Human Rights・人権

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野中広務(のなか・ひろむ)・辛淑玉(しん・すごく)共著の「差別と日本人」(2009年・角川書店)を読みました。
「差別」を社会からなくしていこうと、立場の異なるふたりがそれぞれ取り組んできた「ライフワーク」がこの対談に凝縮されています。
対談で取り上げられる事例、事件の注釈によって、差別の歴史的背景を知ることができます。

私がアメリカに渡った理由の一つが「差別を含む社会問題」に興味を持ったことでした。
その頃の私は、民権運動等の歴史をかじり、「アメリカにある人種差別」に対して、「一体、肌の色で差別をするとは何ごとか?実際に行って、どういうことなのか確かめたい」と、「差別の心理と社会構造」の探求をすべく、単身渡米したのです。今振り返ると、自分の無知さと短絡的な思考に恥ずかしさを覚えます。

アメリカで生活をする中で、社会に根付く宗教、性、セクシャルオリエンテーションによる差別といった、人種以外の差別の存在を知っていきました。そして有色人種という理由で差別を私自身が受けてから、随分と「差別」に対する考え方や想いも変わっていきました。

そして、私の生まれ育った国、日本にも差別がたくさんあるという現実が、日本から離れることによって見えてきました。それから、部落差別、在日朝鮮人、アイヌに関する本を読み、自分自身の社会との関わり方を考え始めたのです。
一つ言えることは、差別が社会に存在する以上、それは当事者に限った問題ではなく、その社会に属する人達全てに関係のある問題である、ということです。
以前の私のように「知らない」ということも、それは間接的に「差別」の存在を容認していることになると思います。

多くの人がこの本を手にとり、歴史だけにとどまらず「今もなお起きている差別」の存在を知るきっかけになってくれることを願います。そして社会のあり方や社会との関わり方を考えることへ繋がることを期待します。

奥田英朗(おくだひでお)著「サウスバウンド」を少し前に読みました。
「空中ブランコ」で抱腹絶倒、「インザプール」と引き込まれ、続けて「町長選挙」「ララピポ」「ガール」と読みましたけれど、この「サウスバウンド」は類にないパワフルさ、そのエネルギーに圧倒されます。

昔、学生運動に関わり、今も持っている信念に基づいて生きているという父を持つ小学6年生・上原二郎の視点で展開する小説は思春期特有の悩み、学校でのいざこざ、先生や友達、そして親との関係。家族と学校を通して見える社会、そして自分との関係の中で感じる疑問など、とにかく中身がぎっしりで読み応えがあります。
「学校なんて行かなくてもいいぞ。」なんていう二郎の父親はとにかく強烈なキャラクター。
おもしろおかしく描かれているけれど、芯のある、人間味溢れる実に魅力的な人なのです。
子供が何をどう学ぶかって、それは自分の目で見て、感じたことからなんだなーって、この本を読みながら自分の子供時代を振り返り改めて思いました。それなのに、大人は何か正しいことを言おう、諭すように話そうとするのかしら?子供はそんな言葉よりも何よりも、全身を目と耳にして、いろんなことをいつも見て感じているのにな。
たくさん笑いながらも、時に涙してと、心を打たれました。

読み終えた後に残る爽快感は、自分の信じる道を歩いていく者の潔さを小説を通して感じたからでしょうか。

全国に171設置されている配偶者暴力相談支援センターに関しては以下3つの提案があります。

• 民間の支援団体との連携強化
• 相談員や職員の人材育成・定期的研修の実施
• 支援に携わる全職員対象にサポートを提供する目的としたプログラム

定期的ミーティングや研修会を開催して、情報交換を行い、支援団体どうしのコミュニケーションを深めていくことによって、地域全体のサービス向上につながると思います。

ドメスティックバイオレンスは、とても根が深い複雑な問題で、対応するには専門的な知識だけでなく、研修が不可欠です。充分な知識がないものが対応に当たった場合、不適切な処置や対応による当該者への二次災害を招く危険性が極めて高くなると考えます。従事する職員への継続的な研修は、結果としてより質の高いサービスやサポートの提供へとつながると考えています。
専門員を育成することで、さらに多くの人材育成が将来的に可能となり、配偶者暴力に関する周知、認識度を高めることも期待でき、長期的にみて、問題の早期発見や、予防へもつながっていくと思います。

職員を対象にしたサポートシステムを構築することも大切です。
精神的にも消耗しやすい業務ということを考慮しながら、職員のメンタルヘルスをどれだけ健康な状態に保てるかということが、サービスの質へも直接影響し、また問題とされる高い離職率にブレーキをかけることへとつながると思います。

ドメスティックバイオレンスの問題が討論される時に、当事者同士の、いわば「家庭内の問題」として話が進む傾向にあると思います。「夫婦喧嘩でしょ?」といった認識の枠を超えられていない印象も受けます。実際に配偶者暴力保護法に反対するグループも存在して、その主張は「夫婦間に多少の暴力があるのは当たり前」と、暴力を肯定する姿があります。そこに、人権を考えた時に「家族間の暴力に対する罪の意識がない」という非常に大きな問題が存在すると思います。

ドメスティックバイオレンスに対する取り組みが他の先進国に比べて遅れている日本は、こういった実状を正確に把握して認識するという作業がまだまだ進んでいないということを反映しているように思えます。

引き続き、日本スウェーデン男女共同参画ジョイントセミナーに関してですが、今回は日本での取り組みをまとめてみました。
1999年6月に男女共同参画推進基本計画が立案。
2001年配偶者暴力防止法(議員立法)の成立。
2007年には、6万2千件のDV相談があり、2万992件が警察に報告があった。そのうち2000件以上が保護法令の執行となり、6千件以上のケースで女性が一時保護を受けました。
被害者の相談等、直接的に対応しているのが全国171カ所に設立された配偶者暴力相談支援センターです。
相談件数や、警察へ通達される報告等、ケース数が年々増えている傾向にあるそうですが、その理由に「DVとは何か?」の認識が国民の間で高くなってきていることが上げられると思います。
一方で、草の根活動をしている非営利団体の代表者からは、「加害者の更生教育プログラムや、法的に罰する等法整備がない」現状を反映している数値なのだとの分析もありました。

スウェーデン側から寄せられた質問「若い人のこの問題(DV)に関する関わりかたはどのような現状か?」には、内閣府の講演者は「これからどのように若い世代をDVの問題に取り込んでいくかというのも、数多くある課題のひとつです」と答えていました。DV予防策に関しては高校と大学ではすでに始まっているが、もっと若い年代から始めるべきだという声もあがってきていると報告がありました。

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