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日本代表宮崎合宿

バックス陣がナイター練習を歓迎。

スポーツ報知

 宮崎で合宿中のラグビー日本代表は本格練習2日目の11日、ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC、49)のもと、15人対15人の実戦練習などを行った。

 軽快な動きを見せたSH流大(26)=サントリー=は、連日3〜4部で行われる練習の強度について「(ジョセフジャパンで)過去最大。多分、もっときつくなる」と苦笑い。また、1次リーグ4戦中3戦がナイターで行われることを想定した夜間練習については「パス1つにしても、キックを蹴る時も、キャッチする時も昼と夜では違う。慣れておきたい」と歓迎した。

 FB松島幸太朗(26)=同=もナイター時のキック処理について「(ボールが照明の)光と重なったりする。距離感などバックスリーのハイボール処理は良い経験になる」と本番をイメージ。W杯メンバー入り、そして日本代表初の8強進出への準備に余念はない。

9選手の「立ち位置」


ラグビー日本代表候補 9選手の「立ち位置」や生き残りの鍵

   

西日本スポーツ

 アジア初開催となる9月20日開幕のラグビーワールドカップ(W杯)まで100日余り。日本代表候補は約60人から42人に絞り込まれ、9日から宮崎市で強化合宿がスタートする。W杯の最終登録メンバーは31人。これから始まる激しいポジション争いを前に、9人が選ばれた九州ゆかりの選手の「立ち位置」や生き残りの鍵を点検した。

【表】ラグビー日本代表候補宮崎合宿メンバー(42人)
◇FW
 右プロップに大分・日本文理大付高出身の具智元(ホンダ)と、大分・由布高出身の木津悠輔(トヨタ自動車)が選ばれた。右プロップは、組み合うと頭の両側を相手に挟まれて両肩に相手の体重がのしかかる。体重が重く「支柱」となれるスクラムの強さが大前提のポジションだ。

 その点で一歩リードするのが具だ。183センチ、122キロの世界標準の体格に元韓国代表のプロップだった父親譲りのスクラムの強さは国際大会で証明済み。タックルも激しく、ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)の信頼も厚いが気掛かりなのが故障の多さ。体調管理が課題だろう。

 23歳の木津は若手の成長株。ジョセフHCも「将来有望。激しく、機動力もあり、非常に期待している」と絶賛する。具や、経験豊富な代表51キャップの山下(神戸製鋼)を追う。高校からラグビーを始めた経験の浅さを踏まえれば、爆発的な成長も見込める。

 ロックには宗像サニックスのジェームス・ムーアが入った。オーストラリア出身ながら、もともとは13人制中心。21歳で15人制に転向した。豊富な運動量とタックルの強さが武器。スーパーラグビー(SR)の日本チーム、サンウルブズでアピールに成功した。実績では6人選ばれたロックの中で劣るが、38歳のトンプソン(近鉄)も選ばれるなど層は薄く、チャンスはある。

 主将のリーチ(東芝)など屈強な外国出身選手と競合する激戦のフランカー枠に食い込んだのが、東福岡高出身の布巻峻介(パナソニック)だ。けがや練習中の脳振とうなどで出遅れたが、今季初実戦だった4月20日のSRハリケーンズ(ニュージーランド)下部チームとの強化試合で後半から途中出場しトライを挙げた。その後の強化試合3戦に全て先発出場。密集でボールを奪い取る得意の「ジャッカル」や猛タックルで存在感を示し、プレースタイルの似た松橋(リコー)や西川(サントリー)に競り勝った。厳しい立場なのは変わらないが、恥骨炎で状態が上がらないリーチの動向や同じ第3列で連係するナンバー8との兼ね合いも影響しそうだ。チーム方針への柔軟な適応力も鍵になる。

 ナンバー8には宗像サニックスのラーボニ・ウォーレンボスアヤコが名を連ねた。サンウルブズではその突破力を買われてCTBでも起用されて結果を残した。ジョセフHCが重視する複数ポジションをこなせる力を持つだけに「重宝さ」をアピールできればチャンスはある。

