毎年行われている長距離パートの鉢伏合宿(兵庫県)。標高が800mを越える山中で脚力を鍛え上げていく。8月7日から15日までの日程で行われる今合宿の2日目と3目の様子をお伝えする。

 京産大の夏合宿は全体で3部に別れており、鉢伏、北海道の全体合宿を経て、群馬・万座高原の選抜合宿へと移行していく。

今回の鉢伏合宿で選手たちを振るいにかけることはせず、じっくりと走り込みを行い脚力、心肺機能を鍛えていく。控える北海道、万座合宿に向けての準備という位置づけだという。この合宿では監督やコーチ、選手はもちろんのことトレーナーも滞在をして、チーム一丸となって乗り越える。

 2日目の午後練習は17時から開始した。メニューは男女ともに集団走。男子は2グループに分かれて、女子は全体で行った。

故障から復帰して日の浅い男子の一部は女子のグループに参加した。砂利道やクロスカントリーといった起伏のある周回コースでおよそ20kmの距離を踏む。男子は瀬戸升航主務の提案で下級生が集団の先頭を走り、練習を引っ張っていた。

「上級生に頼るのではなく、下級生が自分で引っ張りペース感覚を掴ませる。また、自分が練習を引っ張っているという自覚と責任感を持たせる」(瀬戸升主務)ことが狙いだそうだ。

女子はトラックシーズンで結果を残し、駅伝でも好走が期待される藪田裕衣と棚池穂乃香が集団を引っ張って練習をこなしていた。こうした積み重ねが自信につながっていくのだろう。高所のため気温は25,6度と京都に比べると涼しさを感じる。しかし、いくら涼しいとはいってもおよそ20km、1時間以上も走りこむのだから大量の汗をかく選手も多数いた。

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2日目の集団走の様子

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練習後は流しを入れる

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1時間以上走りこんでシャツからは汗が絞りだせるまでに

 練習を終えると、入浴、夕食へと移っていく。夕食にはレバーをはじめ合宿を乗り切るために必要なスタミナをつけるためのメニューが並んだ。

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食事は合宿を乗り切るために必要不可欠だ

 食事を終えた後は20時より前田トレーナーのもと体育館で補強トレーニングを実施した。前田トレーナーは「習慣、伝統と化してきている従来の補強運動が役に立つのは1年生まで。そこからは従来の動きをベースとした新しい運動を取り入れていかなければ力はつかない」と積極的に新しいトレーニングを指導していた。

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前田トレーナーのもと補強トレーニングに取り組む選手たち

補強トレーニングを終えても、ゆっくりとする時間は長くない。21時半には消灯時間を迎え翌日の練習に備える。
 3日目の男子の午前練習は日も登り切っていない6時にスタート。練習開始に合わせるため5時過ぎに起床をして5時半より各自でアップに取り組んだ。

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起床するとすぐさまアップを行う

バナナやゼリーといった軽食をすませ、木々が生い茂る山道へと足を踏み入れていく。砂利が多く舗装のされていない道を1時間走ったところで折り返す。朝から2時間しっかりと走りこんだ。

話によると20kmは軽く越える距離だそうだ。選手たちに給水を渡すため、マネージャー達は小室輝明コーチが運転するワゴンに乗り自分たちの仕事をこなす。

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足場の不安定な山道で走り込みを行う

これで午前練習は終わりかと思われたが、全員がバスで山のふもとまで連れていかれた。今度は7km弱ある急激な上り坂を駆け上がるのだという。各自のペースに任されているが20kmを越える走り込みの後の上り坂は相当体に応えているだろう。しかし、「最後の選手のタイムが例年より早く全体的に底上げがなされていると思う」と鈴木啓文マネージャー。チーム全体がレベルアップに向かっている。

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通り雨に遭うにも足取りが止まることはない
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ワゴンからメガホンでアドバイスを送る小室コーチ

午前中に30km超を走り込み9時過ぎに朝食を摂る。その後は宿舎でゆっくりしたり、補強トレーニングや散歩で体をつないだりして、午後練習に向かっていく。女子はこの日、朝から集団でジョグをした後に、サーキットトレーニングを行い基礎体力を養っていた。このような日程を1週間行う。
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小室コーチの話に真剣に耳を傾ける

 駅伝シーズンでキーマンになる選手を問うと,男子は上坂優太(2年)と答えた瀬戸升主務。「学内の山道T.Tで最も速いタイムを持っているのは上坂。全日本予選会後も最も悔しがっていた。今は本能で走っている感じだが、レースを積んでいけば洗練されていくと思う。今年は上坂の年になると言っても過言ではないかもしれない」と新戦力の台頭に期待を寄せていた。

女子の方は「関真衣子(3年)と信岡桃英(1年)。関、信岡ともにここぞというときに粘ることが出来る選手。合宿で順調に練習を積めればシード権が近づいてくると思う」。こちらは久保雅美主務のコメント。男女ともに下級生の伸びが期待される。

  男子を引っ張る寺西雅俊主将は「年を重ねるごとに合宿もこなせるようになった」と成長を実感している。駅伝での目標に関しては「昨年より力は現時点で劣っているが、出雲、全日本共に10位という目標にやっていきたい。どの区間を任されても走る覚悟は出来ている」。

主将らしい頼もしい言葉が聞いて取れた。全日本予選会を2位で終えたことに関しては「負けたことは仕方ない。もう一度やれば勝てるかもしれないが、今は気にせず自分たちのやるべきことをやるだけ」と自分たちのスタイルを貫く所存だ。

女子を引っ張る佐藤季実子は「故障明けだが、4年生の意地で合宿をこなしていく。全日本の希望区間は最長の5区。シード権獲得が目標」。最終学年に賭ける思いを感じた。

7泊8日の鉢伏合宿を終えると休む間もなく17日から26日まで8泊9日の北海道合宿をこなす予定。そして万座高原で行われる選抜合宿へ臨んでいく。1ヶ月以上の期間を使って京産大伝統の走り込みを行う。合宿で力を付けた選手たちが駅伝シーズンで成長した姿を見せてくれるのか今から楽しみだ。

【合宿の裏側】
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タイム計測に加え選手と並走しての給水など選手たちの支え役であるマネージャー陣の仕事はいつもより増える。バイクで並走して給水を渡す時も

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女子のペースメーカーを務める平木雄翔。実際に一緒に走ってみて気付くことが多くあるという

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故障者は山道をひたすら歩く。1日7時間を越えることもある

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バイクで集団を追走する伊東輝雄監督

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きつい練習ばかりでは身が持たない。こうしてじゃれ合ってリフレッシュ?することも時には必要