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久々公開。
「智代アフター」in PSPリポート8回目
今回はアフター7日目終盤までをリポート。
記憶喪失の朋也から「好き」という感情を聞きだした、智代は一大決心する。
朋也に真実を語るのだ。朋也が病院に連れていかれてからのあとのことを。
じつは朋也は、脳血腫と呼ばれる、血の塊が脳の中にできたことでいまの症状に陥っていた。
河原での喧嘩に、村での事故。いくつもの要因が重なって、こうなってしまったのだ。
それはすべて、朋也が誰かのために働いて…。そして傷付いた結果だった。
この症状は、進行することはないにせよ、要因は残り続ける。血腫が体内に吸収される可能性はないわけではないが、このままだと、記憶が戻る可能性は少ないのだという。
そしてこの記憶喪失、タチが悪いことに、1週間を経過することにゲームがリセットするかのように、その1週間の記憶さえ忘却してしまう。
中学時代以降の記憶を覚えていない状況に戻るのだった。
朋也は衝撃の事実を知る。
自分がそうした記憶のリセットを何十回、いや100回を超える数で繰り返してきたことを。
朋也がはじめてこの病院に連れられてから3年の月日が経過していたというのだ。
もちろん智代もこの3年間、手を拱いたわけではなかった。
朋也に対し、記憶が戻る試みがさまざまな形でとられていた。
あらゆる人を呼んで、記憶を蘇らせる努力をしてきた。
今回、高校に連れて行って、あれこれしたのも、そうした努力の1つだった。
高校に連れて行ったのはこれが最初ではない。何回も行ってきたのだ。
しかし、その試みはすべて失敗に終わる。
朋也の介護に疲れた智代は、人生に疲れ、一度は、朋也のマンションで、1週間何もせず引きこもった状態のときもあった。
だが彼女は朋也を忘れることはできなかった。
朋也を捨て、別の人生を探すのも選択肢としてはあったが、彼女にそれを選ぶことはできなかった。
「朋也…すまない…すまないっ…私は弱かったんだ…おまえがいないと、私は弱いままなんだ…全部おまえがくれたんじゃないか…守る強さを失っても…捨てる強さも私にはなかった…朋也…もっと私を強くしてくれ…おまえにしか出来ないんだっ!!」
そのとき彼女は朋也との誓いを想い出す。
『永遠に続いていく愛はある、絶対に』
「本当の強さなんて物は、私にはまだわからない。おまえのことを忘れて…またすべてをやり直す、そんな強さもあったのかもしれない。けれど…私の選んだ強さは、おまえと…いつまでも、おまえが記憶を取り戻す日まで…ふたりで歩き続けることだった」
ちょっとずつでいい。
探していこう。
そうして智代は朋也とのリプレイされる人生を繰り返し相手にすることに心に決めるのだ。
だがそこで繰り返された朋也は、智代に「ありがとう」という気持ちを抱くことはあっても、「好き」ということを述べることはなかった。
リプレイされる彼は彼女のことを二度と好きになることはないのだろうか。
もう聞くことはない、と思っていた言葉を、3年目にして智代は初めて聞くことになる。
そして、その言葉を聞いた彼女は踏み出すことにするのだ。
現状を変えるために。勇気を振り絞り、朋也に次の言葉を告げる。
「でも、もう終わらせよう…この繰り返しの日々を。これまでおまえは私に『ありがとう』としか言ってくれなかった。私が聞きたいのは、その言葉じゃなかった。もう聞けないんじゃないかと思ったこともある。でも…今日、ようやく、おまえは、私に好きといってくれた…それは、この三年間で初めてのことなんだ…それでわかった。私たちの愛は続いている。今も。今、おまえが証明してくれたんだ。だから…勇気をもって…私はおまえに告げる…朋也、おまえの記憶喪失は手術で治るんだ(中略)ただし成功する確率は、半分に満たない」
手術で治るが、その成功確率は半分に満たない。
しかも手術に失敗すれば命に支障がある。
智代は朋也の父と相談して、これまでは手術をせずに、現状のままで様子をみることにしていた。リスクが大きすぎるからだ。
だが、奇跡が起きたいま、手術にかけるべきではないか。
いいや好きという気持ちを持ち続けた朋也と一緒に居続けたい、と彼女は思ったのだ。
彼女からの言葉を聞いた、朋也はこう回答する。
「結婚しよう、智代」
そうその言葉は手術に臨もうという朋也の決意だった。
この気持ちを形にしよう。
永遠の『愛してる』に等しい、ただひとつの言葉。
おれと智代は家族になるんだ。
そう朋也は決意したのだった。
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