かずぼんのお役立ち情報室

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2018年11月30日。コンビニエンスストア・サークルKサンクスが全店舗を閉店しました。一時は6000店を超えた大チェーンが、完全にファミリーマートへと姿を変えることとになったのです。
コンビニはさまざまなチェーン店が乱立した後、大手3社へ急速に統合されていっています。現在のコンビニ店舗数のランキングを見ても、大手3社が圧倒的です。思えば子どものころはもっといろいろなコンビニたちがありました。ちょっと遠出をすれば、見たこともないようなローカルコンビニがいっぱい。
あの懐かしのコンビニたちは、どのようにしてなくなっていってしまったのでしょうか。大手3社に吸収されたチェーン店を中心に、コンビニ統廃合の歴史をたどっていきましょう。
 大合併のはじまり「ローソンのサンチェーン吸収」
まず登場するのは、1976年に誕生した「サンチェーン」。東京・大阪・名古屋を中心に約1035店を展開しており、三角形のサンドイッチ型のごはんで具をはさんだ「おにぎりサンド」などをヒットさせ、ガソリンスタンド併設型店舗の先駆けにもなっています。しかしサンチェーンは1980年から既にローソンを率いる「ダイエーグループ」の傘下にあり、グループはコンビニ事業を未来の中核事業と考えていました。そこで当時から無類の強さだったセブン-イレブンを追撃するため、1989年3月にローソンと合併されることになったのです。合併後もしばらくは、サンチェーンの店舗も営業されています。しかしイメージ調査を行ったところ、ローソンのほうが女性の支持が高かったことが判明(日経流通新聞 1992.1.14)。その数をどんどん減らしていき、1994年5月24日に最後まで残った高田馬場三丁目店がその看板を下ろしました。
 
木のロゴマークでおなじみ、サンエブリーも消滅
そしてコンビニの提携や統廃合が本格的にはじまるのが、バブル崩壊以降。これまで高成長を続けてきたコンビニ業界も消費低迷の影響で売り上げの伸びが鈍化、競合も激化しました。結果、提携で経営基盤を強化する必要が生まれたのです。(日本経済新聞 1993.2.9)「サンエブリー」は山崎製パンによるコンビニ。1977年に誕生し、同じく山崎製パンによって営業されていたヤマザキデイリーストアー(現デイリーヤマザキ)とともに、多くのチェーン店を持っていました。お総菜に強く、「さつま棒」「たこ焼き」「肉じゃがフライ」などの和風ファストフードなどで名をはせていましたが、1999年に当時約450店舗あったサンエブリーと、ヤマザキデイリーストアーは「デイリーヤマザキ」に統合されることとなりました。これは大手チェーンとの競合激化からの店舗数縮小により、大手との格差が広がりつつあるため、チェーンを統一して効率的な店舗運営を目指したことが背景にありました(日経流通新聞 1999.1.7)。しかしそれでも1997年に約3000店あった山崎製パンのコンビニは、2017年末現在1553店(※1)まで減少しています。
※1……エリアフランチャイズを含めた総店舗数

ローカルコンビニらも次々と姿を消す
続く2000年以降。コンビニの有力な出店場所はほぼ押さえられ、拡大の方法は、新規出店から既存チェーンの買収に切り替わることになりました(西日本新聞 2001.6.16)。「チックタック」は1979年設立。当時富山県内で45店舗展開し、北陸の味覚を研究、開発した「ますべん」やとろろ昆布のおにぎりは、同業他社も追随する大ヒットとなりました。しかし2004年11月、ポプラにより買収を受けます。大手の出店競争で当時既に都市部が飽和状態になる中、空白地帯だった北陸への進出を図るためでした(朝日新聞 2004.11.27)。「ホットスパー」は茨城を中心に北関東を地盤にしてきたチェーン。特に茨城の店舗は1990年代には400店近くに達し、一時はコンビニチェーンとして県内最多を誇りました。店舗内に厨房を構え、総菜や弁当を調理してできたてを提供していたお店です。2001〜2002年にかけて、TBSの水戸黄門とタイアップした「世直し幕の内弁当」など、黄門様たちにちなんだ食品を発売していたことも。テレビ番組をまねて4週間ごとに商品内容を変え、13回連続で出すという壮大な企画も行っていました。しかし2002年6月までにココストアの傘下に入っていたことや、店を明るい色使いにして女性客を増やす意図から、2007年に統合が決定。2008年3月末までに全店の看板の掛け替えを実施し、ホットスパーは消滅したのです(日本経済新聞 2008.1.23)。
 
