中国や台湾から投資マネー、生活翻弄も グレーの覆いに囲まれた巨大な現場で時折、工事の火花が散る。
観光客や学生らが行き交う京阪三条駅(京都市東山区)の東側。2015年に廃業した老舗の「いろは旅館」が、来春にはフランス・パリを拠点とする外資系ホテルチェーン、アコーホテルズの施設に生まれ変わろうとしている。 手がけるのは、東証2部上場の投資会社ウェルス・マネジメント(東京都)。総投資額は約100億円。同社によると現在、主な出資者は東南アジアの富裕層だという。千野和俊社長(60)は「08年のリーマン・ショック後に停滞していた投資資金がアベノミクスを機に戻った。特に東南アジアの投資家が主導している」と明かす。 京都市内で目立つ宿泊施設の建設ラッシュ。背景には、世界的な好況や金融緩和で膨張した投資マネーの流入がある。 「中国人が京都に投資する理由の一つは、京都が好きだからです」。不動産会社、仁通(下京区)の劉丞社長(30)が説明した。同社はこれまで市内の約20カ所で、一棟貸しの簡易宿所の整備を手がけた。約8割は中国人の投資家が資金を出したという。 劉氏によると、中国の富裕層らによる京都の宿泊施設への投資は、4年ほど前から増え始めた。中国向けの査証(ビザ)の発給要件が緩和されたのを機に、訪日客が急増し、京都の良さが広まったことが大きな理由だ。宿泊施設の運営で得られる高い利回りや、中国では認められない土地の個人所有なども魅力的に映るという。 中国だけでなく台湾からの投資も増えている。台湾の大手不動産会社の日本法人、信義房屋不動産(東京都)は京都で台湾人による宿泊施設整備を請け負う。等々力太偉大阪支店長(41)は「台北市内の不動産は高騰しており、日本は割安感や安定感がある」と解説する。 国内からの投資も、IT技術の発達で今までにない流れが起きている。 陶器店が並ぶ京都市東山区の五条通から北側の住宅街。伝統的な京町家の建物に、宿であることを示すのれんが掛かる。金融ベンチャー、クラウドリアルティ(東京都)がインターネットで資金を集める「クラウドファンディング」の手法で整備した簡易宿所だ。 同社は17年から古い建物を一棟貸しの簡易宿所に改修するプロジェクトを市内で7件計画。低金利の中、いずれも年率6〜10%程度の想定利回りをうたって、3千万〜7千万円の資金を集め、一部はすでに開業した。総額300万円を出資した東京都の会社員男性(44)は「一口オーナーのように宿泊施設に投資でき、町家を後世に残す社会的意義も感じられた」と明かす。 ここ数年で一気に京都へ流れ込んだ投資マネー。活力を高める半面、宿泊施設の建設競争が激化し、地価が高騰。市民がまちなかに自宅を確保しにくい環境を生んでいる。 京都の不動産業界では「ホテルバブルは今がピーク。東京五輪前後にはじけるのでは」との声がある一方、「京都で良い物件を求める中国人客はまだ大勢いる。ホテルが落ち着いても富裕層向けのマンション投資に向かう」ともみられる。世界にあふれる投資マネーが市民生活を翻弄(ほんろう)し続ける。 ◇ <連載 まち異変 お宿バブルその2>外国人観光客が急増する京都の宿泊業界で異変が起きている。まちにホテルやゲストハウスがひしめき合い、すでに「バブル状態」との指摘が強まっている。一方で、ヤミ民泊や交通渋滞などによる「観光公害」も深刻化している。国際観光都市の今を見つめ、課題を追う。
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2018年10月23日
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駅伝負傷選手はいずりに賛否… 福岡県で21日に開催された全日本実業団対抗女子駅伝予選会の2区(3・6キロ)で、負傷した岩谷産業の選手がたすきをつなぐため、四つんばいになって競技を続けたことが賛否の議論となっている。選手に称賛が集まった一方で、主催者には「やめさせるべきだった」との批判も寄せられている。 選手は、中継所まで約200メートルのところで突然倒れた。両手と両膝をついて四つんばいになり、アスファルトの上を進んだ。両膝はすれて血がにじみ、その様子を見守った次走者の同僚選手は涙で目を潤ませた。 レース後、負傷した選手は右脛(すね)の骨折で全治3〜4カ月と判明。岩谷産業は、監督が棄権を申し出ていたことを明かし「誠に遺憾であり、大会運営の改善を願う」とするコメントを発表した。 なぜ棄権できなかったのか。主催者の日本実業団陸上競技連合によると、負傷選手に監督らが触れ、介抱するなどした場合は棄権になる。ただ、この大会では車での伴走は認められておらず、監督らはコースから離れた部屋で中継を見ていた。異変に気づいた監督はすぐに主催者側に「止めてくれ」と棄権の意思を伝達。コースの担当者に連絡し、選手の意思確認に向かった。 だが、選手は強い続行の意思を示したため、担当者は再度、監督に確認作業を行った。監督の棄権の意向は変わらなかったが、現場との連絡に時間を取られている間に中継所まで約15メートルの地点まで迫っていたため見送ったという。 日本陸上競技連盟駅伝競走規準では、審判らが危険と判断した場合などは、強制的に選手を棄権にさせることもできる。ただ、飯田選手に声をかけた審判の一人は「本人の『絶対に行く』という思いが明確で、止めるのを躊躇(ちゅうちょ)してしまった」と話している。 判断は妥当だったのか。日本陸連の河野匡長距離・マラソン・ディレクターは「駅伝はたすきをつながなければ終わり。選手や監督、審判の思いなど複雑な要素がからむので一概に止める方がいい、よくないとはいえない」と指摘する。 一方、スポーツ評論家の玉木正之氏は「『あと少しだったから続けさせた』というのは審判の越権行為ではないか。今回の事態をきっかけにして審判が棄権にできる基準を作っていくべきだ」と訴える。 主催者の日本実業団陸上競技連合、鎌倉光男事務局長は「意識がないなど明確に続行不可能な場合は審判の権限で止めることができるが、今回のような場合は難しい」と吐露。「今後のあり方を協議していきたい」としている。
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