石持浅海

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「温かな手」

他人の生命力をエネルギーとする謎の生命体(?)が名探偵として活躍する短編集。
二組の主人公が登場するが、ギンちゃんと寛子のペアがお気に入り。

以下、それぞれの一言感想メモ。

『白衣の意匠』
まずは設定紹介といったところ。
消えなくて良かった決め手となった証拠。
ただ、乾くのをも待っても洗ってないんだから何かしら検出されるのでは?

『陰樹の森で』
キャンプに行ったギンちゃんと寛子が再び事件と遭遇する。
今回は消えちゃうまで待つんだね。

『酬い』
もう一組のペア、ムーちゃんと北西君が登場。
ムーちゃんの推理はギンちゃんに比べると投げやり。
北西君も良い人なんだろうが、寛子に比べるとキャラが薄い。

『大地を歩む』
謎の50万円の回答にちょっと期待したのに…。

『お嬢さんを下さい事件』
終盤に向けてホッと一息。
ギンちゃんと寛子の出会いは描かれたが、ギンちゃんの能力を知った時の話まで書いて欲しかった。

『子豚を連れて』
二編続けて良い話かと思ったら実はダーク。
結局、最終話での事故はこの子豚を連れていた婦人だったのだろうか?

『温かい手』
生命力を吸うという設定が必要ないよなー、と思ってたら最後にこういう話を持ってくるとは。
軽いノリの短編集だと思ってたら最後にちょっとだけ泣かせてくれた。

ミステリとしてはそれほどではないけど、設定とラストの話がバッチリ決まってた。
石持さんは最近微妙な作品が続いていたけど、本作は中々の良作だった。

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「ガーディアン」

前回読んだ「耳をふさいで夜を走る」も石持さんらしからぬ作品だったが今回もまた特異。石持さんはあまり現実離れした話は書かないと勝手に思い込んでいたのでちょっと意外だった。

子供の頃に父親を亡くした勅使河原冴。彼女はずっと不思議な力に守られていた。「ガーディアン」と名づけたその力は彼女の危険を回避するためだけに発動する。突発的な事故ならバリアーとして。では彼女に殺意をもった相手はガーディアンに殺されるのだろうか?(裏表紙から抜粋)

石持さんなので読みやすい。設定も面白い。けどミステリとしてはそれほどでも…。

物語は2つ。あらすじで書いた冴を主人公とした物語。そして冴の娘である栗原円の物語。

冴の物語ではガーディアンの仕業と思われる事故が発生して冴の同僚が死んでしまう。「ガーディアン」は殺意を感じない限りは人を殺したりはしない。何故彼女は殺されそうになったのか?という点でミステリの要素はあったがあまりにも想像通りの結末だったのがマイナス。

円の物語に至ってはミステリ要素はなし。ただのパニックものといったところ。
「ガーディアン」は便利だなぁというくらい。

珍しい設定だったので楽しみに読んでみたけどせっかくの設定が生かしきれてない感じだった。それにしてもこんな圧倒的な力を持ちながらも二人とも良い子ちゃん。こんな力があったらスゲーやな奴になりそうな気がするが。

並木直俊は、決意した。三人の人間を殺す。
完璧な準備を整え、自らには一切の嫌疑がかからないような殺害計画で。
標的は、谷田部仁美、岸田麻理江、楠木幸。いずれ劣らぬ、若き美女たちである。
倫理?命の尊さ?違う、そんな問題ではない。
「破滅」を避けるためには、彼女たちを殺すしかない…!!
しかし、計画に気づいたと思われる奥村あかねが、
それを阻止しようと動いたことによって、事態は思わぬ方向に転がりはじめる…。
本格ミステリーの気鋭が初めて挑んだ、戦慄の連続殺人ストーリー。
(要旨「BOOKデータベース」より)

本格ミステリの気鋭、石持浅海の新境地。驚愕のシリアルキラー・ミステリー!!
この惹句を見たら買わずにはいられなかった。

今まで読んだ石持作品には登場人物の中に明るいキャラが一人はいて、
人が死んでるのにどこか爽やかな雰囲気があるという感じだったが、
今回はその爽やかさがない。

序盤は要旨の通り。

冒頭、並木が三人の女性を殺す決意をするところから始まり、
そしていきなり奥村あかねという女性に妨害される。

事態は思わぬ方向に、というからどんな展開が待っているかと思ったら−。

↓↓↓以下はネタバレを含むため文字反転。未読の方はご注意下さい!↓↓↓

特に違った方向ではなく、並木は結局三人を殺しに行くことになる。

計画的に実行しようとしていたことが、一晩で三人を殺さないといけない、
という急な展開なので、並木にとっては思わぬ方向かもしれないが、読者としては予定通り。

勝手ながら、どんな計画でどの様にして殺すか、という点を楽しむつもりだった私は、
行き当たりばったりで殺していく展開は少し残念だった。

まあ、一晩で三人を殺害という緊迫した状況、これはこれでありだが。(どないやねん)

