集団登校事故2年、遺族の模索続く 京都・亀岡
京都府亀岡市で集団登校中の児童らに軽乗用車が突っ込み、3人が死亡、7人が重軽傷を負った事故は、23日で発生から2年となる。最愛の肉親を失った悲しみを胸に事故抑止を訴えてきた遺族は、今春、京都府警の情報提供を基にした啓発を始めた。現場では痛ましい事故を防ぐ安全対策が進む。記憶の風化が危ぶまれる中、同じ苦しみを味わう人を出さないため、遺族は声を上げ続ける。
4月6日、京都市西京区の商業施設周辺で実施された府警の交通安全活動に、亡くなった松村幸姫さん=当時(26)=の父、中江美則さん(50)ら遺族4人が顔をそろえた。「自転車の運転に気を付けてください」。小雨の降る中、家族連れに声を掛け、ビラを配る。「お父さんが頑張って法律を変えたんやね」。亀岡事故の遺族と気付き、ねぎらうように話し掛けてくれる人がいた。
今月以降、府警から実施場所を継続して知らせてもらえることになり、啓発活動を進めていく環境が整った。この日を含め4月だけで7カ所に参加する予定だ。
「僕らを見て少しでも悲惨な事故を思い出して、気を付けてくれれば」。そんな願いを込めながら、美則さんは街頭に立ち続ける。
遺族らは昨年4月、事故抑止活動に本格的に乗り出すため「京都交通事故被害者の会 古都の翼」を立ち上げた。講演や街頭活動に奔走する中、事故以来訴え続けてきた悪質運転への厳罰化を盛り込んだ新法が成立した。しかし、当初予定していたAED(自動体外式除細動器)の普及活動は製造会社との交渉が難航。会のNPO法人化に向けた動きも事業計画が定まらず思うように進まない。自分たちにしかできない取り組みとは何なのか。今も模索が続く。
松村さんの兄、中江龍生さん(30)は事故後、他の交通事故公判に足を運んできた。「同じように交通事故で家族を失ったのに、どうしてうちの事故は注目されないの」。そう言って憤慨した女性遺族の姿が頭から離れない。どんな事故も悲しみは変わらないのに、声を聞いてもらえない人の悔しさを知った。会の活動を続けるのは容易ではない。だが事故遺族の話を聞くことで、龍生さんは「ほかの遺族の思いも背負って声を上げていく」と意を強くすることができた。
亀岡事故で犠牲になった小谷真緒さん=当時(7)=の父、真樹さん(31)は、高校時代に交通事故で友人を失った経験がある。友人の父親は、葬儀場で「息子に先立たれたのが悔しい」と切々と訴えた。自身が遺族となった今、「当時の僕には事故の怖さが分かっていなかった」と振り返る。当事者ではない人に事故の本当の悲惨さを伝える難しさを痛感している。
今春、地域の役を引き受けた。地域全体で通学路について考えてもらいたいという願いから、小学校の登校班分けを担当する。小谷さん家族が住む地区の通学路は事故後に変更され、現場前を通らなくなった。だが、真樹さんは「現場を避け続けていていいのか」との思いが消えない。現場は道路環境整備が進む。安全を確認した後なら再び通学路として使えないだろうか。
「真緒が最後を過ごした地域で残された娘たちを育てたい。現場を悲しい道のままにせず、安全に変えないと意味がない」。残された子どもたちが安心できる道をつくる方法を、住民と一緒に探りたいと考えている。
■亀岡集団登校事故
亀岡市篠町で2012年4月23日朝、無免許で居眠り運転の少年の車が集団登校中の児童らの列に突っ込み、児童2人と付き添いの保護者が死亡、児童7人が重軽傷を負った。遺族は少年に罰則の重い危険運転致死傷罪の適用を求めたが、少年は自動車運転過失致死傷罪などで起訴され、懲役5年以上9年以下の不定期刑とした大阪高裁判決が確定した。ほかに事故に絡み少年5人が逮捕された。うち同乗の1人は執行猶予付き有罪、車の所有者は罰金25万円、3人が中等少年院送致などの保護処分となった。
【 2014年04月23日 08時30分 】
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集団登校事故2年、現場で法要 京都・亀岡の遺族ら
