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同乗者 裁判員裁判

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【ニュースの核心】熊谷の飲酒運転死傷事故から丸3年 遺族は「飲酒運転は心の弱さが起こす犯罪」と訴える
2011.2.17 22:37
 埼玉県熊谷市で酒酔い運転の車が対向車と衝突、運転者らを含め計9人が死傷した事故は17日、発生から丸3年を迎えた。この事故では、運転者の男だけでなく酒を提供した飲食店主や同乗者も全国で初めて法廷で刑事責任を問われ、飲酒運転の責任の重さを社会に問いかけた。しかし、飲酒による交通事故は現在も各地で起きている。遺族は「飲酒運転は心の弱さが引き起こす犯罪。だからこそ、周囲が止められるはず」と改めて訴えている。(塩塚夢)
 
 この事故をめぐっては、男が車で来店していると知りながら酒を提供した飲食店主が、道交法違反の酒類提供罪で起訴。平成206月、全国で初めて懲役2年執行猶予5年の有罪判決が確定した。さらに男と一緒に約5時間酒を飲み、事故当時も車に同乗していた同僚2人も危険運転致死傷の幇助(ほうじょ)罪で、全国で初めて起訴。今月14日、実刑判決が下された。
 
 小沢克則さん(34)は、この事故で父の義政さんと母の雅江さん=いずれも当時(56=を亡くした。小沢さんの妻、樹里さん(30)は、14日の判決について「飲酒運転に対する一般市民の感覚が厳しいことを、裁判員の方々が分かりやすい形で世の中に示してくれた」と一定の評価をしながらも、判決内容には疑問を示す。
 
 判決は「同乗者が運転を了解したことで犯行の意志が強固になった」と幇助の成立を認めながらも、「車両を提供するなどの場合と比較し、悪質が高度であるとはいえない」とした。樹里さんは「精神的な幇助が物質的な幇助より悪質性が低いというのは納得できない」という。その上で、樹里さんは「飲酒運転は心の弱さが引き起こす犯罪。だからこそ、周囲の存在は大きい」と断ずる。
 
 改正道交法による厳罰化などを受け、県内の飲酒運転での人身事故件数は18年の592件から22年には263件になるなど、減少傾向にある。しかし、今月も福岡県で高校生2人が死亡するなど、飲酒運転による悲惨な事故はなくならない。「厳罰化だけでは限界がある」(樹里さん)。
 
 このため、飲酒運転を元から断つ取り組みも広がりつつある。全日本交通安全協会などは、乗用車で来店した場合、仲間内で飲酒しない人を決める「ハンドルキーパー運動」を1810月から展開している。同協会によると、これまでに全国で約130の団体が同運動のロゴマークの使用を申請。同協会は「飲酒運転が根深く残るのは、運転代行サービスや公共交通機関が少ない地方。ハンドルキーパーが社会の『常識』になれば」としている。
 
 幇助罪の公判では、被告側が控訴。法廷の中でも外でも小沢さん一家の戦いは続く。樹里さんは「飲酒運転をさせない環境作りの責任を、飲食店主だけに課すのは酷。飲酒運転事故には同乗者がいる場合が多い。事故の撲滅は私たち一人一人の責任」と力を込めた。
 
 

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