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(アバン)
街外れ・ハルヒの家の前。
・ブレザー姿のキョンが映し出される。
(NA・ナレーションの略 CV・杉田智和)
世界が分裂と融合という数度の化学現象を起こし、めでたく平穏を取り戻した5月、そんな平穏無事な生活を好まない人間がどうやらいるらしく、2週間も経たないうちにマグニチュード7.0クラスの激震が再び、俺たちを襲った。やれやれ、それにしてもこれで何回目だ。ハルヒのギネス級の性懲りもない性格にはほとほと飽きれ返るばかりだ。
古泉(CV・小野大輔)
「何をいってるんですか。今回の出来事はあなたが引き起こしたといっても過言ではないんですよ」
キョン
「おいおい待てよ、古泉、また俺がハルヒの精神に影響を与えたとでもいうつもりらしいが、あいにく俺はハルヒに対して…」
古泉
「違いますよ。あなたはどうやら自覚というものがないらしい。今回の件について涼宮さんの能力は関係ありません。すべてあなたに原因がある」
(NA)
そうかい。古泉のそういう台詞も聞き飽きたぜ。
キョン
「それで、俺は何をすればいいんだ」
古泉
「まずは私を抱きかかえてくれますか」
(NA)
「けっ、いまいましい。何を冗談いってるんだ。顔が近い」といつもなら、いうところだが、このときは渋々、俺は従っていた。実は古泉の言葉どおりに動かないといけない状況に迫られていたからだ。
・ここまでのシーン、古泉一樹の姿形はまったく映さない形で終了。
(FO フェード・アウトの略)
(OP)冒険でしょでしょ
(シーン1)
北高・下駄箱
「涼宮ハルヒの反発」のタイトル。
・生徒が往来するなか、キョンが下駄箱を開ける。手紙が入っている。
・そこに登場する鶴屋さん。
鶴屋さん(CV・松岡由貴)
「おっ、キョンくんもてるねー、下駄箱にラブレターって誰からだい。みくるにいいつけちゃおうかな」
・興味深そうにキョンが手に取る手紙を見回す鶴屋さん。
キョン
「ちっ、ちがいますよ」
鶴屋さん
「ふ、まーいいか。
よっ、色男。それとみくるには内緒にしとくから安心しな。はっはっはっはっー、それじゃー」
キョン
「いつみても朝から元気のある人だ」
(NA)
まず、どこから話せばいいだろう。下駄箱に古泉から「付き合ってほしい。今日の6時、駅北口の広場で」という朝から胸糞悪い、生涯のなかで間違いなくワーストに入る、いまいましい手紙が入っていたことからスタートすべきだろうか。なぜ奴からもらったかがわかるかというと、ご丁寧にも古泉一樹ととくに特徴もない署名がなされていたからだ。
愛らしい朝比奈さんから手紙をもらうならまだしも。というか古泉よー、男に対してそんな気色悪い文章書くなんて、お前やっぱりそっち系の奴だったのか。
気色悪い。正直なところ手紙をびりびりと破り、火で燃やし、陰陽師とやらに祈祷してもらった上で、古泉をモロッコあたりでも平然と置き去りにし、SOS団を4名として再スタートしたいという衝動に駆られたのだが、下駄箱に手紙という思わせぶりな展開にブレーキをかける。
うーん。万が一、SOS団の危機につながる話という可能性もあるしな。
・朝倉涼子に襲われるシーン、朝比奈さん(大)からの忠告のシーンがフラッシュバック
(シーン2)
北高・文芸部室
・ノックの上、キョン入る。ノック時に朝比奈みくるの返答。
・涼宮ハルヒはいつものように団長室に座っている。ナース姿の朝比奈みくるがせせこましくお茶を配っており、本をいつものようにみている無表情顔の長門有希に対して、お茶を置いている。古泉一樹の姿はどこにもない。
ハルヒ(CV・平野綾)
「なんだキョンか」
キョン
「なんだとはなんだ。そのあからさまな対応はなんだ」
ハルヒ
「ほんと、古泉くんはどうしたのかしらね」
(NA)
聞いちゃいねー。
みくる(CV・後藤邑子)
「バイトじゃないですか」
ハルヒ
「ねー有希、古泉くんは今日、ここに来た」
有希(CV・茅原実里)
「来ていない」
ハルヒ
「うー、せっかく夏の合宿について、いいアイディアを思いついたから、提案するつもりだったのにー。そもそも古泉くんには、今日は大切な日だと事前に話していたのよ。副団長のくせして、SOS団の活動よりバイトの方が大切だっていうのかしら。これは考え物だわ。ヒラの団員に戻らせて、副団長のありがたさを再認識させた方がよさそうね。
みくるちゃん、お茶」
みくる
「は、は、はーい」
・不機嫌そうな面持ちで空になった湯のみを差し出す涼宮ハルヒ。そそくさと湯のみをうけとり、お茶入れをする朝比奈みくる。
(NA)
どこの世の中に得体のしれない団体の副団長なんて役職、ありがたがる奴なんているって。
・涼宮ハルヒからもらった副団長の腕章を自慢げにキョンにみせる古泉一樹のフラッシュバック。
(NA)
