判決聞き涙拭う遺族 「飲酒」ほう助 被告側は厳しく批判
閉廷後、記者会見する小沢さん夫婦(前列中央)=14日、県庁で
懲役2年の実刑判決に、遺族、弁護側双方が反発した。熊谷市の飲酒事故で、危険運転致死傷ほう助罪に問われた2被告の裁判員裁判の判決。さいたま地裁での判決言い渡し後、事故で両親を亡くした東松山市の会社員小沢克則さん(34)と妻樹里さん(30)は記者会見に応じ、「(求刑8年に対して)2年はあまりに短い」と主張。被告の弁護人は「重大な問題のある不当な判決」と訴えた。
判決言い渡しが始まったのは午前11時過ぎ。飲食店手伝い大島巧(48)(熊谷市中曽根)、無職関口淳一(46)(深谷市人見)の両被告は終始硬い表情で前方を見つめ続けた。樹里さんは被害者参加制度に基づいて出廷。田村真裁判長の「両名を懲役2年に処する」の声を聞いた直後、顔を両手で覆い、涙を拭った。
「事故から3年間、ずっと緊張状態の生活を送り、多くの方に支えられた。実刑は、飲酒運転をさせてはいけないことを国民に発せられる。大きな判決」。記者会見で樹里さんはそう語る一方、量刑は「軽すぎる」とも語った。
克則さんは、運転した男に酒を提供したとして道交法違反(酒類提供)に問われた飲食店店主が、懲役2年、執行猶予5年の判決を受けた点に触れた。同席した弁護士は「謝罪をした店主と違い、謝罪や反省の態度が全くない2被告が、実刑とはいえ同じ2年はおかしい」と指摘。閉廷後、検察側に控訴を要請した。
判決は、ドライブに「賛成」したと供述したとされる関口被告の検察官調書に「高い信用性」を認め、重視した。記者会見した両被告の弁護人は「信用できない証拠に基づいた有罪判決。調書をそのままうのみにした」と厳しく批判した。
さいたま地検の信田昌男・次席検事は「飲酒による危険運転行為の同乗者らにほう助罪が認定されたことは、裁判員による真摯(しんし)な判断の結果と受けとめている」とコメントした。
(2011年2月15日 読売新聞)
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