精神科医の犯罪を問う

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厚生労働省が精神科病院に関する驚くべき調査結果を公表しました。この調査は、毎年6月30日時点での精神科医療施設の状況を調べる「精神保健福祉資料調査」であり、調査結果を国立精神・神経センター精神保健研究所の「改革ビジョン研究ホームページ」で公開されています。
http://www.ncnp.go.jp/nimh/keikaku/vision/data.html#a1

しかし、この調査は大々的に公表されているものではないため、ほとんどの人がその存在すら知りません。上記HPで公開されるまでは、厚生労働省の図書館にでも行かない限り、一般人がその結果を見ることすらできませんでした。

最新の調査結果は平成18年6月30日時点のものであるということからわかるよう、この調査は集計に非常に時間がかかっています。各自治体が全ての精神科病院から全ての調査項目について回答を得るのにまず時間がかかります。そして、国の方で各自治体から上がってきた数値を何度も見直し、再調査するなどして結局2年以上かけてしまうのです。

問題なのは、それだけ時間と手間をかけながら、得られた結果が有効に分析・評価・活用されておらず、現場にもほとんどフィードバックされていないことです。貴重な統計情報ですが、内輪の報告で終わってしまったら全く意味がありません。

実は、この統計結果を分析すると、我が国の精神保健に重大な問題が起きていることがわかります。それを示す重要な情報があるのですが、残念なことにこれについて特に評価、分析されてはいないようです。仕方がないので私が指摘するしかありません。

それは、精神科病院での行動制限が急増しているということです。

日本は、精神科病床数も人口あたりの精神科病床数も世界で最も多い「精神病院大国」として知られています。欧米諸国の政策と逆行するように、精神科病院を増やし、精神障害者を隔離・収容してきた結果、精神障害者は不必要に長期に入院させられ、精神科病院内では違法な隔離や拘束、殺人、暴力、レイプなど、犯罪や虐待、人権侵害が野放しにされてきました。ところが、人権侵害につながりやすい行動制限について、政府は長年実態を把握すらして来ませんでした。

ようやく国は平成15年の精神保健福祉資料調査から、隔離患者と身体拘束を受けている患者の実数を調べるようになりました。つまり、今回公表された調査(平成18年)で、合計4回、4年分の調査結果が集まったことになります。その結果を分析すると、行動制限を受けている患者数が急増していることが判明したのです。以下は、私が情報をまとめたものです。
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平成15年には、「隔離室の隔離患者数」は7741人、「身体的拘束を受けている患者数」は5109人でしたが、平成18年では、それぞれ8567人(826人の増加)、6008人(899人の増加)となっています。また、その数が年々増加していることがわかります。

これは一体何を意味するのでしょうか。

身体拘束が省令で原則禁止とされた介護保険施設では、国や各自治体の積極的な取り組みにより、実態調査が進められ、身体拘束の数が減少しています。ところが、行動制限を最小化にすることが推奨されているものの、原則禁止となっていない精神科病院では、むしろ行動制限を受けている患者が増えているということになります。

考えられることは以下の3つでしょう。
々埓の指導力が低下している
医療従事者の質が下がり、安易な行動制限がされている
5淦期患者の実数が増えている

一時期、国立の精神科病院内で拘束された患者が死亡するという事件をきっかけに、行動制限の問題について関心が高まっていたことがありましたが、すっかりほとぼりが冷めてしまいました。行政からは、行動制限最小化に向けた積極的な指導や熱意が伺えません。それに伴い、現場では安易な行動制限が増えたのでしょうか。

見過ごせないのはの可能性です。新型抗うつ剤(SSRI)が市場に出回ったのは1999年からですが、それ以降どんどん医療現場で使われるようになってきました。この種の薬剤は衝動性亢進を引き起こす危険性が指摘されています。突然暴れ出したり自殺を図ったりすることがありますが、そういう患者は行動制限で対応されることになるでしょう。

精神科/心療内科クリニックが急増し、尋常でない多剤大量処方をする質の低い医療機関も珍しくありません。無責任に危険な投薬を繰り返す精神科医に壊された患者が入院するようになり、行動制限を受けているのかもしれません。

安易な行動制限は死に直結します。大阪の精神科病院では、患者が違法に拘束された後死亡するという事件が発覚しました。東京と千葉では、病院内で火災が起きた際、職員が隔離室の鍵を開けずに避難したことから入院患者が死亡するという事件が起きています。監察医は、身体拘束を受けていた患者が、肺塞栓症を起こして突然死している実態を報告しています。

問題は物理的な拘束だけではありません。介護保険施設や各種障害者施設で原則禁止とされている身体拘束には「行動を落ち着かせるために、向精神薬を過剰に服用させる」という、いわゆる化学的拘束も定義として含まれています。これは、精神科病院でしばしば行われていることであり、特に多剤大量処方で患者を過鎮静している日本の精神医療現場には国内外から批判が集まっています。にもかかわらず、このような化学的拘束は、禁止されるどころか十分な実態調査すらされていません。

しばしば化学的拘束に使用される抗精神病薬に関しては、危険な副作用が判明しています。厚生労働省は1月9日、全ての抗精神病薬に対して、高齢患者の死亡率を高めることについて警告を発したばかりです。
http://www.info.pmda.go.jp/kaitei/kaitei20090109.html#7

「外国で実施された認知症に関連した精神病症状(承認外効能・効果)を有する高齢患者を対象とした17の臨床試験において、非定型抗精神病薬投与群はプラセボ投与群と比較して死亡率が1.6〜1.7倍高かったとの報告がある。また、外国での疫学調査において、定型抗精神病薬も非定型抗精神病薬と同様に死亡率の上昇に関与するとの報告がある。」という注意が医薬品添付文書に含まれるようになりました。

上記精神保健福祉資料調査には、退院患者に関する統計も含まれており、精神科病院では、1ヶ月間で1500人(1年で約18000人)の患者が死亡退院していることが判明しています。また、1ヶ月間の調査期間で退院できた患者のうち、1年以上入院していた患者は4158人ですが、そのうち死亡退院は902人(約17%)です。つまり、1年以上入院すると、6人に1人は死亡して退院するという計算になります。

なぜ時代に逆行して、精神科病院での行動制限が急増しているのでしょうか。なぜ精神科病院で患者が死亡するのでしょうか。どれだけの患者が化学的拘束されているのでしょうか。なぜ患者に対する暴力、虐待、違法拘束、人権侵害がなくならないのでしょうか。これらを早急に調べ、患者の命と尊厳を守る必要があります。
http://www.tokyovalley.com/yahoo_blog/article/article.php

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