ここから本文です
雑記帳―日記版
経済・産業・財政に関する備忘録と、スキー、音楽などの趣味の日記

書庫全体表示

 イラストレーターライクなドロー系画像処理ソフトのInkscape。何せオープンソース、フリーなもので、ホント、重宝します。
 でも、大きな問題点の一つが、カラープロファイルがRGBだけなこと。オフセット印刷等で用いられるCMYKには対応していないので、そのままだとビジネスには使いづらい…でも、同じくオープンソース・フリーのScribusというDTPソフトを使えば、RGBのsvgファイルを、CMYKのPDFファイルに変換することが可能です。

 ということで、今回は備忘録的にその手順を。

【架空のスキー場のチラシを作ろう】
イメージ 1
 関係ないんですが、今年は全国的には大雪だったにも関わらず、地元スキー場に限っては雪不足で、例年より随分早くシーズン終了しちゃいました。
 未だ3月、普通ならまだ滑れる時期…ということで、そんな郷愁も込めて、今回は、実際には存在しない「豪雪山スノーパーク」というスキー場のPRチラシを作ってみます。

 あらかじめ、完成図を示すとこちら→
 ちなみに、作成時間は約3時間ほど。カーソルオンで右下に表れる虫眼鏡をクリックすると拡大します。



【まずはGIMPで素材作り】
イメージ 2
 せっかくなんで、それなりのものを作ろうかと思いまして、Inkscapeとともによく使うGIMPというフォトショップライクなペイント系ソフトを使い、素材を作ります。
 作るのは、チラシ上部の写真画像。拡大してみていただくと分かるように、単なる写真ではなくて、写真を絵画風のタッチに加工しています。

 まずはGIMPで加工したい写真を開き、フィルタのGIMPressionistをクリックします。
 これ、いろんな加工が施せるんですが、左のように設定すると、写真を筆でダメたような効果が得られます。

イメージ 8

 ブラシの太さなど設定を変えることで、いろんなパターンの加工ができるはずですから、いくつかつくって元の写真にオーバーレイでかぶせます。
 最後に、これをpngなどで保存して、素材作りは終わり…結構簡単です。

【Inkscapeでまずは基本レイアウト】
イメージ 9
 素材をいくつか作ったら、いよいよInkscapeの出番。

まずは先ほどの素材を、適当に並べてみましょう。並べ方はセンス次第ですが、私はよくこういう対角線に配置するので、ワンパターンですが今回もそんな感じに。
 あと、並べたら、上においている画像にはフィルタのドロップシャドウを使い、ちょっと浮き出した感じに仕上げます。








イメージ 10

 写真を並べたら、次は基本レイアウトを。
 これも色遣いなど感覚次第ですが、今回はスキー場なのでさわやかな感じで白やパステル系の色を使ってみました。
 でも、それだけだとさびしいので、一番下には黒の帯を入れて締め、また、画像部分には、透過色を2層(オレンジ+黒)かぶせてみたところです。

【パーツの配置】
イメージ 11
 レイアウトが決まったら、次はパーツを配置します。

 まずは画像部分。何せここは、チラシの顔になる部分なだけにアクセントがほしい…ということで、上にかぶせている透過色に文字を乗せ、この部分だけ切り取ってみました。

 やり方は図のとおり。
 透けた黒の四角をパス化し、その上に文字を乗せてこれもパス化(パス化後、一旦、グループ化を解除してパスを連結すると、文字全体が一つのパスになります)、両方を選択して差分をとると、文字部分だけ切り抜くことができます。

 この後、この文字のパスを二つコピーし、一方をアウトセットで太くしてもう一方との差分をとり、ぼかすと、切り抜きの周辺を強調することも可能です。

イメージ 12

 さて、次に画像と水色のインフォメーション枠との境目に、キャッチコピーを入れてみます。
 少々クサいですが、今回、「白い天使達が織りなす、一冬の想い出。」とかいうコピーを考えてみました。

 大事なことですが、文字は背景画像とは別のレイヤーを新たに追加し、ここに書きます。
 書いた後、この文字をコピーして、下の画像やレイアウト枠が書かれているレイヤーを選択、「同じ位置に貼り付け」で貼り付け、色を黒にして透過・ぼかしを設定し、シャドウにします。

 もっとも、単純に文字にドロップシャドウを加えてもいいんですが…なんでこんな風にするかは次で説明します。



イメージ 13

 さらに、その他のパーツを追加していきます。
 この時、大事なのは、文字やベクター系のイラスト・マークなどは先ほど追加したレイヤーに、他方、ビットマップ系の画像やシャドウ、ぼかしや透過、グラデーションなどのフィルターを加えたオブジェクトは下のレイヤーに配置することです。

 ベクター系の強みは、いくら拡大・縮小しても「劣化しない」こと。
 でも、CMYKではフィルターはラスタライズされてビットマップに置き換えられます。このため、ベクター系の文字やイラストにフィルターをかけると、文字やイラストまで含めてラスタライズされてしまいます。

 このため、ベクターとして残すものとラスタライズするものとをレイヤーで分ける必要があるのです(きっと、高価なソフトではその辺、自動だろうけどw)。

【Scribusへの前処理】
イメージ 14
 さて、一通りデザインが完成したら、Scribusへ橋渡しするための「前処理」を行います。

 まずは背景画像。先にも述べたように、CMYKでは透過やグラデーション、フィルタ等は扱えません。このため、背景画像を一括してビットマップに変えてしまいます。
 具体的な手順は図のとおり。再編集を可能にするには元のデータを取っておく必要がありますので、まず、下のレイヤーの上に新たにレイヤーを設けます。
 そして、下のレイヤーのオブジェクトを全部グループ化(透過などを下の画像と一緒にするため)、新たに設けたレイヤーにコピーして、ビットマップコピーします。

