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――咲島千歳(さきしまちとせ)は優秀な生徒である。
定期テストを実施すれば学年一位は当たり前だし、体育の授業では男子すらも凌駕する現象を引き起こす。
半端無いぐらいに常識外であり、常識という下らぬ檻で囲ってしまうには惜しいぐらいの人材だ。
「ええと……で、この才女様が千歳様なわけですか?」
学園一の才女。俺たちの常識を信じるなら、確かにそう呼ばれていた。
「その才女様って呼び方やめてほしいわね……別に才女じゃないし」「いやいやいや」
学園長に頼まれて、優秀生徒特別クラス(在籍生徒が千歳一人なので、影の通称として千歳ルームとも呼ばれてる)にやってきてみれば、そこに信じがたい光景があった。
学園長の頼みなだけに、嫌な予感はしていたさ。
「ど……どういうことなんだよっ! それはっ……!!」
「わたしのちっぽけな抵抗よ」
寝心地の良さそうなフカフカベッドに見せかけた物体(大量の丸椅子を並べてベニヤ板を敷き、そこに柔らかそうな布団を載せただけ)に、優雅に寝そべりながら才女様――千歳は言う。
――それのなにがていこうだ。
「真面目な才女様もようやく反抗期なのか?」
「だから才女じゃない、って言ってるじゃない。結局、周りが囃し立ててるだけで、全ッ然これっぽっちも才女の自覚がないのよね。わたしには」
「うん……まあその残念なお姿を見れば、なんとなくわかったわ」
「今すっごくどうでもいいことで、ひどくバカにされたような気分だわ」
はぁー、とため息をつく千歳。まあ、実際バカだからバカにされてもしょうがないと思うわけだが。
なぜベニヤ板まで利用してそんな即席ベッド作ったし。
「で、わたしに何の用なの? こんな所に来たぐらいなんだから、何かしらわたしに用事があるのよね?」
ほら、千歳も俺が呼ばれた理由を知らないと来た。
やはり、あの学園長が直々にお願いを頼み込んでくるのだから、よっぽど意味のない理由でもあったのだろう。理由にもならない意味が。
「ええと……結論から言おう。あの気まぐれテキトー学園長に呼ばれたから来たわけであって、俺も何がなんだかさっぱり分からない」
「あぁね、はいはい、理解したわ。あの学園長に呼ばれたわけね。それじゃあ分からないわけだわ」
才女様が言うぐらいなのだから、きっと学園長は本当にまともじゃないのだろう。
ここでようやく千歳と意見が合致した。いやだよこんな合致。
「じゃあ、俺そろそろ帰るわ」
「ええ、じゃあ帰ればいいわ。もう二度とここには来ないことね」
「ああ、分かってるさ」
言い放つとともに、俺は千歳ルームの扉を後手で閉めて立ち去った。
この時点では、俺も千歳も全く知らなかった。
学園長の言い放った『お願い』が、ただの思いつきでなく、この世界の命運を揺るがす壮絶な戦いの序曲であったことを――。
[序章-prologue- 「咲島千歳は優秀な生徒である」 End]
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新作……ッ!
新作……ッ!
新作……ッ!
実に、久しぶりの新作です。
本当に久しぶりです。創作からだいぶ離れてましたからね。
リハビリがてらに書き始めた本シリーズ。
長編連載になる予定なので、一応よろしくお願いします。
ちなみに、「俺」が本作品の主人公であり、メインヒロインは千歳になります。
序章なのであんまり性格面とか描写できてない部分はありますが、今後彼らの性格面を思う存分に書けると思うと超楽しみです。
久々の創作活動なので、色々とはっちゃけてる部分はあると思いますが、ぜひ読んでくれると嬉しいです。
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小説を続けるのなら応援しますね。大した感想は書けないでしょうけど(苦笑)
た……戦い!!
最初だけ三人称っぽくなっていましたが(!?)俺の一人称ですか?
2014/4/4(金) 午前 0:29
>ミストさん
久しぶりなので読んでコメント残してくれるだけで嬉しいですw
一応、俺の一人称になりますw
戦いと言っても、本シリーズは正統なバトル系ではないので、ゆるく読んでいただけるとありがたいですw
2014/4/4(金) 午前 0:33