中小チェーンならではの工夫のあったコンビニも消滅
 
「新鮮組」は1986年にオープン。弁当類のメニューは当初から25種類ほどあり、客の注文を受けてから店内調理しており、配送時間、配送経費がかからないというメリットがありました。弁当は粗利益が高いため、これを主力商品として奮戦。「スパムおにぎり」なども人気でした。しかしそれでも大手のシステムや商品力が必要となり、首都圏を強化したいローソンとの思惑が一致し、ローソンとのメガフランチャイズ契約を締結。新鮮組と同じく展開していた「ジャストスポット」の店舗とともに、2008年にローソンへと転換することになったのです(日経MJ 2008.1.25)。「チコマート」は2005年10月に倒産。実は2013年にスーパーの長崎屋などを傘下に置いていたキョウデンのグループから独立していました。「独立して自分の意思で他社がまねできない店舗設計をしたい」と社長の十枝利樹氏は意気込んでいましたが、それからわずか2年後の倒産劇でした(日本経済新聞 2004.10.27)。大分エスジーチェーン、ひまわりチェーン、東北サンマートチェーン、マイショップチェーンなど多くのチェーンを傘下に収めてきたチコマートの最後は、皮肉な結果となりました。
「商品が同じなら、ローソンのほうが売れる」
そして2008年あたりから、規模の大きなチェーンの統廃合が目立つようになります。「なんでも99円」という、100円ショップを上回る安さとコンビニの便利さを兼ね合わせ、国内に衝撃を与えたのが「SHOP99」。しかし経営環境は厳しく、中国産食品の安全性に疑いの目が向けられた際にも売り上げが減少。そこでローソンとの提携を発表しました。それには、規模のメリットを獲得して仕入れ価格を下げる、食材の調達に三菱商事の力が借りられる、ローソンブランドで消費者からの信用も得られる……そんな期待があったといいます(日経MJ 2007.9.26)。そして2008年9月にはローソンが運営元の九九プラスを子会社化。同時に「SHOP99」の名が消えることも発表されました。その裏側には検証の結果、「SHOP99」の店舗より「ローソンストア100」の店舗のほうが、商品はほぼ同じにもかかわらず売り上げが伸びるという残酷な現実があったのです。潮時を悟った九九プラス社長・深掘高巨社長は、自らの意思でローソンストア100への統合を決定しました。そして「SHOP99」は2011年7月20日をもって、全店がローソンストア100へ移行しました。
 冷凍弁当のam/pmも消える
「am/pm」は、冷凍状態の弁当を解凍して食べる「とれたてキッチン」のおいしさが評判でした。筆者もカレーライスが好きで、家から離れた店舗へも良く通っていたことを思い出します。ほかにもコンビニの商品を家やオフィスへ60分ほどで届ける「デリス便」などが喜ばれていました。しかし赤字に苦しみ、当時の消費不振もあって経営が行き詰まったam/pm。そこでam/pmが展開していた首都圏での勢力拡大を狙う、ファミリーマートに買収されたのです(エコノミスト2009.12.1)。買収時点で1107店あった店舗はみるみるうちにその姿を減らしていき、最後は2011年12月10日大阪府内の2店舗が閉店し、コンビニ弁当界の雄はその幕を下ろしました(読売新聞 2011.12.13)。
店内キッチンが充実したローカルコンビニ2店舗も消滅
「ココストア」は1971年に愛知県春日井市で1号店を出した、コンビニ界の草分け的存在でした。店舗内にキッチンをもうけ、できたての弁当や総菜が売りでしたが苦戦が続き、店舗は減少傾向にありました。そんなココストアが、2001年に買収していたコンビニが「エブリワン」。1994年に今はなき九州の地場スーパー「寿屋」系のコンビニとして生まれたチェーンです。ワインの量り売りやお店で焼くパンの充実など大手にはできない独自の手法で勝負してきました。地元農家の米の消費を増やすため、熊本県立鹿本農業高等学校が部活動で開発した米粉パンを売り出すなどの地域密着企画も行っていたのです。しかし競争激化で単独での生き残りは厳しいと判断した模様で、2015年12月1日にココストアは、ファミリーマートと合併。その後、2016年8月末にエブリワンは完全閉店。2016年10月31日にココストアも後を追うように消滅。最後の店舗は、ココストアが特に愛された地域といわれる、沖縄の宮古島でした(両店の一部はRICストアに変更)。
業界4番手、ついに吸収される
 
