、国民は多くはこの改正をまだ受け入れていないようです。

体罰の行使については、「よく言い聞かせればわかる」という反対論と、「言っても聞かないときは必要」という賛成論があります。どちらに言い分があり、どちらから100%正しく、どちらかが100%誤りということにはならないと思います。

私が問題にしたいのは体罰の是非ではなく、そういう賛否の議論があるものを安易に法律で規制すべきかどうかいうことです。規制には目的があります。この規制は、「子どもの健やかに育むこと」が目的だと考えます。私には、体罰とその目的との因果関係や、規制がその目的に対して有効であることの証明が不十分であると思われます。

適切な体罰が子どもの健やかな成長に有害であることが証明されているとは思えません。オタゴ大学が行った幼少期の育てられ方と成長後の追跡調査では、軽い体罰を受けたことがある群が他の二群(重い体罰を受けた群と全く体罰を受けなかった群)よりも、社会において高い地位や責任のある立場についている傾向があったそうです。

体罰が是か非かという意見ではなく、有害なのか有益なのかの事実を根拠に法規制は行われるべきでなはないでしょうか。有害性が医学的にほぼ明らかな喫煙でさえ、違法ではなく容認されているのに、有害性が証明されていない「適切な腕力の行使」が違法とされることに違和感を感じます。感情的な法規制ではないかということです。

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「しつけのための体罰を犯罪とすべきか」に関する国民投票

本日、世間で話題となっている国民投票の投票用紙が郵送されてきました。
内容は上記写真のとおり「子どもをしつけるための善意の体罰を、ニュージーランドでは犯罪行為とすべきか」について、イエスかノーかを問うものです。どちらかにチェックして20日までにポストに投函することが求められています。

2007年以前のニュージーランドの刑法では、子どものしつけのために適切な腕力(reasonable force)を行使することが許容されていました。2年前、グリーン党のスー・ブラッドフォード議員が「この刑法59条但し書きが児童虐待を助長している。子どもに対していかなる腕力の行使も容認すべきではない。」と主張し、当時与党だった労働党が賛成して、刑法がブラッドフォード議員の主張にそって改正されました。

この少し前に、売春が合法化されましたので、私は「売春は合法で、しつけの体罰が違法かよ」と思いました。

じっさい、当時の世論はこの改正に反対の意見の方が多かったです。お尻や手を軽くペンペンすることさえ禁止されることへの反発=体罰は時には必要論と、家庭のしつけに国家が介入することへの反発が反対の大きな理由でした。そのときのしこりがまだ残っていて、このときの法改正に反対するグループが有権者の1割以上の署名を集めて国民投票の実施の要求をした(イニシアチブ)というわけです。

しかし、この国民投票の結果には拘束力がなく、単なる意見聴取のアンケートに過ぎません。当時この改正に反対した国民党が今は政権を取っていますが、キー首相は、改正された法律を今さら反故にするつもりはないと発言していました。また、この国民投票は、質問文があいまいで不適切だと批判されています。さらに、この国民投票には890万ドルの経費がかかります。新聞社が実施した世論調査では77%が税金の無駄使いだと回答しています。しつけのための体罰の是非については、また日を改めて書こうと思いますが、民主主義というのは、手間とお金がかかるものですね。

それからもう一つ、この国民投票用紙の裏側は多言語での表記となっています(サムネイル写真)。この国では、永住外国人も選挙権があるので、英語が分からない人のためのものです。永住外国人にも選挙権があることは素晴らしいと思います。しかし、英語が分からなければ情報不足となり、日常的な政治判断が非常に制約されます。参政権を行使したいのであれば、英語を理解すべきというのが私の考えです。ですので、この多言語表記は、おためごかしの過剰サービスと感じてしまいます。


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