|
情緒障害児の教師、トリイが出会った少女との交流について書かれた書
ジェイディは「選択性無言症」だった。
一言も言葉を発せず、体を二つにおりまげた姿勢で毎日を過ごしていた。
彼女はどうしてそうしていなければならなかったのか・・・。
ジェイディは実際にオカルト集団からの性的虐待に合っていたのだろうか。
それは最後まで分からなかったし、その後も分からないままだった。
まるでサスペンスかホラー小説のように感じてしまうこの本は、
実はノンフィクションで、それがまた衝撃だった。
読んでいると、
トリイがジェイディを分かりたいという気持ちが痛いほど伝わってきた。
告白された内容の重さに打ちのめされつつも、自分を客観視させようとしていた
ところは、さすがだ。
「ほんとに殺してやりたい」とトリイに怒りを向けたジェイディに対し、
「すごく怒らせてしまったわね。私を殺したいくらい怒っているのね。」
「そうだよ!」
「べつにいいわよ。気持ちと行動は別のものだから。だから、そんな気持ちにな
ったり、言葉に出していったりしても大丈夫なのよ。だってそういう気持ちにな
るだけでは、そういうことは起こらないんだから。思いを吐き出していいのよ。
気持ちや願いで人を殺したりは出来ないんだから」
この言葉は私にとって感動的であり、参考になった。
ここで怒りを出せたジェイディ。
そしてそれを受け止めてくれたトリイ。
カウンセリングに来談される方の中には怒りを悪いものとして捉えている方が多
くいる。
人間の持っている当たり前の感情を出さない出せない事による心身への影響は大
きい。
怒りを当然の感情として、吐き出してもよいのだ。
怒りの出し方が分からず、コントロール出来なくなり爆発し、業務に支障をきたす人
もいれば、言えない事で様々に身体症状を呈する人もいる。
「感情」について考えさせられる本だった。
エピローグでは、ジェイディは猫背気味だという以外、過去の身体的の問題の
片鱗も見えず、昔の縮こまり、押し黙ったジェイディを思い出すのは難しい。
と書かれている。
衝撃的な内容の本だっただけに、最後で救われた。
|