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■吾輩の猫である(45)
わたしが、ワーグナーの歌劇[1]を聴きながらガの写真を見ていると、タマが言った。
タマ:「あんた、そんな毒蛾の写真、よく見ることができるな。オレは寒気がする。」
わたし:「・・・」
タマ:「あんた、それ、どうするんだ。毒薬[1]でも作るんか?」
わたし:「・・・」
タマ:「あきれて、ものが言えねえ。」
わたし:「お前には、いっさいエサはやらない。」
するとタマは、「ワリィ、ワリィ、あんた、素晴らしいよ。」
と、そっぽを向いて言った。
さすが、吾輩の猫である。
[1]ワーグナー/歌劇「トリスタンとイゾルデ」/カルロス・クライバー指揮/ドレスデン国立管弦楽団
コロ(T:トリスタン)、プライス(S:イゾルデ)他
イゾルデは老王と愛の無い生活を送るよりはと、トリスタンに毒薬を飲ませ、自分も飲む。
しかし、侍女ブランゲーネは、それを媚薬に変えていたために2人は愛に浸る。。
「愛の耽溺のきわみ」を表現した歌劇は、ワーグナー自身の不倫が生み出した傑作です。
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