◇バックス

 SHで選ばれた熊本・荒尾高(現岱志高)出身の流大(サントリー)は順当。テンポのいい球さばきと統率力に優れ、首脳陣の信頼は厚く、強化試合全6試合で先発出場した。本番でも対戦相手の戦術などによって前回大会で活躍した経験豊富な田中(キヤノン)との併用が想定される。

 WTBで選ばれた福岡高出身の福岡堅樹(パナソニック)はスピード、突破力、防御力など総合的に抜けた存在。ジョセフHCは「特殊能力」を高く評価する。福岡を軸にしたサインプレーも導入されており、故障がない限り、外れることは考えられない。現役引退後は医師の道を目指す異色のトライゲッターは、エースとして奮迅の活躍が期待されている。

 CTBはコカ・コーラのウィリアム・トゥポウと鹿児島実高出身の中村亮土(サントリー)が入った。トゥポウは188センチ、101キロとFW並みの体格を生かした突破力とタックルが強み。空中戦にも強く、FBでも起用されるなど複数ポジションをこなせるのも強みだ。バックスの軸の一人となる可能性は高い。

 昨秋のイングランド戦でトライを奪った中村は株を上げた一人。今季序盤のサンウルブズでのプレーが評価され、主力組の日本代表候補合宿に招集された。キックが正確で、体も強い。パワーあふれる外国出身選手の多いポジションだけに、防御面でのライン統率力などきめ細かな面でもアピールしたい。

日本代表ユニフォーム



ラグビー日本代表ユニフォーム提供のカンタベリー、ラグジャー出荷を15倍に   

東京商工リサーチ

 
ラグビーファンが心待ちにする4年に1度の「ラグビーワールドカップ」日本大会が9月20日、開幕する。
 前回のイングランド大会では、日本が優勝候補の南アフリカに歴史的勝利をあげ、世界中に“ジャイアントキリング”と衝撃が駆け巡った。
 今大会でも活躍が期待されるラグビー日本代表のユニフォーム(桜ジャージ)を1997年から提供しているのが、(株)カンタベリーオブニュージーランドジャパン(TSR企業コード:293789096、新宿区、以下カンタベリー)だ。

  東京商工リサーチ(TSR)は、ラグビーブームを支えるカンタベリーの領家正章取締役に話を聞いた。

ラグビージャージ(ラグジャー)の「CCC」
 「高校ラグビー全国大会では、7割がカンタベリーのヘッドギアを使っている」と領家取締役は、カンタベリーのブランド力に自信をみせる。カンタベリーの象徴である「CCC」のロゴは、ニュージーランドの国鳥「キウイ」をかたどっている。3重の補強ステッチ、ラバーボタン、ループネックなどが特徴だ。
 9月20日から日本国内12会場で開催される「ラグビーワールドカップ2019」。カンタベリーは、7月に新しい日本代表の桜ジャージを発表する。


カンタベリーの歴史と今
 
カンタベリーの歴史は、1904年創業のレーン・ウォーカー・ラドキン社に始まる。頑丈なジャージが評判を呼び、1924年にニュージーランド代表チーム(愛称・オールブラックス)のジャージを手がけるようになった。激しくぶつかり合うラグビーの試合では、強度や耐久性が重要になる。
 日本のカンタベリーのスタートは1985年、オールブラックスの初来日まで遡る。1994年に、日本ラグビーの聖地である秩父宮ラグビー場近くの青山に直営店をオープン。1997年に日本代表チームのオフィシャルサプライヤー契約を結んだ。
 それから日本代表の「桜ジャージ」と言えば、「カンタベリー」と知られるようになった。
とはいえ、すべてが順風満帆だったわけではない。関連会社が青山店の2階でラグビーの文化でもあるビールを提供する飲食店を始めたが、これが躓いた。
1999年に再スタートし、2002年に(株)ゴールドウイン(TSR企業コード:590017411、富山県)の100%子会社となった。
 「ゴールドウイングループの支援もあって品質をゴールドウイン基準に引き上げた。運営は現場に任され、カンタベリーの歴史は脈々と引き継がれている」(領家取締役)。