まー、たしかに上司の顔色をつねに伺う万年、平課長のごとく、ハルヒ様の下僕として率先して動いている古泉なら副団長という役職はお気に入りなのかもしれないが。
それにしてもどうやら古泉は今日、部室には来ていないらしい。ハルヒの不機嫌状態のときに生まれる神人とやらの怪物退治に精を出しているとき以外は、部室にはほぼ来ていたように思えるし、ましてやハルヒと約束違反を起こし、精神状態を悪化させることだけはないようにみえるのだが。やはり何かアクシデントに巻き込まれたか。
キョンの視線は長門有希へ。長門有希は本から視線を上にあげ、キョンの顔を直視する。その表情はどこか怪訝な面持ち。何かを訴えたい表情が見受けられる。緊張するキョン。ただ、長門有希の視線はすぐに分厚い本に移り、ホッとするキョン。
(NA)
考えすぎか。
(シーン3)
北口駅北側改札前にある駅前広場
(NA)
不機嫌顔のハルヒを、赤ちゃんを多数預かる園長先生のごとく適当にあやしつつ、部室をでた俺は6時5分前に到着したというのだが古泉の姿はみえなかった。変人ハルヒのこの世の不思議を探すツアーなんぞには、俺より、後には来たためしがないというのだが。さすがにハルヒ以外のときはそうでもないらしい。案外、真面目そうにみえて、俺らがいないときにはペルソナを被る生徒会長氏のごとく、羽目をはずしていたりしてな。
古泉
「いやー、そうでもないですよ。10分前、いや、朝方からこの辺をうろうろしてましたがね。もっとも、こんな格好ですから、警察にでも補導される対象となりかねないのですが」
キョン
「うっ、古泉。前からいるなら姿を隠すな。だいたい、朝の手紙はなんだ…」
声の方向を振り向くキョン。だが、そこには古泉一樹の姿はない。
古泉
「あなたが手紙を読んでどう思ったかはともかく、あなたと付き合いたいという願望は僕にはありませんよ。別の方の意思が微妙に働いた結果、そうなっただけで。もっともあの文面の場合、恋愛対象における告白文とは限らないと思いますが」
・声だけが聞こえる。
キョン
「おい、からかうな。どこにいる古泉」
古泉
「だから僕はここにいます」
・しかし古泉の姿はみえない。
キョン
「お前、まさか、透明人間にでもなったとでもいうんじゃないだろうな」
古泉
「そうだったら、まだ良かったのですがね。いろいろ複雑な状況に追い込まれてしまって。もう少しばかり視線を下にずらして欲しいのですが」
・キョン、視線を下にずらす。小学4、5年生の少年がそこにいる。
(NA)
姿・形からして10歳の少年といったところか。少年ながら世間知に長け、大人に対して愛想よく振舞いそうな柔和な顔は、確かに古泉の少年時と思えなくもない。それにしてもハルヒよ、世界を分裂させた次は、年を5、6歳若くするって、さすがにあまり進歩がなさすぎると思うぞ。ガリバー旅行記か何かを読んだか知らないが、もう少し真っ当な夢をだな。
キョン
「今度は小人化か」
古泉
「いえ小さくなるだけなら良かったのですが」
佐々木(CV・堀江由衣)
「キョン、久しぶりだな。といってもかれこれ2週間ぶりか」
キョン
「おいっ、古泉、声色を使うな」
古泉
「これが夢ならばとは、僕も思いますがね。少なくとも冗談ではありません」
佐々木
「それにしても僕も正直、驚いているよ。朝、起きたら、少年の姿になってて、しかも少年の器には僕以外の心が入っているときている。僕は内向的な性格で、正直なところ、男の人の心と同一の容れ物のなかに一緒にされたくはないんだが。とりあえず紳士で助かっている」
古泉
「それは僕も同じですよ」
キョン
「おい、おい、まじか」
古泉
「本当ですよ」
キョン
「それにしても佐々木、大丈夫か。こんなにやついた男と一緒にいて、負担はかかっていないか」
・幼少姿の古泉一樹はキョンに対して何か一言いいたげな様子で肩をすくめる。
佐々木
「それについては大丈夫だ。ただ…」
キョン
「ただ?」
古泉
「彼女はうら若き女性。いくら小学生とはいえ、男のボディーを持ち、まあその生理現象のときに」
佐々木
「そのときはうまく精神を休息させて、この場合、睡眠状態といった方がきみには伝わりやすいと思うが。つまり、そのときは寝ていることでみないようにはしている。
ただ、それも長期間続くと、そうもいかないわけで。早くなんとかしたいと思っているが。それにしても想定外だな。きみが僕のことを心配するとはまったく思っていなかったよ」
キョン
「当たり前じゃないか。古泉、長門にはこのことは…」
古泉
「ええ、伝えていますよ。ほらほら」
古泉一樹のポケットの中に入っている携帯電話が鳴る。電話に出る古泉一樹。
古泉
「え、え、え、わかりました。
事態は相当深刻なようです。急ぎますよ」
以降2へ。
http://blogs.yahoo.co.jp/kazuyu2004/41793383.html
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