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佐世保の事件で次々と新事実が発覚しています。
人は「ミステリー状態」「空白」を嫌います。説明つかない現象に出会った時、何らかの理由をつけて自分自身を納得させて空白を埋めようとするメカニズムが働きます。しかし、その空白を埋めるものが真実であるとは限りません。何か空白を埋めてくれそうな情報であれば何でも飛びついてしまう傾向にあり、しばしばそれは誤っているのです。 今回、誰もが理解できない猟奇的な事件が起きました。なぜこのような事件が起きたのかという納得する説明を人々は渇望しました。当初から、家庭環境の問題がその槍玉にあげられました。母親を亡くして間もなく父親が再婚し、邪魔者扱いされて一人暮らしを始め、どんどん心が壊れていったというストーリーが作られていきました。父親が世間体を気にして治療を受けさせなかったという非難さえありました。 ところが、父親は少女を複数の精神科病院に通院させ、しかも一人暮らしをさせたのは主治医の助言によるものであったということが判明しています。報道とは裏腹に、少女からは父親の再婚を喜んでいたという供述があり、新しい母親と一緒に父親のために料理を作っていたという情報もあります。 ここで、当初のストーリーが崩れてきます。少女は専門家である複数の精神科医から治療を受け、父親も新しい母親も主治医やカウンセラーからアドバイスを受けていたのでした。 では、なぜ治療を受けていたのに事件を起こしたのでしょうか? これこそが解明すべき情報なのです。空白を正しい情報で埋めるためには、どんな治療が行われていたのか(特に薬物療法が施されていた場合にどんな投薬をされていたのか)、どんなカウンセリングが行われていたのか、どんな助言がなされていたのかを解明する必要があるのです。 なぜならば、精神科による誤った治療・指導がしばしば状況を極端に悪化させるからです。治療を受けてから今までなかった殺人衝動が抑えきれなくなり、事件を起こした事例もあります。 もちろん、今の時点で精神科の治療が犯行に至らせたと断言することはできません。しかし、そのような視点がない限り、誰もそこに焦点を当てて事実を解明しようともしないでしょう。警察も検察も少女の代理人も、少女に施されていた精神科治療に注目し、その影響を解明すべきです。 |
精神科の治療と凶悪犯罪
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新事実です。佐世保の少女は精神科医の診察を受けていました。どういう経緯で精神科につながり、どういう治療を受けていたのかが鍵になるでしょう。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140731/crm14073117410019-n1.htm 「殺しかねない」と精神科医 長崎県、相談生かせず ちなみに、その少女が薬混入事件を起こしてカウンセリングを受けた2010年、長崎県の全小・中学校にこの絵本が寄付されています http://www.camellia.or.jp/media/pdf/46.pdf 今回の事件を受けて、多くの人々が以下のような反応を示しています。 「スクールカウンセラーを増員させるべきだ」 「危険人物は早く精神科で治療を受けさせるべきだ」 「児童相談所の権限を強化すべきだ」 ・・・そうなれば、ますます事態は悪化するでしょう。 教育委員会や児童相談所の対応のまずさ、家庭問題ばかりが注目されていますが、彼女がどういう治療を受けていたのか、それが犯行にどのような影響を及ぼしたのかを調べるべきです。 2007年5月、福島で母親の首を切断して鞄で持ち運んだという17歳の男子高校生が日本中を震撼させました。その少年は、事件を起こす約1ヶ月前、精神科を受診して抗不安薬などを処方されていました。 http://blogs.yahoo.co.jp/kebichan55/32485472.html そして今回、猟奇的な事件を起こした佐世保の少女も、精神科で診察を受けていたことが判明しています。 さて、多くの人々はもともとおかしな奴だから精神科に行ったのだ、むしろもっと早く行って適切な治療を受けさせるべきだった―などと思うでしょう。しかし、精神科の治療とは、時に抑えられない衝動や攻撃性を引き起こすのです。SSRIを処方されていた、全日空機ハイジャック機長殺害事件の犯人は、「悪魔的考え」に取りつかれて事件を起こしました。この件では、抗うつ薬が事件に影響を与えたという判決が出ています。 子どもに対しては向精神薬の安全性・有効性が確かめられていません。特に、抗うつ薬は未成年に効果がない上に、自殺衝動等を引き起こしやすいことがわかっています。どんな治療を受けていたのか、それがどんな影響を与えていたのかを捜査することが、この事件の解明の鍵になるでしょう。 |