ラグビーワールドカップとともに

 日本代表は、ラグビーワールドカップへ1987年の第1回から出場している。
 戦績は2011年ニュージーランド大会まで、1勝21敗2分。世界にまるで歯が立たなかった。南アフリカ大会(1995年)のニュージーランド戦では17対145と歴史的な大敗を喫した。

  国内ラグビーは、テレビドラマ「スクール・ウォーズ」世代のオールドファンが中心で、カンタベリーブランドも認知度が低かった。

  日本が満を持して臨んだ2015年のイングランド大会では、優勝候補の南アフリカに歴史的な勝利をあげた。その勢いに乗り、サモア、アメリカにも勝利した。決勝トーナメントこそ進めなかったが、これまで1勝しかできなかったワールドカップで3勝をあげた。この歴史的な快挙で一躍、日本ラグビーが注目され、国内ではラグビーブームが起きた。

  これまでラグビーは、毎年12月に開かれる大学対抗戦の早明戦、そして正月に開催される大学選手権決勝だけが国立競技場を満員にした。かつて大学選手権決勝は晴れ着を着た女性も多く詰めかけたが、若者のラグビー人気は潮を引くように覚めていった。好きな人だけが楽しむラグビーも、イングランド大会で大きく潮目が変わった。

  ラグビー界がこぞって取り組んだ強化策も実り、国内ではトップリーグの底上げに加え、「サンウルブズ」がスーパーラグビーに参戦。多くの国内選手が世界の強豪チームとの対戦で経験を積んでいる。

カンタベリーは、トップリーグでは東芝など5チーム、スーパーラグビーの「サンウルブズ」にジャージも提供。国内ラグビーの底辺拡大と成長をともに歩んでいる。

  「ブランド価値を日本ラグビーとともに高め、スポールカジュアルとの相乗効果を狙っている」と領家取締役はビジョンを語る。
ラグビーワールドカップ日本大会に向けて
 カンタベリーは2015年3月期まで、売上高は25億円前後で推移していた。だが、2015年のイングランド大会で日本代表が大活躍した効果などから、2016年3月期の売上高は30億円を突破した。

  2020年3月期は日本大会を前に、日本代表ジャージの生産数を前回大会の15倍に増やす。その勢いに乗り、売上高も「50億円台を目指す」(領家取締役)。

  7月に発表予定の日本代表の新ジャージは、ゴールドウインの研究開発施設も動員。これまでの不足部分を補うジャージを開発した。「新ジャージの発表では、これまでの単なるデザインの発表だけでなく、前回大会の仕様との違いや機能についてもしっかりと説明する」(領家取締役)という。


 カンタベリーには、「ワールドカップ日本大会」は一つの山に過ぎない。その後も、2020年の「東京五輪・パラリンピック」、その翌年の「ワールドマスターズゲームズ2021関西」、と国内でラグビーの世界的な大会が目白押しだ。

  領家取締役は、「ラグビー協会の努力で女性客も増え、わかりやすいルール説明などの効果も出ている」と、さらに市場拡大を狙う。

  日本代表が強豪国相手にスクラムやタックル、そしてトライを量産するたびに「CCC」のロゴも飛躍するワールドカップは目前だ。


 日本代表メンバーを使わなかったジェイミー・ジョセフの「背信」!

ホセア・サウマキのトライも届かず、サンウルブズは今季最下位が確定した。(写真:アフロ)
 
サンウルブズとはなんだったのか。

 今、日本のラグビーファンの多くはこの疑問にどんな答えを出せばいいのか、頭を悩ませている。

 もともとは、強豪国との対戦を組むのが難しい日本代表を、実質的に同じようなメンバーで世界最高峰と言われるスーパーラグビーに参戦させ、選手たちに、強豪国とのテストマッチに匹敵する試合を数多く経験させることを目的に結成されたチームだ。いわば「日本代表強化」がサンウルブズ結成、スーパーラグビー参戦に至った根本的な理由であり、存在理由だった。けれども、肝心のラグビー・ワールドカップ(W杯)が日本で開催される今年になって、存在理由は明らかに無視された。いや、自ら否定したも同然だった。

