精神科医の犯罪を問う

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最近、血液検査や光トポグラフィーを使って精神疾患を客観的に診断できるという迷信が流行しています。多くの人々は、関連する研究や成果を伝える報道によって完全に勘違いさせられています。私のところにも、今は画像診断などで精神疾患も科学的に診断できるのですよね?と質問がよく来るのですが、それは100%嘘だと返答しています。その理由を説明していきます。

まずはこちらをご覧下さい。統合失調症に対する早期介入の研究を進めてきた東大精神科は、このような研究を発表しました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130913-00000038-mycomj-sci
東京大学医学部附属病院(東大病院)は9月6日、「プロトン核磁気共鳴スペクトロスコピー」という方法を用いて、統合失調症にかかる危険が高い状態にある群、発症後の間もない時期にある群、慢性化している群の、脳内化学物質の濃度を調べたところ、慢性化群のみ、脳の「内側前頭前野」の「グルタミン酸-グルタミン総和」と「Nアセチルアスパラギン酸」の濃度低下が認められたと発表した。

勘の良い人ならすぐに疑問が浮かんだことでしょう。日本で統合失調症と診断され、慢性化している患者で、はたして向精神薬を飲まされていない人などいるのだろうか?慢性化している群とは、向精神薬で散々脳の中をいじくり回された群のことではないだろうか?と。

やはり、言い訳のように付け加えていました。「今回の研究の参加者は統合失調症の治療薬を内服中の患者が中心となっていたことより、治療薬の影響について考慮しながら注意深く解析が行われた。しかし、これらの結果が治療薬の影響から完全に離れ、統合失調症そのものの影響を反映しているかどうかについては確定できないという限界がある。」ということです。

脳に直接作用する向精神薬と、統合失調症と言われる症状と、どちらの方がより脳に影響を与えるのか。普通に考えたらわかることです。

日本で早期介入を進める精神科医らは、精神疾患を放置することがいかに脳に悪影響をもたらすかをしきりに説きますが、長期的な向精神薬服用とどちらの方が脳に悪影響があるのでしょうか?

そして本題です。
同じく東大精神科の笠井教授の研究です
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=84210&cx_text=06&from=yoltop
東大病院など国内7医療機関が光トポグラフィー検査で行った大規模研究(精神疾患の人673人、健常者1007人)によると、臨床診断でうつ病の診断基準が明確に当てはまった人の75%、同じく双極性障害の77%、統合失調症の90%で正確に鑑別ができた。

このような数字に騙され、光トポグラフィーが客観的に精神疾患を正しく判定することができると勘違いしてしまう人がほとんどでしょう。

実は、少し考えたらわかることです。

①そもそも、精神疾患の正確な定義、線引き、診断手法が一切存在しない
ということは、臨床診断が正しいかどうか、光トポグラフィー検査の判定が正しいかどうかすらそもそも評価できないのです。だから、この一致率は診断の正しさを表す数値ではありません。たとえば、DSMを用いてうつ病の診断をする場合、精神科医同士でも診断の一致率はそれなりに高くなりますが、それが診断の絶対的な正確さを示すものではありません。

わかりやすい例を挙げます。女性の「美しさ」とは絶対的なものではありません。主観での評価です。男性間で「美しい」と評価が一致する率はそれなりに高いかもしれませんが、それが絶対的な美しさを保証するものではありません。あるプログラムを作り、女性の美しさを機械で判定するという試みをしたところ、人間が美しいと評価したものと約75%が一致したとします。その試みは興味深いかもしれませんが、それは美しさの測定の絶対的な正しさを示すものではありません。機械による判定を、人間の主観的な評価とそれなりに一致させることができたというだけの話です。

②測定されているのは、あくまで「症状」つまり結果であり、病原ではない
例えば「発熱」は症状です。体温計は「高熱」「微熱」「平熱」を判定してくれますが、その原因を特定するわけではありません。決定的な診断ツールにはならないということです。

③その症状ですら、治療に使われた向精神薬の影響という可能性がある
これが重要なポイントになります。先ほど紹介した、同じ笠井教授の研究と全く一緒です。病気ではなく向精神薬の影響こそが違いを作り出している可能性があります。正常な人が抗うつ薬を飲み続けたら、「うつ病」とされている患者が示す脳画像と同じパターンを示すかもしれません。

したがって、血液検査でうつ病を正しく診断できる、光トポグラフィーで精神疾患を正しく診断できる、音声分析でうつ病を客観的に正しく診断できるなどという主張は100%嘘です。

付け加えるならば、もしも向精神薬の影響ではない具体的な脳の異常(※単なるパフォーマンスの低下や、通常範囲内の分布の偏りではなく、物理的に損傷や欠損などが認められるもの)を正しく判定することができ、そしてその異常が病気の原因であると特定できたとしたら、それは精神科ではなく、脳外科、神経内科等で取り扱うべき問題になります。それはそれで歓迎します。

脳科学、脳研究は確かに発展してきています。様々な測定機器も開発されてきました。それに伴い、精神病理学もさぞかし発展しただろうと皆考えるでしょう。しかし、いくら最新の機器を導入しようが、結局それが何かを解明するわけでもなく、単に非論理的な主張やアプローチの上に科学的装いをほどこしているだけです。そして、一般市民は報道を通してそれを科学だと誤認し、精神科医に誤った期待を寄せるのです。

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