亀岡暴走「危険運転」署名4万人 東名・2児失った夫婦街頭に 亀岡市で登校中の児童ら10人が軽乗用車にはねられて死傷した事故で、無免許運転し、自動車運転過失致死傷などの非行事実で家裁送致された少年(18)に、より罰則の重い危険運転致死傷罪での起訴を求める遺族らの活動が広がりを見せている。2、3両日に行われた署名集めでは、京都市内分だけで約4万人が名を連ねた。声をからす遺族らの中に、同罪が2001年に新設されるきっかけとなる運動を展開した交通事故遺族の夫婦がいた。(上野将平)
千葉市の井上保孝さん(62)と郁美さん(43)。1999年11月、東京の東名高速で、当時3歳と1歳の娘2人と乗っていた乗用車が飲酒運転のトラックに追突されて炎上、娘2人は命を落とした。夫婦は以後、署名活動などを展開、01年12月の同罪施行につながった。
「悪質な交通事故の犠牲者は、遺族からすれば、車という鉄の塊で殺されたのであり、殺人と変わらない」
亀岡市の事故では、少年の供述により、原因は過失にあたる「居眠り運転」とされ、地検は自動車運転過失致死傷を適用したが、郁美さんは「過失」という一言では到底、納得できない遺族の胸中を代弁する。協力を申し出た署名活動では、2日に保孝さん、3日には郁美さんが街頭に立った。
今回の事故の悪質さは、死者3人、負傷者7人という結果の重大性を生んだのが、居眠り運転以外にも、少年が無免許だったという点にもある。故意犯を対象とする危険運転致死傷罪には「運転技能がない」という構成要件もあるが、少年は無免許運転を重ねて技能そのものは身につけていたとみなされ、同罪の適用は最終的に見送られた。
この点について、保孝さんは「運転技能はハンドル操作の能力だけでなく、教習所で習う道路標識や事故の危険性の知識も含まれると考えるべき」と訴える。
同罪の成立には、悲惨な事故が相次いだ飲酒運転を中心に厳罰化を求める声が高まっていたという背景があるが、郁美さんは「社会は常に変化するので、法律を作ったらおしまいではなく、検証が必要。亀岡の事故を契機に、交通事故に関する法律改正に向けた機運が高まっている」と強調。
保孝さんも「遺族や被害者は署名をもらうと、元気や活力が湧いてくる。訴えていることが自分たちの感情論だけではなく、広く支持を得ていると実感できるからだ。署名の提出を受ける側にとっても、ほかの要望書や請願と比べて存在感が異なってくる」と、広く協力を呼び掛けている。
署名用紙は、小学1年の長女(重傷)らの付き添い中におなかの愛鈴(ありん)ちゃんとともに亡くなった松村幸姫(ゆきひ)さん(26)の兄、中江龍生さん(28)が開設した会員制交流サイト
「フェイスブック」のページ
「幸姫 愛鈴 ありがとう」
から入手できる。
◇きょう少年審判 遺族ら意見陳述
遺族の代理人弁護士によると、少年の少年審判は5、8両日に開かれ、5日は遺族らが意見陳述を行い、8日に少年院送致などの保護処分か、検察官送致(逆送)かが決まる予定。遺族らは、逆送決定が出されると想定し、すでに地検に対して再捜査と同罪での起訴を申し入れたほか、今後、法改正に向けた署名活動も行う。
(2012年6月5日 読売新聞)
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