飲酒運転同乗者に2審も実刑 熊谷9人死傷事故 東京高裁2011.11.17 19:23
埼玉県熊谷市で平成20年2月、泥酔した運転者の車が計9人を死傷させた事故で、危険運転致死傷の幇助(ほうじょ)罪に問われた同乗者の飲食店手伝い、大島巧(48)と無職、関口淳一(46)両被告の控訴審判決公判が17日、東京高裁で開かれた。村瀬均裁判長は「運転を了解・黙認し、犯行を容易にした」として、ともに懲役2年を言い渡した1審さいたま地裁判決を支持、控訴を棄却した。
大島被告の弁護人は判決を不服として、同日、最高裁に上告した。
同罪で初めての裁判員裁判となった1審では、両被告が玉川清受刑者(36)=危険運転致死傷罪で懲役16年が確定=の運転を了解・黙認したと認めた、取り調べ段階の関口被告の供述調書について「信用性が高い」と指摘。有罪認定の根拠の1つとされた。
弁護側は控訴審で、検察側が裁判員裁判の審理日程短縮を図り、公判前整理手続きでこの調書の証拠請求を撤回していた点を強調。審理途中に裁判所が職権で証拠採用したことについて「被告らに不意打ちを与え、有罪とするため不公平な証拠調べを行った」と主張したが、村瀬裁判長は「現実の訴訟の進行いかんによって、予定外の証拠採用があるのは当然の前提」として退けた。
判決後、事故で両親を亡くした小沢克則さん(35)ら遺族が会見。「裁判員裁判だからこそ(有罪が)認められた、という思いがあったが、職業裁判官にも届いた。司法の壁を乗り越えた」と話した。
事故は20年2月17日夜、埼玉県熊谷市の県道で発生。玉川受刑者の乗用車が中央線を越えて対向車2台と衝突し、対向車の2人が死亡、同受刑者と両被告を含む7人が重軽傷を負った。
飲酒運転の同乗者、二審も実刑 埼玉の9人死傷事故 埼玉県熊谷市で2008年、2人が死亡し7人が重軽傷を負った飲酒運転事故で、同乗者として危険運転致死傷の幇助(ほうじょ)罪に問われた大島巧被告(48)と関口淳一被告(46)の控訴審判決が17日、東京高裁であった。村瀬均裁判長は、2人を懲役2年の実刑とした一審・さいたま地裁の裁判員裁判による判決を支持し、被告側の控訴を棄却した。
村瀬裁判長は「運転者がひどく酔っているのを知りながら発車を了解し、運転中も黙認した」と一審判決に沿って認定した。大島被告は即日、上告した。関口被告も上告する方針。
一審判決は、裁判員裁判で飲酒運転の同乗者に幇助罪が適用された初めてのケースだった。控訴審では刑の重さは争点とならず、事実関係などが争われ、プロの裁判官だけで構成する高裁も裁判員らの判断を維持した。
判決は、両被告が事故前に運転者の玉川清受刑者(36)=危険運転致死傷罪で懲役16年が確定=と5時間近く一緒に飲酒していた点などを挙げ、「玉川受刑者の深酔いに気づかなかったという主張はあまりにも不自然で不合理」と批判。正常な運転ができないことを十分認識していたとした。
その上で、玉川受刑者が「(車で)一回りしてきましょうか」と職場の先輩にあたる両被告に意向を確認した際に、両被告はうなずくなどして了解し、事故までの約15分間、車を止めさせずに運転を黙認していたと指摘。「処罰に値する実質が備わった幇助行為だ」と結論づけた。
弁護側は、捜査段階で飲酒運転を了解したと認めた関口被告の供述調書を検察が取り下げたのに、地裁が裁判員の要望に応えて職権で採用した点を「手続き違反」と主張した。しかし、高裁判決は「職権での証拠採用は刑事訴訟法で認められている」と退けた。
判決によると、両被告は08年2月17日夜、玉川受刑者が運転するスポーツカーに同乗した。車は時速100〜120キロで熊谷市内を走り、対向車2台と衝突。夫婦2人が死亡し、玉川受刑者と両被告を含む計7人が重軽傷を負った。(藤田絢子)
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同乗者 裁判員裁判
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