 日本代表をヘッドコーチ(HC)として率いるジェイミー・ジョセフは、年初に、W杯に向けた強化を進めるに際して、サンウルブズとは別個にW杯トレーニングスコッドを結成してそこに代表候補選手たちを集め、2チーム体制で強化する方針を明らかにした。

 当初は、誰も異論を挟まなかった。

 W杯が自国で開催される千載一遇の機会に、南半球への遠征が多いサンウルブズに候補選手を全員集めるよりも、トレーニングスコッドを日本にそのまま常駐させて強化を続ける方が理にかなっているからだ。
 そして、こうも思っていた。

 きっと全試合が秩父宮ラグビー場で行なわれる日本でのサンウルブズ戦には、ほぼ日本代表メンバーで固めたサンウルブズが登場し、スーパーラグビーを強化試合の一環として戦うのだろうと。つまり、遠征用サンウルブズと、ホーム用サンウルブズを完全に切り離してスーパーラグビーに参戦し、代表強化に励むと同時に、秩父宮に“ほぼジャパン”のメンバーを結集させて、W杯に向けたラグビーの一大プロモーションを展開するのだろうと、誰もが思っていたのだ。それが、もっとも効率的なサンウルブズ活用法であるからだ。

 6月1日。
 サンウルブズは、今季のホーム最終戦をオーストラリアに本拠を置くブランビーズと戦い、19―42と敗れて7連敗。2試合を残して今季の最下位が確定した。

 先発フィフティーンに日本代表キャップを持つ選手は、浅原拓真、徳永祥尭の2名のみ。対象をリザーブメンバーに広げれば、キャップ持ちは三上正貴、大戸裕矢、内田啓介、山沢拓也、ラファエレ・ティモシーの5名が加わるが、3日に発表された日本代表スコッドに名前があったのは、このうち徳永、三上、ラファエレの3名のみ。それでも秩父宮には1万6千人を超える観客が集まったが、これではファンの期待に応えられたとは到底言えない。

 なにより、W杯に臨む日本代表メンバーがどういう顔ぶれになるかを知りたいファンの希望は最後まで叶えられず、また彼らが本気の強豪チームと対戦するとどの程度の力関係になるかといった最大の関心事も、見事にスルーされてしまった。

サンウルブズは本当に「代表強化」に役立ったのか?

 スーパーラグビーが16年から18チーム体制になったことでサンウルブズに参加するチャンスが訪れたが、18チーム体制は17年度限りで終了。昨季からは15チームに減らされている。その際サンウルブズも削減対象となったが、「W杯開催国である日本代表強化のため」という理由を錦の御旗にしてこの危機を乗り切った。

 けれども、昨季もそうだったが、サンウルブズに日本代表のエリジビリティ(代表資格)を持つ選手はさほど多くなく、今季はますます減って大義名分は完全に空手形となった。
 
 今年3月に、スーパーラグビーを運営するサンザ―(SANZAAR)は21年シーズンから14チーム総当たり制に変更することを発表。サンウルブズは、20年度限りで「除外」されることになった。このとき、サンウルブズが引き続きスーパーラグビーに参加する条件として、サンザ―から「10億円」とも言われる費用負担を要求され、日本ラグビー協会が拒んだことが報道されて、サンウルブズ撤退=日本協会の不手際のような報道も為された。

 けれども、そうした報道のなかで、サンウルブズの実像を問題視するような論調はほとんど見られなかった。日本代表のエリジビリティを持たない選手たちが、ニュージーランドなどで主流のラグビー・スタイルをコピーして戦うようなチームが、本当に「日本代表強化」に役立っているのか、誰も深く追及しなかったのだ。

 私は、この点も除外対象となった要因ではなかったかと考えている。
 
15年W杯で南アフリカを破る金星を挙げた日本が、その代表クラスをサンウルブズに集めてスーパーラグビーに参戦するというニュースを聞いたとき、サンザ―が期待したのは、あの試合で見られたような、日本的なラグビーのエッセンス=低いタックルと徹底的に鍛え上げられたフィットネス、考え抜かれたパスワーク=をスーパーラグビーでも披露してくれるのではないか、という期待だったはず。

