「父母の死 無駄ではない」2011年11月18日
◇熊谷9人死傷 控訴審も実刑/遺族、判決を評価
熊谷市で泥酔運転のすえ、9人が死傷した事故。同乗し、危険運転致死傷幇助(ほうじょ)罪に問われた男性被告2人の控訴審で、東京高裁は一審・さいたま地裁の実刑判決(懲役2年)を支持した。被告側の主張はことごとく退けられ、遺族は「思いが届いた」と話した。
◇飲酒運転黙認「明白」
訴審の主な争点は、(1)大島巧(48)と関口淳一(46)の両被告が飲酒運転を了解・黙認していたのか(2)一審が検察官調書を証拠採用したのは違法なのか――だった。
この日の判決は「(さいたま地裁の)原判決の判断は、理由を含めて是認できる」と述べ、被告側の主張を受け入れなかった。
(1)では、運転者の玉川清受刑者(36)が居酒屋で5時間近く酒を飲み、他人の食べ残しのラーメンのスープをすするのを関口被告が見ていたなどと指摘。玉川受刑者がかなり酒に酔っていたことを、両被告は認識していたと結論づけた。
また、(2)については、検察官調書は信用性が高いと認定。そのうえで訴訟が進む過程で証拠として採用していくことは「違法とされるいわれはない」とし、被告側の主張を退けた。
◇判決文読み上げに涙
「控訴を棄却する」
主文が読み上げられると、亡くなった小沢義政さん(当時56)夫妻の長男克則さん(35)は口元を緩めて、ほっとした表情を浮かべた。妻樹里さん(30)は何度もうなずいた。
「時速100から120キロで走行させ、対向車線に進出、2名を死亡させた」。村瀬均裁判長が判決文を読み上げると、事故後、後遺症のため車椅子生活を送る三男恵司さん(25)は、目にうっすらと涙を浮かべた。
◇ ◇
「お父さんとお母さんの死は無駄になっていない」
傍聴した克則さんは、判決後の会見で心境をそう語った。樹里さんは「飲酒運転を止めなかったことは、犯罪の幇助だと改めて思った。判決の意義を大きく感じます」と話した。
夫妻は飲酒運転をなくすため、運転手だけでなく、同乗者ら周りの人に発信していきたいという。「行政や企業の意識が変わることで、多くの市民を巻き込み、飲酒運転を止めたい」
関口被告の弁護人は「検察がいったん取り下げた証拠を、裁判所が提出するよう促したのはおかしい。間違った判決だ」と不満を述べた。
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同乗者 裁判員裁判
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