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クリスマス用の大きな骨付きハムがスーパーに並んでおります。お肉の塊って、ワクワクしますよね。というわけで、「今年もハム焼くぞ〜!」と心を躍らせている「食いだおれ主婦」久々の登場です。 欧米のクリスマスのごちそうといえば、ターキーを思い浮かべる人が多いのでは?この国でも、はるか昔に英国移民のご先祖が祝ったクリスマスから、ターキーはおきまりのメニュー。そして、もう一つ忘れてはならない伝統のメニューに「クリスマスハム」がある。 ハムといっても、あの薄くて冷たいハムではない、みんながクリスマスに楽しみにしているハムは、骨つきのももハム。大きなものだと、重さが6〜7キロにもなる。よくある日本のお歳暮のハムと焼き豚などの詰め合わせセット、あれのハム一本はだいたい400グラムだそうだから、この国のハムはなんと、迫力の15本セットに相当してしまうということ?(そんなのナイってば…)。とにかく重くて大きいから両腕で抱えないと持ち運びもままならないほど。 11月も半ばになると、お肉屋さんやスーパーマーケットにはそんなハムがゴロゴロと並びだす。さすがにみんながみんな特大7キロのハムを買うわけではなくて、大小さまざまな中から家族やお客様の数に合わせて大きさを選ぶのだ。そうそう、オーブンにおさまるかどうか、というのも確かめなければならない。骨つきハムはそのまま食べるのではなく、じ〜っくり料理をしてからいただくのである。(それから、冷蔵庫に入るのかどうかも考えること。やっぱり、骨つきだと小さめでも場所を取るため、入らなくて泣きをみることも⁉︎) さて、この調理がけっこう大変…。買ってきたままオーブンに入れたりしたら、分厚い豚の皮だけが先に焼けて、皮と肉の間の脂身がふにゃふにゃの台無しになってしまう。この脂身をコリッと香ばしく仕上げるのが何より大事だから、最初に皮だけをナイフで削いでからオーブンへ。途中、脂身にダイヤ型の切り込みを入れたり、切り込みの間に香辛料のクローブをブスブス刺したりと、お祝い料理は芸が細かい。後半は10分おきにはちみつベースのタレをぬりぬりしつつ、なんだかんだ言って合計3時間以上も焼き続ける。12月も終わりのこの時期、ヨーロッパは冬でもニュージーランドは夏のさなか。たとえその日が太陽サンサンのプール日和だったとしても、オーブンは何時間もつけっぱなし! あっ、誰ですか?そこで「やっぱ夏だし、クリスマスもバーベキューでいいか…」などと弱音を吐いている人は? 確かに手間はかかるし、本当は冬の味覚といえるハムだけれど、やっぱり骨つきハムのおいしさはクリスマスに味わってこそ。こんがり焼けたハムには、アップルソースとマスタードがよく合う。これに、夏にしか食べられないアスパラガスをゆでたものや、新ジャガのサラダなどを添えれば、気分はまさにキーウィ・クリスマス。 ちなみにこの国の人たちは、まずクリスマスデーにあたる25日のお昼に正餐としてこれを食べはじめ、そのあとはサラダに入れたりパンにはさんだりして年が明けるまでハム関連のメニューで過ごす。7キロもあると、一週間近くもつのは当たり前。そして、クリスマス気分も抜けてくる元旦の朝、ハムエッグにでもしようと肉を削いだところで骨だけが残り、ホリデーも終わりを告げるというわけだ。 一度にたっぷりごちそうを作って、それをみんなでちびちび食べて休暇を過ごすこのやり方って、なんだか日本のおせちとそっくり。年末年始、寝ても覚めてもごちそう攻めなのは、どこの国でもおんなじ? (Good Kiwi Tucker! 03-12-05) ニュージーランドの情報誌「Gekkan NZ」にフードエッセイ"Good Kiwi Tucker"を好評連鎖中。 http://www.gekkannz.net/gekkannz/latest_gekkannz/ Kazzy & Rika がやっている個人旅行者を応援する小さな宿 Minna House B&B http://minna-house.co.nz |