 参加初年度の16年度は、そうした良さが発揮された反面、チームマネジメントが拙く、選手たちが疲労を回復できないまま試合に臨み、チーターズに92点奪われるような惨敗も喫した。そのときまだニュージーランドにいたジェイミー・ジョセフに替わって指揮を執ったのはマーク・ハメットで、ハメットはHC代行として日本代表の指揮も執り、来日したスコットランドを相手に接戦を挑んで見せた。

 けれども、ジョセフが来日して体制を固めて臨んだはずの17年度は、不慣れなキッキング・ラグビーを取り入れて2勝したのにとどまった。ジョセフその人が指揮を執った18年度は、開幕前に「トップ5に入る」と宣言しながら、3勝したのにとどまった。

 そして今季、同じく日本代表コーチでもあるトニー・ブラウンがサンウルブズのHCに就任したが、前述のように結果は出ていない。いや、シーズンを通して前半を健闘し、後半に疲労が蓄積すると反則が増え、スコアを逆転されたり、点差を引き離されたりといった、同じような負け方が続いている。

 どんな競技でも、前の試合で出た課題をいつまでも修正できないのは、選手の責任というより首脳陣の責任だ。たとえばプロ野球で、何試合も続けて似たような逆転負けを続けるチームがあれば、監督解任がメディアを賑わわせることになる。

 それなのに――つまり、ジョセフ体制になって以降、ラグビーの内容から魅力が薄れ、馴染みのない選手が多く登場しながら結果が出ないにもかかわらず――誰も、その流れを断ち切ろうとしなかった。

ヘッドコーチが公約を守ったことはあったのか?

 サンウルブズを運営するジャパンエスアールは、サンウルブズが秩父宮に新しい応援文化を築いたことを強調し、サンウルブズをスーパーラグビーから除外することに異を唱えたが、それは確かに1つの実績として認めるにしても、なぜジェイミー・ジョセフの“暴走”を止めなかったのか猛省した方がいい。たった一言「サンウルブズのホームゲームにジャパンのメンバーを出場させて、W杯への盛り上げに協力しろ!」と言えば良かったのである。

 ジョセフの雇用主である日本協会も同様に責任を負っている。
 このHCは、ジャパンでもサンウルブズでも公約を守ったことが一度もない。

 18年には、イタリア来日2連戦とジョージア来日を前に「3連勝する」と記者会見で話しながら、初戦の黒星に奮起したイタリアに敗れて2勝1敗に終わっている。前述の「スーパーラグビーでトップ5に入る」も然りだ。
 
 テストマッチも、格上チームからは1勝もしていない。ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズのニュージーランド遠征に主力をごっそりとられたアイルランドに連敗した上に(17年)、昨秋は、W杯の開幕戦で戦う格下のロシアを相手に27―32(前半10―22)と際どい接戦を挑まれた。

 それにもかかわらず、今季の日本代表は、ウルフパックという名前で、スーパーラグビーの2軍を相手に4試合戦ったのみ。しかも、その初戦ではハリケーンズBに31―52と敗れている。残り3試合は勝っているが、相手がモチベーションのさして高くない寄せ集めチームであることを考えれば、W杯に向けて参考になるわけではない。

 サンウルブズで本気の強豪と真剣勝負を戦うという絶好のチャンスが用意されていながら、ジェイミー・ジョセフはそのチャンスを活かさず、これから9月にかけて予定されているテストマッチ4試合を経るだけで、いきなりW杯本番に臨むのだ。

 折しも5月28日――1989年に日本代表が秩父宮でスコットランドを破ってから30周年の記念日だ!――に、NHKBSプレミアム『アナザーストーリーズ 運命の分岐点』で、『世紀の番狂わせ〜そして彼らはヒーローになった〜』という番組が放送された。