京都府亀岡市で集団登校中の児童らに軽乗用車が突っ込み、3人が死亡、7人が重軽傷を負った事故は23日、発生から2年を迎えた。事故現場や登校先の安詳小では、遺族や児童が犠牲者を思い、事故のない安全な社会を願った。
同市篠町篠の現場では、事故のあった午前8時ごろ、遺族が法要を営み、被害児童や同小関係者が祈りをささげた。別の交通事故の遺族も訪れ、手を合わせた。妹の小谷真緒さん=当時(7)=を失い、自身も負傷した同小5年の愛奈さん(10)は献花した後「今も一緒にいる気がするけど、実際に真緒ちゃんと会いたい」とつぶやいた。
亡くなった松村幸姫さん=当時(26)=の兄、中江龍生さん(30)は「来月、悪質な運転を厳罰化した新法が施行されるが、適切に運用されるか見守っていく」と強い口調で語った。
法要の後、遺族は安詳小で、松村さんのおなかの赤ちゃんを含めた犠牲者を追悼するため4本の苗を植樹した。事故発生日の誕生花とされ、「私の思いを受けてください」との花言葉があるハナミズキを選んだ。松村さんの父、中江美則さん(50)は植樹後、「胸が熱くなった。苗の成長を皆で見守ってください」と声を詰まらせた。
同小では、全校集会があり、児童全員が黙とうした。児童は「花でいっぱいの学校に」という願いを込め、運動場でベゴニアなどの苗を植えた。
事故では、真緒さんと松村さんのほか、横山奈緒さん=当時(8)=も亡くなった。京都府警は無免許で車を居眠り運転していた少年や同乗者ら6人を逮捕、昨年10月に運転少年の懲役5年以上9年以下の不定期刑が確定した。遺族らは悪質運転への厳罰化を求めて署名活動などを行い、無免許運転への罰則を強化する道交法改正や無謀な運転の厳罰化を盛り込んだ新法成立に結びつけた。
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自動車事故新法:運転厳罰化法、5月施行 てんかんも対象毎日新聞 2014年04月18日 12時26分(最終更新 04月18日 12時40分)
危険運転致死傷罪の適用対象を拡大し、酒や薬物などの影響で事故を起こした際の罰則を強化した新法「自動車運転死傷行為処罰法」(昨年11月成立)について、政府は18日、5月20日に施行することを閣議決定した。
18日は、栃木県鹿沼市で児童6人が犠牲となったクレーン車暴走事故から、ちょうど丸3年に当たる。事故は運転手のてんかん発作が原因とされ、新法成立のきっかけとなった。
新法には、交通事故の遺族らから「適用範囲が狭すぎる」と批判されてきた危険運転致死傷罪が刑法から移され、「通行禁止道路の高速走行」も新たに対象とする。また、酒や薬物、特定の病気の影響で「正常な運転に支障が出る恐れのある状態」で運転し、人を死亡させた場合に懲役15年以下、負傷させた場合に同12年以下とする規定を盛り込む。
さらに、政令で「道路」や「病気」の範囲も明記。このうち「病気」については患者団体の要望なども踏まえ、安全運転に必要な認知、予測、判断などの能力を欠く恐れがある症状を呈する統合失調症やそううつ病▽発作で意識障害や運動障害をもたらす恐れのあるてんかん−−などとした。【和田武士】 |
脳死妊婦の出産、2年間に2例…熊本大病院 2014年04月19日 16時50分
熊本大病院産科婦人科は18日、同病院に救急搬送後、脳死とみられる状態に陥った妊婦が2012〜13年の2年間で3人おり、このうち2人が出産したと、東京都内で開かれた日本産科婦人科学会で報告した。
対応のノウハウを蓄積する必要があるが、実態は不明。同科の片渕秀隆教授は「全国的調査が必要」と訴えた。
報告によると、3人は妊娠34週、25週、20週に救急車で搬送され、それぞれ1日目、8日目、22日目に脳死とみられる状態になった。原因は、脳出血や交通事故など。当面の妊娠の継続は可能と考えられた。