リカのフードエッセイ
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ホワイトベイトの季節。高価だけど食べたい。200gで何匹なのか数えた食い倒れ妻の登場です。 * * * * 春から夏にさしかかるこの時期、「たった今、川でとってきたよ!」なんて言いながら、ホワイトベイトをどっさり持ってきてくれる。そんな人があらわれたりしないもんだろうか。いや〜無理だわ、まず有り得ない。ホワイトベイトとは白魚のことで、この国では一般的に8月の半ばから11月の終わりまでが漁のシーズン(※)となっている。春の小川がサラサラ流れるその中を、白魚たちは海から戻ってくるのである。 ちゃんととり方を知っている人なら、特別な仕掛けを作ったり魚とりアミを使ったりして、あのキラキラと透き通った小さな小さな魚たちを手に入れるのだろう。だけど私は、釣りなんかやったこともなければ、やり方を教えてくれる友だちもいない。ましてや最近、年々数が減ってきているあの貴重なお魚を、私の分までとってきてくれる人なんて、ちょっと周りにはいないのである。 どうせトモダチ少ないよ、グスン…と泣いてばかりもいられないので、気を取り直してお魚屋さんに行ってみよう。川でとらなくたって、お店にあるからいいんだい。でも、ホワイトベイトは鮮度が命だから、売っているのはたいがい冷凍。そして、お高いのですよこれが。う〜ん、シーズンの真っ盛りになればもうちょっと安くなるのか?などと、頭が割れるほど苦悩しながら手にした袋は、200グラム24ドル。 たっ、高い…高価といわれる牛フィレ肉だって、同じ200グラムなら10ドルぐらいである。このピョロピョロのはかない物体がそんな値段と思ったら、なんだか悔しくなってきて、1袋に何匹あるのか数えてしまった…。400と、64匹。1匹5セントちょっとでしょうか。まぎれもなく高級魚ではありませんか。 値段のことが頭をよぎると、もったいなくてチョビチョビ食べたくなるけれど、ホワイトベイトを食べるとなったらそうした遠慮は禁物。味も香りも非常に繊細であるがゆえに、お料理にはたっぷりと使わなければだめなのだ。ニュージーランドの人たちの大好きな食べ方は、フリッターやオムレツ。卵との相性もすばらしいのだが、この割合もホワイトベイトどっさりに、卵はちょっぴりが鉄則。下手に卵でカサを増そうとすれば、せっかくの魚のおいしさがぼやけて、やけに高いタマゴ焼きを食している気分になってしまう。それでは絶対つまらないのである。 日本人家庭の我が家では、シラス丼風に塩ゆでにしたものをホカホカごはんにのせ、真ん中に卵の黄身をポトリと落としていただきました…。ああこれも、ごはんは少ないほうがいい!ふわふわした白魚の食感に、最後に残るほんのりとして苦味…おいしいっ、やっぱりおいしい。もう、何もかも忘れてドンブリを抱えこもう。この瞬間、まちがっても「あ〜、今噛んでるの何ドル分だろ」とか思ってはいけないのだ。 せめて、シーズン中にあと一回は食べたい。が…やはり長靴に魚アミのいでたちで川に入るしかないのか?その昔には夢のような時代があって、うなるほどとれたらしいのに…。たった三ヶ月あまりのホワイトベイト漁だけで、一年暮らして行けるだけの稼ぎがあった漁師さんもいたというし、それでも食べきれない分は肥料にした、って…本当にホントの話⁉︎ わたくし、 本気で悩んでおります。どなたか、ホワイトベイト漁に詳しい方、ぜひお友だちになってください。あっ、持ってきてくださる方は、なおさら歓迎いたします⁉︎ (マツザキリカ) Good Kiwi Tucker!49-10/09 ※ ウエストコーストは9月1日〜11月14日、チャザム・アイランドは12月1日から翌2月末までと、漁の時期は地域によって異なる。 ニュージーランドの情報誌「Gekkan NZ」にフードエッセイ"Good Kiwi Tucker"を好評連鎖中。 http://www.gekkannz.net/gekkannz/latest_gekkannz/ Kazzy & Rika がやっている個人旅行者を応援する小さな宿 Minna House B&B http://minna-house.co.nz |