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こんな判決が出ました。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140303/trl14030316380004-n1.htm 責任能力あったと判断 27歳無職男に懲役6年6月 JR博多駅通り魔事件 向精神薬の影響を認める判決も出てきました。今回は「若干」という表現にとどまっていますが。 現在の日本の法律では、向精神薬が犯行に影響を与えたとしても、どうしても責任能力と関係する形でしか主張できません。本来は検察側がその影響について正しく捜査し、評価すべきことですが、弁護側が減刑の手段として用いることが一般的です。 「向精神薬が責任能力に影響した」ではなく、「精神科医のデタラメ処方にも犯行の責任がある」という形にしたいですね。 今回のケースでは、懲役9年の求刑から6年6月に減刑された分、処方した医師に2年6月分の責任を負わせたいものです。 精神科医が十分な説明もなく患者に向精神薬を処方し、その影響で患者が犯罪行為をした場合、その精神科医にも責任を負わせるという法律を作りましょう。 仮にそのような法律を作るという動きが出たら、医者が委縮して医療崩壊につながるというヒステリックな反論が出てくることでしょう。しかし、向精神薬はそれほどまでに慎重に取り扱われるべきものであり、そのような自覚もなく精神科医がホイホイ処方していることを許していることこそが医療崩壊につながっているのではないかと思われます。 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/38410 |
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5人を手当たり次第に殺害する事件が起きました。
その犯人と思われる人物について、このような情報も入っています。 http://mainichi.jp/select/news/20130723k0000m040072000c2.html 近くの人の話では、男は一人暮らし。「薬を飲んでいるから10人や20人殺しても罪にならん」などと話したことがあるといい、周囲の人は男を怖がっていた。 手当たり次第に殺害するという行為について考えてみましょう。それは、単に口にするのと実行するのとでは大きな開きがあります。 ある人はそれを口にします。ある人は頭の中でそうしたいと思います。しかし普通はそれだけです。理性が働くからです。それを実行に移すには、理性のタガを外さないといけません。 たとえば、脱抑制という言葉を調べてみましょう。「状況に対する反応としての衝動や感情を抑えることが不能になった状態のことを指します。」と書かれています。これは向精神薬の影響下でも起こります。 向精神薬の副作用には「激越」「衝動性亢進」「易刺激性」というものもあります。その結果、暴力事件や殺人事件へと発展することもあり得ます。 もしも皆が感情の赴くままに他人に対して敵意をむき出しにし、気に入らない人間を簡単に殺害するような世の中を考えてみて下さい。文明は一瞬で滅びます。もちろん、誰にだってイライラすることはあります。他人を責めたくなることもあります。しかし、それでも感情を抑えたり、コミュニケーションを取って解決したりするのは、ひとえに人間には理性があるからです。文明、社会が形成されるのもそのためです。 しかし、それを完全に破壊するのが、最近流行の無差別殺人です。これは、人間にとってこの上ない脅威です。しかも、なぜこのような現象が起きるのか理由がわからないことで、さらなる恐怖となっています。人間にとって、理由がわからない脅威(=ミステリー)ほど恐ろしい物はありません。カミナリの正体がわからない時代、人間がどれだけカミナリを恐れたのかを想像したらわかるでしょう。 人間は、ミステリーに遭遇すると、説明のつかない空白をとにかくデータで埋めようとします。そのデータが正しいのか正しくないのかは関係ありません。とにかく理由付けしなければこの上ない脅威であり続けるからです。そして、人間はしばしば誤ったデータを採用し、空白を埋めます。 かつて、精神科医は精神障害者のことを犯罪者や平和と文化の妨害者とし、その恐怖を煽りたてました。戦後混乱期の犯罪多発は、精神障害者が野放しにされているせいだとする誤ったデータで埋められました。その結果、精神病院が乱立され、日本は世界に類をみない精神病院大国となりました。心神喪失者等医療観察法が成立した経緯も似たようなものです。大阪児童殺傷事件の恐怖がそれを後押ししました。 最近多発する無差別殺人や説明不能な凶悪事件は、一般人にとって完全なミステリーです。その空白を埋めるかのように、精神障害者を野放しにするな、精神病院にぶちこめ、などという論調が再び起こっています。人々は、あまりにも理解不能な事件が続くあまり、精神障害者だから犯罪を犯すのだと無理にでも納得しようと強迫観念に駆られているのです。 しかし、現象には必ず理由・原因があります。その原因とは、「心の闇」「精神障害」というあいまいなものではなく、もっと具体的なものです。向精神薬は必ずしもその原因となるわけではありません。しかし、現象を説明するためにも、その影響を最初に評価すべきものです。なぜならば、向精神薬の害作用として、理解不能な行動を引き起こすことが既に明らかになっているからです。 この男にはどんな治療がされていたのか、どんな薬がどのように処方されていたのか、薬の増減と男の行動にどのような関連があったのか、などを具体的に調査すべきです。 |
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向精神薬を処方されてから性格が激変したり、突発的な事件を起こしたりする事例が絶えません。さすがに、警察も弁護士もおかしいと思い始めているようです。以下、参考情報です。