同病院が出産の意思について家族に尋ねたところ、25週の妊婦の家族は出産を希望。翌週、帝王切開で718グラムの子供を産んだが、母親はその後、亡くなった。
20週の妊婦は、家族の意思がまとまらないまま、33週目になって陣痛が始まり、そこで初めて家族が出産に同意した。未婚だった34週の妊婦は、家族が出産を望まなかった。
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神奈 川・交通死亡事故 略式一転、正式起訴 宮城県警元警察官調査
宮城 県警の元警察官が遺族の依頼で調査した神奈川県内の交通死亡事故で、検察側が自動車運転過失致死罪で容疑者の男(56)を略式起訴する方針から、一転して正式起訴したことが17日、関係者への取材で分かった。法曹関係者によると、こうした方針変更は異例と いう。地元警察の捜査に疑問を抱いた遺族側が、元警察官の調査結果を踏まえて真相の解明を要請していた。初公判は18日に横浜地裁で開かれる。
事故 は2012年12月27日朝、鎌倉市内で発生。男の車が、道路を歩いて横断中の藤沢市の会社員吉川英憲さん=当時(39)=をはねて死亡させたとされる。
関係 者によると、神奈川県警大船署は男を逮捕し、事故の約1時間半後に現場検証した。遺族が発生の約40分後に現場を通った際、警察官はおらず、車はなかった。同署は当初、現場写真の多くを検察側に送っていなかった。
捜査 員は遺族側に対し男の供述などから「車は時速約50キロ」と説明。状況は「約40メートルはね飛ばされた」から「車の前面に張り付けられて運ばれた」に変わり、衝突地点の説明も変遷したという。
遺族 側は宮城県警の元警察官で交通事故調査会社を営む佐々木尋貴さん(50)=仙台市青葉区=に調査を依頼。佐々木さんは13年3月に現場や車を調べて「衝突時は時速約70〜80キロで、吉川さんは衝突とほぼ同時に前に放出された」と推定した。
検察 側は同年9月、遺族側と男の双方に略式起訴する旨を説明。遺族側は翌10月、検察側に「捜査結果が適切に検察側に送られたか疑問でずさんだ。男の過失は大きく、公訴権を適正に行使してこそ国民の信頼が確保される」と要請した。
その 後、検察側は方針を白紙にすると男に伝え、再び取り調べるとともに衝突時の速度などの鑑定を専門家に嘱託。「男が前方左右を注視せずに時速約60キロで進んだ過失によって衝突、路上に転倒させるなどして死亡させた」と判断、ことし1月に正式起訴した。
遺族 側の弁護士は「検察側は公開の裁判で慎重に審理し、真相を解明するため正式起訴したのではないか」と語る。
大船 署は「今後の公判があり、現時点で捜査内容についてはお答えできない」と話し、横浜地検は「コメントすることはない」としている。
◎「力 になれて良かった」/元警察官の佐々木さん
「遺 族は捜査に不信感を抱いていた。力になれて本当に良かった」。事故から約2年4カ月。調査に当たった元宮城県警警察官の佐々木尋貴さん(50)が語る。
きっ かけは遺族の訴えだった。「大船署の捜査は信ぴょう性が疑われる。真実が知りたい」
佐々 木さんは事故と同じ時刻に現場を調査。川崎市内で保管されていた男の車は前面のガラスに穴が開き、激しく壊れていた。調査が進むにつれ「事実に基づいて処罰されるべきだ」と捜査への疑念を深めた。
死亡 した吉川英憲さん=当時(39)=は東京都内の食品関連会社に勤め、海外勤務を希望していた。事故の2日前には新設されるインドネシア支店への異動内示を受けていたという。
母と も子さん(64)=鎌倉市=は事故現場に手向けられた花を交換すると事故当時の姿を思い出し、悲しみで涙が止まらなくなる。「息子の未来を返してほしい」と望む。
真相 究明の場は法廷に移る。遺族は被害者参加制度を利用し、公判で意見を陳述する。父宏さん(70)=同=は「被告が厳罰に処せられて息子の無念が晴れてほしい」と願う。
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