日本代表にとって勝ち試合に等しかったフランス戦 チームが進化した3つの理由2015年の南アフリカ戦(34−32)、16年のウェールズ戦(30−33)、そして23−23と引き分けた今年のフランス戦−。勝敗はさまざまだが、ラグビー日本代表は進化のマイルストーン(指標)となる試合を毎年積み重ねてきた。 すでに13年にはウェールズから金星をマークしている。若手も投入してきた世界8位のフランスとのドローを割り引いて評価する意見もある。だが、すべての試合を現場で観戦した印象としては、フランス戦のドローを大きな1歩と評価したい。 あるデータをみると、フランス戦の日本のボール保持率は57%、エリア支配率は64%と相手を上回った。全選手の走行距離506メートルも、フランスの352メートルを大きく上回り、タックル成功率も日本が84%、フランスは79%。勝ち試合に等しい数値を残している。 目を見張ったのは立ち上がりの日本の試合運びだ。キックオフ直後は、積極的な防御でフランスに重圧をかけて、敵陣ゴール前の攻撃から先制PGをマーク。エディー・ジョーンズ前ヘッドコーチ(HC)時代はもちろん、歴代代表チームでは序盤戦で失点を許すのが課題となっていた。 フランス戦での日本は、24分の両軍初トライも奪った。そして、後半はキックオフからノーホイッスルで、CTBラファエレ ティモシー(26)がトライを取り切った。 いままでと異なる日本の戦いぶりの理由は3点ある。1つ目は今秋から取り組む素早く間合いを詰めて相手の攻撃の選択肢をつぶす防御システム。2つ目は、相手防御にスペースがあると判断すると積極的に仕掛ける攻撃。そして、3番目はメンタル面の強さだ。この精神力が、前後半序盤の流れを日本に引き寄せた。 日本は前後半の立ち上がりから、自信に満ちたプレーをしていた。試合後や帰国後に何人かの選手に聞いたのだが、精神面で特別な出来事があったわけではないようだ。主将のFLリーチ マイケル(29)は「(トンガ戦に)勝ったのも大きい、自分たちのプロセスが結果につながっている。それを選手みんなが信じ始めている。いまは選手が言われてから動くんじゃなく、先に動いている」と語っている。戦術への自信と同時に、選手一人一人の自主性が、精神面の強さ引き出しているのだろう。 ラグビーの防御システムに関しては数週間、数カ月をかけて完成させるものだが、今秋の4試合でも成長をみせた。10月28日の世界選抜戦、今月4日の豪州戦では、ひたすら前に飛び出し破綻した防御がトンガ戦、フランス戦で整備され、詰める間合いに状況判断が加わっていた。 攻撃面でも、ジェイミー・ジョセフHC(48)が就任したばかりの昨秋のキック重視の戦術から、状況に応じた選択肢が増えている。ボールが動く状況では相手のスペースを積極的に突き、ボールが止まればキックで相手にカオス(混乱)を生じさせる戦術が洗練されてきた。 フランスとのドローが、2年後のW杯日本大会での8強入りを保証するものではない。フランス戦同日に、W杯で対戦が決まっているスコットランドは、日本が3週間前に30−63と完敗した豪州を過去最多得点の53−24で圧倒している。 それでも何を強みに挑むかは見えてきた。対戦相手以上に賢い戦術を、対戦相手以上に精密に遂行すること。ここに、どんな相手にも自信を持って戦える精神力が加われば15年W杯イングランド大会の再現、そして15年を上回る結果もみえてくるはずだ。 |
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