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道尾さんの新刊。ようやく図書館から回ってきた。
結構早いペースで新作を発表しているのによくもまあこれだけ思いつくものだ。詐欺師のタケさんとそれに従うテツさん。まずはおっさん二人による詐欺と二人の辛い過去の話。そしてひょんな事件で知り合った少女まひろ。その姉のやひろと彼氏の貫太郎(+トサカ)。彼女ら(貫太郎は除く)もまた辛い過去を持っていた。全ての原因はヤミ金組織。彼等は一矢報いるために「アルバトロス作戦」という勝負に出る−。
今回もアッサリと騙された。これはネタバレせずには感想が書けない。
↓↓↓以下はネタバレを含むため、未読の方はご注意下さい!↓↓↓
テツさんがまひろ達の父親だということは手紙の時に勘が働いた。アナグラムにもなってたし。エンディングはここに落ち着くのだろうなと。
終盤にコンゲームが始まったのでここに何か仕掛けがあるかと思っていた。あからさまに様子のおかしい貫太郎もいたし。失敗に終わるという展開もありコンゲーム物として十分に面白い。ただそれほどの驚きはないまま終了。そしてテツさんの死。残り数十ページ。これでタケさんがテツさんの正体に気付いて終わり?実はその親子関係に何かひっかけが?などと思いつつ最終章へ。
確かに街中で偶然見かけた万引き少女がタケさんが昔自殺に追いやった女性の娘だったとかは出来すぎている。でもそれは小説だからと読者は思ってしまうから疑ったりはしない。そこを逆手に取る。道尾さんとテツさんにまんまと騙されたわ。
その他にもマヒロがウリをやっているように見せかけて万引きだったり。貫太郎が裏切っているように見せかけて火薬に怯えていただけだったり。すぐに解明される仕掛けが随所に施されていたのも楽しめた。
終わり方も良い。「詐欺師なんて、人間の屑です。」。主人公が辛い過去から逃げるために詐欺師になったとは言え悪は悪。詐欺師を続けてきたテツさんだからこその言葉。アルバトロス作戦によってやり直したいと思い始めたタケさんの背中を押す一言になったことだろう。
親指の話もお気に入り。男の友達に子供が生まれた時にこの話をしてあげようと思う。良い話だけでなく親指は全員の顔を知っているというもう一つの意味にもニヤリ。
↑↑↑ここまで↑↑↑
個人的には本作は道尾さんの代表作になるだろうと思う。もちろんこれ以上の作品をこれからも期待しているが。私の趣味としては最近は表の作品が続いているのでそろそろ裏の作品を書いて欲しい。
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