★日弁連による調査 抗うつ薬(SSRI・SNRI)の副作用に関連すると疑われる刑事・少年事件に関する第一次アンケート調査の報告 http://www.nichibenren.or.jp/jfba_info/publication/booklet/year/2010/2010_1.html 抗うつ薬(SSRI・SNRI)と刑事・少年事件の関係に関する二次調査報告 http://www.nichibenren.or.jp/jfba_info/publication/booklet/year/2011/2011_13.html 一次調査の概要はこちら http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/publication/books/data/hakusyo_tokusyu2011_1.pdf ★厚生労働省による注意喚起 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0508-4j.pdf ★NHKの報道 http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_2742.html ★報告されている事例の調べ方 http://www.info.pmda.go.jp/fukusayou/menu_fukusayou_new_attention.html ↑ここの「副作用が疑われる症例報告に関する情報」の検索ページに行き、「検索したい副作用名」という欄で、「殺人」「攻撃性」「暴力」「アクティベーション」「激越」などと検索する ★専門誌による特集 http://www.seiwa-pb.co.jp/search/bo01/bo0103/bn/11/02index.html これらは基本中の基本の情報です。内容的には不十分ですが。 もはや、向精神薬に攻撃性・衝動性を高める危険性があることは否定できない事実です。しかし、現実はもっと複雑です。それは、多剤処方という要素が入り込んでくるからです。 実はこの多剤処方こそがガンです。多剤処方とは、責任の所在をあいまいにする最悪処方です。向精神薬を複数種類同時処方した場合、どのような相互作用が起きるのかについては、2剤ならともかく、3剤以上ならどうなるのかほとんどわかりません。 全てが単剤処方であれば、それほど物事は複雑ではありません。問題が起きた場合、この薬が原因であると特定しやすく、薬の製造元の責任、処方した医師の責任の所在が明確になりやすく、さらには副作用被害救済制度も利用しやすくなります。 ところが、多剤であると光景は全く異なります。多剤を理由に、原因特定が難しいと全ての関係者に逃げられます。主治医に対する損害賠償請求を起こす場合、原告が被害と多剤処方の因果関係を立証しなければなりません。主治医が薬理学的に説明のつかない多剤大量処方をしていたとしても、彼らはその処方の正しさを裏付けする必要はありません。そもそも現実で行われているひどい多剤処方について、具体的にどのようなメカニズムでどんな被害を引き起こすのか誰も研究をしていません。原告側は、誰も研究していない主題について、一から立証しなげればならないのです。 製造メーカーの治験は基本単剤です。しかし、現実は単剤で処方されることなどほとんどありません。一応医薬品添付文書には薬剤併用に関する注意が書かれていますが、実際には併用注意などほとんど無視されています。3剤以上の処方は、組み合わせの可能性を考えるだけでも全て評価しようがありません。本来、想定されていない多剤処方をするのであれば、そのような処方に関する治験や相互作用による安全性の評価が必要なはずです。しかし、主治医側がするのではなく、被害者側が必死になって情報を集めるという構図が現実です。 凶悪事件を起こした犯人に対する薬剤の影響を評価する鑑定も同様です。弁護側は、一からそれを立証しなければならないのです。多剤であればますます立証が難しくなります。 一つ例を挙げます。上記の症例報告検索のページで、「殺人」と検索してみます。そして、フルニトラゼパム(商品名ロヒプノール等:睡眠薬)の症例を選ぶと、「攻撃性 殺人」という有害事象が報告されています。50歳代の女性ですが、併用被疑薬が以下のように列挙されています ブロマゼパム(商品名レキソタン:抗不安薬) レボメプロマジンマレイン酸塩(商品名レボトミン等:抗精神病薬) エチゾラム(商品名デパス等:抗不安薬) パロキセチン塩酸塩水和物 (商品名パキシル:抗うつ薬) プロメタジン塩酸塩 (商品名ピレチア等:抗パーキンソン剤) ジアゼパム (商品名セルシン等:抗不安薬) エスタゾラム (商品名ユーロジン等:睡眠薬) ゾピクロン (商品名アモバン等:睡眠薬) ヒドロキシジンパモ酸塩 (商品名アタラックス:抗アレルギー性精神安定剤) ニトラゼパム (商品名ベンザリン等:睡眠薬) まあ、ひどい処方です。こんな処方をしていること自体が殺人かもしれません。実際、悪性症候群や自殺などで転機が「死亡」となっている事例を見ると、ひどい処方がいくつも見られます。もちろん、医師の処方権、裁量権を理由に、このような「殺人」が取り締まられることはありません。 一昔前に流行したロボトミー手術は、手探りで脳を破壊するという、理論も実践も非常に野蛮な手法でした。しかし、向精神薬の多剤大量処方はそれと同等の残虐性、野蛮性を伴っています。何の根拠もなく、手探りで向精神薬を追加・増量して患者の脳を破壊していく姿は、ロボトミー手術の本質と何ら変わりがありません。 |