他に読み進める動力だったのは、並木が殺そうとしている三人の女性の共通点や、
三人の女性をなぜ殺そうとするのか、といった序盤では隠されている謎の部分。

特に並木が口にする『覚醒』という言葉。
まさか化け物に変化する、といったおバカな展開はないだろうと思いつつ、
『覚醒』すると何が起きるのか、ここが今回一番期待する部分だった。

「まさか、並木さん『覚醒』したんですか?」という一文はゾクッとした。

ここで一気に物語がひっくり返ってれば最高だったのだが、
今まで認識していたことがガラッと崩れるところまではいかず。惜しい。

ラストは後味悪いが、本作はどうやってもスッキリ終われないだろうな。

ちょっと気になったのが、エロい描写は必要だったんだろうか?
「無防備」という重要な伏線にはなっているが、他に方法もあったのでは。

↑↑↑ここまで↑↑↑

確かに今までの石持さんとは違った。

石持さんはまだ読んでない作品が少し残っているが、その中にこういう作品があるのかな?

時代は現代だが昔の制度が今も残っている、といった不思議な日本が舞台の短編集。

以下、それぞれの一言メモ。

『人柱はミイラと出会う』
建物を建てる際にその完成を祈るため、
神への生贄として水の中や地中に生きた人を埋めてたらしく。
そんな文化が現代でも息づいているという設定。

時代は現代なので、人柱が生きるための設備が整っているが、
何ヶ月、長ければ何年も地中の中で生活するため、生半可な精神と体力では持たない。

そんな人柱を職業とする東郷直海、従妹の一木慶子、慶子の家にホームステイしているリリー・メイス。
人柱に関連した事件にひょんなことから関わることになった三人がメインキャラ。

以降の話もこの三人、特に直海が活躍して事件を解決していく、という流れ。
物語はリリーの視点で語られていて、直海に抱く恋心なんかもこの作品を楽しむ要素の一つ。

人柱という設定が上手く生きた話だと思う。本作品がタイトルになっているだけある。

『黒衣は議場から消える』
黒衣、くろごと読む。
本作の中では、議員を陰ながら支えるアシスタントの様な役目を担う人のことを指す。

真っ黒なスーツに身を包んでいる彼等を周囲の人は見えていないフリをする。
顔も黒いベールで覆われていて誰だか分からない、となるとトリックは…。

『お歯黒は独身に似合わない』
お歯黒。既婚女性が歯を黒くする。こんな文化が今もあったら嫌だ。
豆知識として、お歯黒の染料にはタンニンが含まれていて抗菌効果がある、
妊娠するとカルシウムが胎児に取られて虫歯になりやすくなる、
それを守るために歯を黒くしていた、といった経緯があるそうで。

タイトルの通り、歯を黒くしている独身女性を見かけて気になり、という話。
これもお歯黒という設定があってこそのトリック。

『厄年は怪我に注意』
厄年は今でもあるけど、この世界では一年間厄年休暇というのが取れるらしい。
羨ましい。。。

『鷹は大空に舞う』
鷹匠って現代にはいないんだっけ?ならでは、というトリックがないのが残念。

『ミョウガは心に効くクスリ』
ミョウガを食べると物忘れが酷くなる、という俗説があるらしい。
ってことで、嫌なことがあったらミョウガを食べる風習が出来ている。これは今もある風習?

『参勤交代は知事の務め』
参勤交代が現代にも残っていて、地方の議員が奇数月は強制的に東京に集められるという設定。

段々と設定が上手く生かせなくなっている気がするのは私だけだろうか…。
『厄年〜』辺りから設定だけ書いて事件とトリックに関する感想がないのはそのため。

面白い趣向だっただけに惜しいなぁ。
直海とリリーの関係が良い方向で終わったので良しとするか。

「心臓と左手」

祝!座間味くん復活!!

元作品である「月の扉」自体はそれほど好きな作品ではないんやけど
たまたま着てたTシャツのせいで「座間味くん」と名づけられた彼だけはお気に入り。
その彼に再び会えるとなると買わざるを得ないでしょう。

ハイジャック事件で知り合った警視庁の大迫警視が終わった事件について座間味くんに話をして
その真相を座間味くんが解き明かすという「安楽椅子探偵もの」の短編集。

少し大人になってしまった座間味くん。彼女とも結婚して子供も居たり。
でも、相変わらずの好青年っぷりは全然変ってないんでホッとした。

座間味くんの相手(といっても話しを聞くだけ)はテロ組織や宗教団体と一癖ある輩ばかり。
これは「月の扉」でのハイジャック犯達を意識して、同じ様な相手にしたんだろう。

好きな話は「貧者の軍隊」と表題の「心臓と左手」。
何故?に対する答えが、それなりに意外だったのはこの二作かな。

「再会」では座間味くん、大迫警視以外に「月の扉」の関係者が出てくるけど
「月の扉」自体が座間味くんしか記憶に残ってないので『ん?誰?』という感じやった(^^;)
(後で本屋で立ち読みして納得)

復活してくれたのは嬉しかったけど、ここまで完璧に全ての謎解きをしちゃうとなぁ。。。
作者によって神格化されすぎてる気がする。「月の扉」で嫌々やらされてた感じが良かったんやけどね。
記憶の片隅に残っているだけ良かったかな、と少しだけ思ってみたりも。

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桂
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