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アスパラガスが店頭に出る季節になりましたね。という訳で、食い倒れ妻の登場です。 * * * * ニュージーランドのアスパラガスは「消える野菜」である。春先からボチボチ出回り始め、夏場に盛りを迎えたかと思うと、秋の声を聞く前にコツ然と売り場から消えてしまう。あとはまた、次のシーズンまでさようなら。真冬にシチューにでも入れようったって、絶対に見つからないのだ。 日本にいたころは、アスパラなんて年中あるじゃん、と思っていて「旬」があることすら忘れていたのに…。よく考えたら、日本でいつも目にするのは、まさに季節が逆のニュージーランドから輸入しているからだった。たまにこの辺りのスーパーでも、アスパラガスを束ねるテープに漢字で「新鮮野菜」なんて書いてあるけれど、これなんてもろに輸出用。きっと別れた兄弟は、日本に向かっているのである。 盛りの時期にしか出回らないということは、一番おいしい時期のものだけが手に入るということでもある。まず春先に細くてピンピンに尖ったものが出てきて、夏にはものすごく太くて長いのがお店にならぶ。大きいのは大味かと思っていたら、実は太いものほどみずみずしくしなやかで香りも強い。グラグラ煮え立つお湯にさっと放って、「まだまだ〜!」ぐらいのゆで加減で引き上げる。鮮やかな緑色で、シャキッと仕上がれば最高!なんだけど…。 ニュージーランドの家庭で野菜をいただくと、この辺の感覚がいまいちなことが多い。どうも「火を通す時はとことん!」というのが筋のようで、温野菜の「シャキッ」とした感じは煮えていない。アスパラだけでなく、ブロッコリー、インゲンなど、春先にシャキッとゆでて食べたいような野菜も、念には念を入れてやわらかく仕上げるから、色なんか緑を通り越してフカミドリになっている。歯ごたえはどうでもいいのか…。でも、はじめからこういう野菜の食感はこんなの、と思っていれば、私が好みのゆでかげんは「シャキッ」どころか歯ざわりが悪すぎて許しがたいのかも。 そんなことに疑問を抱きつつ、ちまたでアスパラガスを使ったキッシュやサンドイッチなどを探してみると、生のものがないときには缶詰が使われることが多いのだった。アスパラの缶詰というと、光を当てずに育てた乳白色のホワイトアスパラのほうを想像してしまうが、この国にあるのはグリーンのほうだけである。あのグリーンアスパラガスが、穂先付きの長いまんま缶汁にどっぷりひたっていて、それこそ「ミドリといっても、何ミドリでしょうねえ?」という色になっている。 そんなのが、クタァ…と缶から出てきた日には、つい「標本…⁉︎」などと思ってしまった。も、もしかしてみなさん、生のアスパラガスをゆでるときもこのクタり具合を手本にされているんでしょうか!いや、誤解をされたらいけないから言うけれど、この缶詰アスパラも、キッシュなどには入っているとわりにおいしいのだ。でも、さすがにあの情けないまでのやわらかさは、アスパラガス本来のものじゃない、と声を大にして言いたい! やっぱり、今のうちに買ってきて自分でゆでよう…いずれにしろ、旬のものは出回っているうちに思う存分楽しまないとね。そんなわけで、アスパラガスはこれからしばらくが勝負です。スーパーでも、八百屋さんでも、今ならごっそり出ています「また今度ね…なんて思っていると、そのうち本当に消えちゃうんだから! (マツザキ リカ)Good Kiwi Tucker No.25/10/07 ニュージーランドの情報誌「Gekkan NZ」にフードエッセイ"Good Kiwi Tucker"を好評連鎖中。 http://www.gekkannz.net/gekkannz/latest_gekkannz/ Kazzy & Rika がやっている個人旅行者を応援する小さな宿 Minna House B&B http://minna-house.co.nz |
