まもなく、日本人の人権が失われようとしています。
なぜならば、今月中旬にも精神保健福祉法改正案が閣議決定され、国会に提出されることがほぼ決定しているからです。この改正案というのが曲者です。現時点ではどのような形で調整が進んでいるのか正確にはわかりません。しかし、漏れ聞こえてくる話は悪い話ばかりです。
医療保護入院制度に関する議論まとめ
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002e9rk-att/2r9852000002e9t1.pdf http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002e9rk-att/2r9852000002e9u6.pdf もの凄く乱暴に説明すると、保護者制度の撤廃を掲げていますが、要するに入院中の権利擁護や退院促進を手厚くしてやるから入院の要件は緩くなってもいいだろというものです。
さすがにそれではまずいと思ったのが日弁連で、このような意見書を出しています。
http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/opinion/report/data/2012/opinion_121220_2.pdf 最低限、入院させる精神病院と関係ない別の精神保健指定医の判定も必要だという主張となりました。
しかし、日弁連の意見は無視され、どうやら入院の要件は緩和された上、そのエサであった入院中の権利擁護すら怪しいという雲行きになってきました。
もちろん、これらの議論は、精神科医には正しい診断能力があるという空虚な前提の下進められているため、本質的な問題が完全に無視されています。誤診は誤認逮捕以上の人権侵害であるという認識すらありません。検討会メンバーである精神病院の院長の言葉が象徴的です。「医師としては、早く良くなってほしいから治療しているのであり、介入も早く回復するために行っている。法整備も性善説で捉えて進めてほしい。」(千葉構成員)
そうです。精神医療に限っては、性悪説で法整備をしないといけないのです。精神科医が正しい診断ができるとは幻想であるという前提でスタートする必要があるのです。入院させられる立場からすると、入院させられたらそこで終了なのです。一度貼られた「強制入院させられるほど重篤な精神障害」というレッテルを剥がすことは非常に困難です。入院した後に権利擁護を手厚くする???いや、入院判定時にこそ権利擁護が集中しなければなりません。もちろん、弟三者の精神科医など、中立でも何でもありません。入院の判定に弁護士が付き、裁判所で判定されるレベルでようやく本当の権利擁護です。
このままでは、改悪精神保健福祉法によって保安処分がますます現実化してくるでしょう。
一方、国際的な認識はこのようになってきています。
今年3月4日に発表された、国連人権理事会の「拷問及び他の残虐、非人道的な又は品位を傷つける取扱い又は刑罰に関する国連特別報告者」による報告書です。日本も批准する「拷問等禁止条約」に関するものです。 (内容の一部) もし日本がこの精神保健福祉法改悪を受け入れてしまうと、ますます人権の意識や法整備は国際的基準から遠ざかり、障害者権利条約の批准など夢物語となるでしょう。
今日はとりあえず警鐘を鳴らすのみです。まずは何が起きているのかを理解して下さい。次に続くのはアクションです。今の段階では、厚生労働省と与党との調整に入っているので、厚生労働省の担当部署や自民党の厚生労働部会メンバーに直接声を届けないと効果はないでしょう。
例によってメールやFAXを送っていくことになるでしょう。しかし、何がポイントであるのかを簡潔に説明し、理解させる必要があります。近々、どこに声を上げるべきかのリスト作成してアップします。準備運動を始めておいて下さい。
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この記事に
「心の病に薬はいらない」著者:内海 聡
http://www.amazon.co.jp/dp/4761268972
という本がもうすぐが発売されますね。
薬をやめたくて悩んでいる人の助けになるといいですね。
2013/4/7(日) 午前 11:52 [ sakurai ] 返信する
「児童相談所の怖い話」
著者 内海 聡
この本は児童相談所の子ども達にも投薬されている実態が書かれています。小さいお子さんがいるお父さん、お母さんはぜひこの事実知ってもらいたいです。
2013/4/7(日) 午後 0:16 [ sakurai ] 返信する