 番組では、五郎丸歩、立川理道、廣瀬俊朗がそれぞれの視点からあの歴史的金星を振り返ったが、勝利にはいかに緻密なプログラムが必要であるかをこの3人は強調している。これを見ると、9月20日から始まるW杯に対して期待が高まるのではなく、不安が大きく膨らむことになるだろう(しかも、立川は3日発表のスコッドに選ばれていない!)。勝利には「フィフティ/フィフティ」ではなく、金星を「奇跡ではなく必然」(五郎丸)と言えるだけの準備が必要なのだから。
 ありとあらゆる決断を先に延ばし、真剣勝負を避けてきた日本代表は、7月27日から始まるパシフィック・ネーションズ・カップから、いよいよテストマッチに臨む。

 初戦の相手は強豪フィジー。
 果たしてそこに希望を見いだせるのか――ラグビーファンは、寝苦しい日々を過ごしている。

 立川、山田ら落選 ジョセフHC「苦渋の決断」

   
デイリースポーツ

 
日本ラグビー協会は3日、東京都内で9日から始まる宮崎合宿に臨む日本代表42人を発表した。チームは宮崎市内で3次にわたる合宿を行い、パシフィックネーションズ杯フィジー戦(7月27日・釜石)、トンガ戦(8月3日・花園)、アメリカ戦(同10日・フィジー)に臨む。

【写真】リストを読み上げるジョセフHC

 主将はフランカーのリーチ・マイケル(東芝)。

スーパーラグビーのチーフスでプレーするWTBアタアタ・モエアキオラ(神戸製鋼)、追加招集でサンウルブズでプレーしたロックのトンプソン・ルーク(近鉄)が選出された。

 2月からの日本代表候補合宿に参加したメンバーからは15年W杯日本代表だったSH日和佐篤(神戸製鋼)、CTB立川理道(クボタ)、WTB山田章仁(NTTコミュニケーションズ)らが落選した。

 ジェイミー・ジョセフヘッドコーチはメンバー絞り込みに当たって、「苦渋の決断だったんですが、単純にほかの選手がいいプレーをしているということ」と説明。「W杯でチームを勝たせることがメインの仕事」と残り100日余りを鍛え上げて本番に臨む。

 代表メンバーは次の通り。

 ▽プロップ

 稲垣啓太(パナソニック)

 木津悠輔(トヨタ自動車)

 具智元(ホンダ)

 中島イシレリ(神戸製鋼)

 三上正貴(東芝)

 山下裕史(神戸製鋼)

 山本幸輝(ヤマハ発動機)

 バル・アサエリ愛(パナソニック)

 ▽フッカー

 北出卓也(サントリー)

 坂手淳史(パナソニック)

 堀江翔太(パナソニック)

 堀越康介(サントリー)

 ▽ロック

 アニセ・サムエラ(キヤノン)

 トンプソン・ルーク(近鉄)

 グラント・ハッティング(神戸製鋼)

 ビンピー・ファンデルバルト(NTTドコモ)

 ヘル・ウベ(ヤマハ発動機)

 ジェームス・ムーア(宗像サニックス)

 ▽フランカー

 ツイ・ヘンドリック(サントリー)

 徳永祥尭(東芝)

 布巻峻介(パナソニック)

 リーチ・マイケル(東芝)

 ピーター・ラブスカフニ(クボタ)

 姫野和樹(トヨタ自動車)

 ▽ナンバー8

 ラーボニ・ウォーレンボスアヤコ(宗像サニックス)

 アマナキ・レレイ・マフィ(NTTコミュニケーションズ)

 ▽SH

 茂野海人(トヨタ自動車)

 田中史朗(キヤノン)

 流大(サントリー)

 ▽SO

 田村優(キヤノン)

 松田力也(パナソニック)

 ▽WTB

 福岡堅樹(パナソニック)

 アタアタ・モエアキオラ(神戸製鋼)

 レメキ・ロマノラバ(ホンダ)

 ▽CTB

 梶村祐介(サントリー)

 ウィリアム・トゥポウ(コカ・コーラ)

 中村亮土(サントリー)

 ラファエレ・ティモシー(神戸製鋼)

 ▽FB

 松島幸太朗(サントリー)

 ヘンリー・ジェイミー(トヨタ自動車)

 野口竜司(パナソニック)

 山中亮平(神戸製鋼)
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