 なお、この前に、Inkscapeの設定で、ビットマップコピーの解像度を300〜600dpiぐらいにあげておく(初期設定は90dpi)ことをお勧めします。
イメージ 15


 さて、Scribusに行きたいところですが、もう一つ、前処理が必要です。
 Scribusの場合、日本語処理がまだイマイチなので、このまま読み込むとフォントやカーニングなどの関係で、文字の位置が結構ずれます。

 このため、上のレイヤーの上にさらに新たなレイヤーを設け、テキストや他のベクター系のイラストなどをコピー、「オブジェクトをパスに」を使って全てパス化してしまいます。
 もちろん、パス化前のテキスト等は、再編集を可能にするために、別のレイヤーにとっておく必要があります。

【Scribusへの読み込み】
イメージ 3
 ここまで来て、ようやくScribusの出番。

 先ほど保存したsvgファイルを、インポート→ベクトルファイルを取得、で読み込みます。
 なお、ファイルの新規作成時には、切り落としマージンを数mm程度、とることを忘れずに。



















イメージ 4

 でも、このScribus、やっぱりフリーなんで、どこか変なところがあります。
 まあ、使用に支障があるというほどではないですが…

 読み込んだsvgファイルは、たぶん、実寸より大きく表示されます。このため、パーツの追加の最後で設けた四角の枠を使って、サイズ合わせと位置合わせを行います。
 最初は結構、戸惑いますが、何度かやるとそう難しくはありません。

【色の調整】
イメージ 5
 ここまできたらもう9割方、終わりです。

 次は今回のメインテーマ、RGBカラーからCMYKカラーへのプロファイルの変更。
 まず最初に、ドキュメントの設定で、カラーマネジメントを設定します。










イメージ 6
 次に、色の編集です。
 編集→色で、各ファイルにおける使用色の一覧が出てきますので、この中からRGBカラーになっているものを選び、CMYKに変更します。

 アイコンが出るので判別は簡単ですし、多くの色は単純にCMYKを選ぶだけでほぼ似た色に変換してくれます。
 でも、RGBで特に輝度が高い色は、CMYKではなかなか適当なものが作れなかったりしますね、やっぱり…まあ、しょうがないんでしょうけど。








イメージ 7

 最後に、ファイルのエクスポートを使って、PDFに出力します。
 断ち切り・切り落としを使うと、冒頭のような結構それらしいPDFの出来上がり。

 いかがでしたか?
 それにしても、必要は発明の母とはよく言ったもので、私の場合、公私ともにカネがないものですから、某社の高価なソフトを買う訳にもいかず…なんて四苦八苦していたところで、でもその一方、捨てる神あれば拾う神ありなのか、フリーでもこのように色々使えるソフトも転がっているもんだなあと改めて思った次第でした。
 まさに知識社会、なんでしょうね…便利になったものです、ホント。

この記事に

  • 顔アイコン

    はじめまして
    inkscapeで作ったものを同じように致しました。

    質問です。
    背景もすべて選択をし、すべて「オブジェクトをパスへ」をし、その後、「ビットマップにエクスポート」では出来るのでしょうか?

    そのようにやって見たところ、いろんな文字は問題がありませんでしたが、「開催」の「催」の文字だけがおかしくなりました。

    [ - ]

    2013/1/7(月) 午前 0:53

    返信する
  • 顔アイコン

    コメントありがとうございます。

    具体的な状況が分からないので何とも言えませんけど、文字化けということでしたら、ありうる一つの可能性は、「アウトライン化(パス化)したはずの文字がパス化されていない」というケースでしょうかね。
    あるいは、scribusに読み込む際に、パス化したレイヤーの「催」とともに、再編集用に保存しているテキストベースのままのレイヤーの「催」も非表示になっていなくて、でもinkscape上は重なっているのでおかしくは見えないが、scribusに移すと後者の「催」だけがフォントシステムの関係上、崩れてしまうとか…何とも言えませんけど、ご参考になれば。

    [ kazu_kitamura ]

    2013/1/7(月) 午後 2:31

    返信する
  • 顔アイコン

    Inkspaceでeps保存する時、グラデーション等はビットマップで保存されます。
    CMYK変換部分じゃなくて、Inkspace保存の方でラスタライズされてるのかも。 削除

    [ TomOne ]

    2013/1/9(水) 午前 8:05

    返信する
  • 顔アイコン

    ですね…グラデとか、あと、ドロップシャドウのようなフィルタエフェクトとかはラスタ画像化されます。たぶん、透明情報をどう扱うかというところに関係するんだろうと。
    で、入稿する機会があって試したんですが、ラスター化された部分はうまく取り扱ってもらえなくて、この部分もオープンソース系でCMYKで扱う方法がないかなとか思ってGIMPのセパレートプラグインとかも使ったりしてみたんですが、この辺がうまくいかず…未だ悩みどころです、私も。

    [ kazu_kitamura ]

    2013/1/9(水) 午前 8:30

    返信する

顔アイコン

顔アイコン・表示画像の選択

絵文字
×
  • オリジナル
  • SoftBank1
  • SoftBank2
  • SoftBank3
  • SoftBank4
  • docomo1
  • docomo2
  • au1
  • au2
  • au3
  • au4
  • 名前
  • パスワード
  • ブログ

本文はここまでですこのページの先頭へ
みんなの更新記事