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「サンウルブズ」を支える安井豊明さん(53)

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 好天の東京・秩父宮ラグビー場が沸いた。
 1日の昼下がり。世界最高峰リーグ・スーパーラグビーで戦う日本チーム「サンウルブズ」の今季国内最終戦は、客席を埋めた約1万7千人の前でキックオフを迎えた。

 観衆は拳を握りしめて楕円(だえん)球の行方を追う。家族と一緒に来た幼い子どもが、隣に座った外国人客とじゃれ合っている。

 「今までとファン層が違うでしょう」。チームのオフィシャルスポンサーを務める人材サービス・営業支援企業「ヒト・コミュニケーションズ」(東京都)の社長、安井豊明(とよみ)(53)は目を細めた。
 ラグビー経験者だけでなく、幅広い人が観戦を楽しむ文化を広げたい―。
 その日のスタジアムは思い描く夢と重なった。
 
 チームは2015年に設立されたプロ集団だ。今秋のワールドカップ(W杯)に向け、選手の多くはジャパンの強化という大きな使命を背負う。
 「いわば日本ラグビー界の一大事。私にできることなら協力したい」。関係者から支援を打診された際、迷いはなかった。

 38歳で社長の椅子に座った。9年後、悲願の1部上場を果たした。幾度も訪れた経営者としての踏ん張りどころで支えになったのは、故郷・大分で没頭したラグビーの経験だった。
 「全て恩返しです」

 少年時代。高校ラグビーの名門・大分舞鶴の黒いジャージーに憧れた。
 初志貫徹で同校へ。与えられたフランカー(フォワード)のポジションは「いつもボールの側にいないといけない」。仲間のために体を張り続けた。
 常勝を義務付けられた伝統校にあって、上級生が抜けた新チームは九州新人大会の準決勝で敗れるという挫折を経験した。「俺たちは弱い、と自分らに言い聞かせていたね」。劣等感をバネに過酷な練習を耐え抜いた。

 「谷間の世代」とも呼ばれたフィフティーンはどん底からはい上がり、冬の花園で準優勝の結果を残した。その決勝戦は松任谷由実の名曲「ノーサイド」のモデルになったとされる。

 W杯日本大会では公式サイトの運営や12会場のボランティア研修などを自社が担う。「携われることが本当にうれしい」
 02年のサッカーに続いて2度目のW杯を迎えるなど、経験を積み重ねる古里が誇らしい。地方都市のスポーツ文化を牽引する存在になってほしいと願う。

 ラグビーと大分。いとおしい二つの将来を思いながら、安井は己の人生を切り拓(ひら)いている。「県民の情熱はきっと伝わる。素晴らしい大会になりますよ」
 開幕まで100日だ。令和元年は集大成の年になる。

 ラグビーW杯日本大会は開幕まで100日となった。大分の未来を探る年間企画「切り拓け おおいた新時代」の第6部は、W杯を成功に導くために奔走する大分県出身者らにスポットライトを当てる。

 やすい・とよみ 1965年、大分市生まれ。
大分舞鶴高、福岡大でラグビー部に所属。卒業後は富士銀行(現みずほフィナンシャルグループ)を経て大手家電量販店へ。2004年から現職。16年からサンウルブズを支援している。豊の国かぼす特命大使。都内在住。
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