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神奈 川・交通死亡事故 略式一転、正式起訴 宮城県警元警察官調査
宮城 県警の元警察官が遺族の依頼で調査した神奈川県内の交通死亡事故で、検察側が自動車運転過失致死罪で容疑者の男(56)を略式起訴する方針から、一転して正式起訴したことが17日、関係者への取材で分かった。法曹関係者によると、こうした方針変更は異例と いう。地元警察の捜査に疑問を抱いた遺族側が、元警察官の調査結果を踏まえて真相の解明を要請していた。初公判は18日に横浜地裁で開かれる。
事故 は2012年12月27日朝、鎌倉市内で発生。男の車が、道路を歩いて横断中の藤沢市の会社員吉川英憲さん=当時(39)=をはねて死亡させたとされる。
関係 者によると、神奈川県警大船署は男を逮捕し、事故の約1時間半後に現場検証した。遺族が発生の約40分後に現場を通った際、警察官はおらず、車はなかった。同署は当初、現場写真の多くを検察側に送っていなかった。
捜査 員は遺族側に対し男の供述などから「車は時速約50キロ」と説明。状況は「約40メートルはね飛ばされた」から「車の前面に張り付けられて運ばれた」に変わり、衝突地点の説明も変遷したという。
遺族 側は宮城県警の元警察官で交通事故調査会社を営む佐々木尋貴さん(50)=仙台市青葉区=に調査を依頼。佐々木さんは13年3月に現場や車を調べて「衝突時は時速約70〜80キロで、吉川さんは衝突とほぼ同時に前に放出された」と推定した。
検察 側は同年9月、遺族側と男の双方に略式起訴する旨を説明。遺族側は翌10月、検察側に「捜査結果が適切に検察側に送られたか疑問でずさんだ。男の過失は大きく、公訴権を適正に行使してこそ国民の信頼が確保される」と要請した。
その 後、検察側は方針を白紙にすると男に伝え、再び取り調べるとともに衝突時の速度などの鑑定を専門家に嘱託。「男が前方左右を注視せずに時速約60キロで進んだ過失によって衝突、路上に転倒させるなどして死亡させた」と判断、ことし1月に正式起訴した。
遺族 側の弁護士は「検察側は公開の裁判で慎重に審理し、真相を解明するため正式起訴したのではないか」と語る。
大船 署は「今後の公判があり、現時点で捜査内容についてはお答えできない」と話し、横浜地検は「コメントすることはない」としている。
◎「力 になれて良かった」/元警察官の佐々木さん
「遺 族は捜査に不信感を抱いていた。力になれて本当に良かった」。事故から約2年4カ月。調査に当たった元宮城県警警察官の佐々木尋貴さん(50)が語る。
きっ かけは遺族の訴えだった。「大船署の捜査は信ぴょう性が疑われる。真実が知りたい」
佐々 木さんは事故と同じ時刻に現場を調査。川崎市内で保管されていた男の車は前面のガラスに穴が開き、激しく壊れていた。調査が進むにつれ「事実に基づいて処罰されるべきだ」と捜査への疑念を深めた。
死亡 した吉川英憲さん=当時(39)=は東京都内の食品関連会社に勤め、海外勤務を希望していた。事故の2日前には新設されるインドネシア支店への異動内示を受けていたという。
母と も子さん(64)=鎌倉市=は事故現場に手向けられた花を交換すると事故当時の姿を思い出し、悲しみで涙が止まらなくなる。「息子の未来を返してほしい」と望む。
真相 究明の場は法廷に移る。遺族は被害者参加制度を利用し、公判で意見を陳述する。父宏さん(70)=同=は「被告が厳罰に処せられて息子の無念が晴れてほしい」と願う。
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