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どうしてこの国の鶏もも肉には、皮がついていないんだろう。むね肉ならば皮付きだけれど、照り焼きや唐揚げにはももがいいし、皮もなくちゃさびしい。そしてなぜか皮付きのもも肉を買おうとすると、今度は骨までついていて、きれいに身をはずすのがすごく大変なのだ。皮の部分って、やっぱりアブラが体に悪いの!?お肉売り場で鶏肉のパックをみるたび、ついつい首をひねってしまう。 そうして、皮のことを考えるとき、もっと謎なのが、豚肉。鶏皮とちがって、豚の皮なんてふつうはいらないのに、わりとどんな部位でも皮ごと売られているのである。チョップにも、三枚肉にも、ロースト用のかたまり肉にも、分厚い脂肪と二段がまえで、皮はもれなくついてくる。どうせ捨てる部分なのにけっこう重いし、むだにお金を払っている気がして、いまいち釈然としないのだった。 と…いつまでも思えていたなら、それはそれで幸せだったかも。だって今では、気づいてしまったのだから。あのロースト・ポークの、カリッカリの皮のイケナ〜イおいしさに!皮のところにダイヤ型に切り目を入れて焼いたものを「クラックル」とか「クラックリング」とか呼ぶのだが、その名のとおり、驚くほどカリコリしたものができあがる。 オイルと塩をたっぷりぬって高温で熱することで、皮の表面が揚げたように軽くなるから、まるでスナック菓子のような食感。適度な塩味と、皮の下の脂身の甘さの、どうしようもなく絶妙なハーモニー…。いかーん!こんなものが世の中にあったら、ダメだったらダメだ!と思わず叫びたくような、罪深い食べ物との出会いが、そこにはあった。 今ではお肉の部分以上に、このクラックリングが楽しみでロースト・ポークを作るのだけれど、はっきり言ってこれだけ高カロリーなものは、食べるたびに罪悪感もアップする。おまけに塩分も、ポテトチップよりはるかに高いとか。いやだわ。あぶないわ。だったら、皮なしで料理する!?だけどせっかくポークを焼くのに、クラックリングがないなんて。 お料理の本にも、「ロースト・ポークはいかに上手にクラックリングを作るかが決め手」と、くどいぐらいに書いてある。実際どんなにお肉がおいしく焼き上がったとしても、クラックリングがふにゃっとなってしまったら、2時間もかけた苦労と手間が(そこはオーブンがやってるのだが)一気にパーになった気がして、くやし涙にくれるのだ。 こうなると、前は絶対捨てていたチョップのまわりについている細い皮ですら無視できず、それだけを焼くためにオーブンを温めたりする背徳の日。しかしこれだけ律儀に皮がついてくるということは、みんなもけっこうクラックリングが目当てなのかしら。上手に作るのは時間もかかるし大変なのに。 でも、そんな面倒がイヤな人のためか、クラックリングはまさにスナック菓子として、袋入りのも売っていたりする。もう「お肉のついでに皮も焼いたから食べましょう」などというキレイごとは言いっこなし。このうま〜い皮の部分だけを、食べたい時にすぐ食べたい!そんな人々のヨコシマな夢が、すでにかなっているなんて。 しかしそっちを食べていると、やっぱり自家製が恋しくなってくるのである。それでまた、皮付き部位を求めてお肉売り場へ…。何かがまちがってるような気もするけど、もう戻れないのだ。皮なんか捨てていたあの頃には! (マツザキリカ)No.58/07/2010 筆者:マツザキ リカ(Kazzyの妻) ニュージーランドの情報誌「Gekkan NZ」にフードエッセイ"Good Kiwi Tucker"を好評連鎖中。 http://www.gekkannz.net/gekkannz/latest_gekkannz/ Kazzy & Rika がやっている個人旅行者を応援する小さな宿 Minna House B&B http://minna-house.co.nz |
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利き酒ならぬ「利きチョコレート」って、やったことあります? |






