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小説『敦煌』は―― 、敦煌が西夏との戦いに敗れて滅びる時に、洞窟に万巻の経典を洞窟の壁に塗りこんで隠す。これが、二十世紀になってはじめて陽の目をみたという史実をもとに描かれた壮大な歴史ロマンなのだ。 この小説を初めて読み終えたときに、この隠された経典はその後どうなったのだろう? ということが気になってしかたなかった。 だが、当時は受験勉強と部活の陸上競技に専念していたので、残念ながら調べられなかった。 大学生になってから、改めて『敦煌』を読み直してみると、歴史的知識が増ていたので、一層興味深かった。 まず、小説『敦煌』の歴史背景とあらすじを、映画「敦煌」の画像を交えて紹介します。 小説『敦煌」 時代背景と舞台時は北宗の時代の十一世紀。 舞台となるのは宋の都開封と西夏。「西夏」は当時、ゴビ砂漠の入口に興慶(現在の銀川市)という中心地をもち、 李元昊に率いられて河西回廊の漢民族の支配地を次々と襲っていた。 西夏の初代皇帝李元昊 途方に暮れ、街を当て所もなくぶらついていた彼は、たまたま市で実を売られていた西夏の女の逞(たくま)しさに惹かれ、西夏という未知の国への関心をそそられる。 三田佳子演じる西夏の女 西夏文字が書かれた布片 別れ際彼女から西夏文字の書いた布片を託されるが、これを読めるものは誰もいなかった。 西夏文字の謎を追い求めて西域に入った趙行徳は、西夏軍に捕らえられ、漢民族だけで編成された外人部隊に編入される。 戦場となったヤルダン地帯と西夏軍漢人部隊の隊長朱王礼(西田敏行) 彼はここで、朱王礼という武骨な隊長に目をかけられ、重用されていくが、 ある年、西夏文字による辞書を編纂するという任務を与えられ、首都・興慶へ赴く。 数奇な運命から、彼は、ウイグル族の居城・甘州で交わりを結んだ王族の娘(映画ではツルビア)をかくまう羽目になる。 中川安奈演じるウイグルの王女、映画ではツルピア王女。 ツルピアは西夏の皇帝李元昊によって見出され、力ずくで妻になった。 行徳が西夏に戻った日、李元晃の妻となった彼女は城壁から投身自殺した。 このことを契機として、同じく彼女を愛していた朱王礼とともに、西夏に背くことになる。 彼らは李元昊の大軍に攻められて敗戦を重ね、遂に敦煌に追い詰められた。 彼らは、この地で最後の抵抗を試みるが、朱王礼は戦死してしまう。 壊滅を待つばかりの城内は、大混乱の様相を呈する。 行徳は、ついには、西夏が敦煌を焼き尽くす瞬間に居合わすことになる。 敦煌が陥落するに当たって、ラクダの隊商を率いている于闐(うてん)の王族を名乗る青年が、 欲に駆られて敦煌の支配者・曹氏一族の宝物を隠匿しようとする。 それに便乗して、行徳は大切な経典を莫高窟の穴に塗り込めたのだった。
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◆雑学
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