「サークルKサンクス」は、サークルKとサンクスが一緒になってできたコンビニです。サークルKはアメリカ発祥のコンビニで、1980年に愛知県名古屋市で1号店がオープンしました。コンビニ業界で先駆けて出された焼き鳥や、ボリュームあるのり弁当などが魅力のチェーン。サンクスも同じく1980年に宮城県仙台市で1号店をオープン。コンビニスイーツの先駆け「シェリエドルチェ」の展開、300円台の割安弁当を発売、大手コンビニで初めての携帯電話の店頭販売を行うなどの取り組みを行っていました。しかし最大手・セブン-イレブンの急伸などに個別では太刀打ちできなくなり、サークルKの地盤であった地元愛知県ですら、その勢いに屈するようになってきました。そこで2店は2004年9月に「サークルKサンクス」として合併します。合併当時、社長の土方清氏は2004年9月22日の日本経済新聞で「イス取りゲームに残った席はせいぜい3つか4つ」と語っていました。ですがそのイスは、4つではなく3つでした。店舗数業界第4位のサークルKサンクスは2016年2月、ファミリーマートに吸収合併されることが発表されたのです。徐々に店舗は減少。去る2018年11月30日に最後の3店が営業を終え、その役目を終えました。6000以上もの店舗数を抱えたコンビニチェーン、前代未聞の消滅。それはセブン-イレブン、ファミリーマート、ローソンの完全なる三強時代の幕開けを告げるものとなりました。

「独自性」がかなわない
 
 「スパー」はお店ごとの経営の独自性が保てるボランタリーチェーン。またほかのチェーンとの違いを出すため特色のあるサービスの導入も行い、1995年にPHSの販売を全国のコンビニに先駆けてはじめたこともあります。
  しかし本部の権限が強いフランチャイズチェーンに押され衰退し、2016年8月末までに全店のスパーとしての営業は終了。その後多くの店舗がハマナスクラブと名を変え、セイコーフレッシュフーズに本部機能を移すことになりました(一部は閉鎖やセイコーマートになった店舗もあり)。
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神奈川県民が愛したスリーエフ、単独店がなくなる
 
「スリーエフ」は1979年、神奈川県横浜市に1号店をオープン。チルド(冷蔵)での弁当提供をいち早く実施していました。「中堅だからこそできる戦略」に徹し、キユーピーと提携して無農薬のレタスやサラダ菜の供給を受けて商品に利用。地元神奈川県の食材を使ったメニューや、手作り感や鮮度の良さを打ち出した独自の食品などを展開してきました。しかし大手が出店を増やす中、業績が低迷。赤字も出る中で2016年4月にローソンとの提携で生き残りを図ることになり、さらに2017年4月、スリーエフ単独店舗の消滅が決定。2018年1月30日、全ての店舗が姿を消しました。いまスリーエフはローソン・スリーエフと姿を変えましたが、スリーエフのオリジナルブランド「F-STYLE」のデザート「もちぽにょ」を引き続き販売していたり、スリーエフが得意としていたチルドならではのフレッシュさを生かした手巻寿司やボリュームたっぷりなお弁当を発売しています。
 
「ありがとう、39円アイス」
群馬県民の心のコンビニといえば、1984年にオープンした「セーブオン」でした。2014年には600店舗を突破し、「セーブ(save)」の名前通りの少しでも安くて良いものを販売する“節約コンビニ”。目玉の39円アイスや、172円の牛乳、102円の食パン(全て税込)など、スーパーにも対抗しうるほどの価格と利便性を兼ね備えていました。しかし2017年2月にローソンとのメガフランチャイズ契約の締結を発表、セーブオン全店舗の閉店が決定。中堅が大手と戦っていくことの苦しさに加え、セーブオンの平田実社長によると「ATM(現金自動預払機)や電子マネーが整備できておらず、オーナーから変化を求める声もあった」という時代の要請もあったようです。完全閉店は2018年8月31日でした。上京した群馬県民も、この日のために群馬へ帰った人が多かったほど。「また498円の1キロカレーが食べたい」などの声を残して、34年の歴史の幕が下りました。

大手3社に集約する流れは止まらない
ここで統廃合されたコンビニをおさらいしましょう。2016-2017年だけでサークルKサンクス、スパー、スリーエフ、セーブオンという比較的大きなチェーンが統廃合を発表し、2018年はその完全閉店が相次いだ年でした。大手3社以外のチェーンたちは、さまざまな理由で大手に吸収されていく道を選んでいます。
・大手はシステムと商品力が強い
・チェーンを統一することによる効率性
・消費不況で大手の力を借りたい
・女性の支持が欲しい
・電子マネーを整備したい
かゆい所に手が届く、サービスの行き届いた大手3社に集約されることで、便利になる恩恵も私たちは感じています。一抹の寂しさを覚える方もいるかもしれませんが、それでもこの流れはなかなか止まらないでしょう。当時の思い出を語ることで、消滅したコンビニたちは私たちの中で生きていきます。消滅したコンビニチェーンたちは、実は統廃合後も個人商店として営業している店もほんの少しだけあります。ぜひ思い出の店を探して、訪ねてみませんか。
ねとらぼ2018/12/12(水) 12:00配信


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