北村薫

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「夜の蝉」

「私」と円紫さんシリーズの二作目。

作者の北村さんはこの作品で素顔を公開したとか。作風から絶対に女性と思われてただろうなぁ。

今回はちょっとした恋心だったり、姉に対する思いだったりと「私」の心の揺れと成長が見て取れた。

今回も日常の中の出来事ながら、どの話も秀逸なミステリになっているのが素晴らしい。

「朧夜の底」と表題作「夜の蝉」はかなり悪意に満ちた話だったが、円紫さんの安心感と優しさ、「私」と姉の姉妹愛で、その嫌な感じが相殺されている。

読んでて恥ずかしい気持ちになりながらも、読み終わった後は清清しい気分になれる良い作品だと思う。

「空飛ぶ馬」

北村さんは「時と人」シリーズ以外で初めて。

女子大生の「私」と落語家の円紫師匠が活躍する短編集。

謎解きはあるけど人が死んだりとかではなく日常のちょっとした事で、
尚且つこの二人、特に円紫師匠がふんわりとした人物なので、
全体的にほんわかとした雰囲気の作品。

それぞれの一言感想メモ。

『織部の霊』
まずは主人公の「私」と円紫師匠の顔合わせ。
織部の切腹に関する謎の回答はちょっと強引かな。

『砂糖合戦』
喫茶店で何故か砂糖を7,8杯も入れる女の子三人組。その理由を解き明かす話。
円紫師匠の推理力、洞察力が抜群ということを理解。

『胡桃の中の鳥』
仲良しの正ちゃんと旅行へ。旅行先で合流した友達の江美ちゃんの車の異変が。
旅行メインだったのであまり印象なし。

『赤頭巾』
歯医者で隣に座った女性・ほくろさんから、
『公園に赤いものを身に付けている女の子が現れる』という話を聞き−。

本作品の中で一番ミステリしてたと思う。
「私」が作中で言ってた通り、こういう話を円紫さんから聞きたくなかったけど。
色が上手く使われていて最後にゾクッとした。

『空飛ぶ馬』
幼稚園に贈呈された木馬がある時間だけ消えていたという話。
『赤頭巾』が黒だとするとこの話は白。
この話のために一つ前は敢えてあーいう話にしたんだろうか。

こんな女子大生が今時いるかなぁ?と捻くれた感想も少しあるが、
落語好きの女子大生と落語家の掛け合いが楽しく、続編も読みたくなる作品。

「リセット」

今日は出張でつくばに。つくばエクスプレス初めて乗りました。
で、往復でこの本を読みました。

太平洋戦争の末期を生きる女学生・水原真澄と、真澄が恋心を抱いている修一、
二人の物語です。・・・これ以上は書きようがありません。

リセット、つまり生まれ変わりの話です。
何度も転生を繰り返し、その度に出会う二人。
序盤の物語の退屈さ(緩やかさ)を我慢出来れば、
ラストを気分良く迎えることが出来る作品です。

前二作は主人公が「時」に翻弄され過酷な状況の中で如何に生きるか、
を描いた作品だったと思いますが、本作品は「時」は主人公に優しいですね。

三作とも良かったです。北村さんの作品は継続して読んで見ます。

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「ターン」

『時と人』三部作の二作目です。

内容はこんな感じ。
版画家の森真希は7月の午後、ダンプとの衝突事故を起こす。
目が覚めるとそこは自宅。事故に遭った形跡もない。…真希は『昨日』に戻っていた。
その世界には真希以外誰もおらず、ひたすら『昨日』だけが繰り返される。
150日の『ターン』が繰り返されたある日、突然家の電話が鳴る−。
それは真希の作品に興味を持ったイラストレーターの泉からの電話だった。
実際の世界と唯一繋がった電話。『ターン』の世界を生きる真希の生活が始まる。

今回は一日が繰り返される設定です。
私は西澤保彦さんの「七回死んだ男」を思い出します。
「七回死んだ男」は一日を七回繰り返すという設定でしたが、
こっちは真希だけが一日を繰り返していて実際の時は進んでいます。
真希だけが置いていかれているんです。

こういう有り得ない設定にも関わらず、電話が繋がった後は話がゆっくりと進んでいきます。
日頃ミステリしか読まない私には、展開が遅く感じてしまいます。
ただ、それが嫌な訳ではなく、真希の葛藤、泉の助けてあげたい気持ち、
その一つ一つに『あー、確かに。』とか『いや、それは違うやろ。』とか、
自分に置き換えながら読んだ作品は久しぶりですね。
まあ普段は殺されたりするんで、簡単に自分に置き換えられないですが。。。

旧ブログでは気になった文章があった時に書いていました。
今回もちと気になった文章があったんで書いておきます。

−毎日が不毛な繰り返しだといってたわたし。不毛なのは『毎日』ではなく『わたし』だった−

なんか、今の自分の事を言われているようで…。

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「スキップ」

北村薫さんの作品は読んだことなかったので、
『時と人』三部作でも読んでみようと思って図書館へ。
幸いにも三冊とも本棚に並んでいました。

内容はこんな感じ。
17歳の私・一ノ瀬真理子が文化祭の準備から帰ったある日、
眠りから覚めるとそこは25年が過ぎた世界だった。
17歳の真理子が42歳の今を生きる−。

タイトルの通り、主人公は17歳から42歳に人生がスキップされてしまいます。
10年前の作品に対する言葉ではないですが、この設定は新しいなと思いました。
過去に戻って人生をやり直すとか人格が入れ替わるとかは結構ありますが、
自分の時間だけが省略されているってのは無かったかなと。

42歳の真理子は当然結婚もしていて夫がいて、元の自分と同じ年の娘も居ます。
突然の出来事に戸惑いながらも、真理子はこの状況を受け入れ、この世界で生きていこうと努力します。
真理子は国語の先生という設定で、17歳だった女の子がいきなり教壇に立てるのか?
という無理な点もありますが、夫も先生で娘が同じ高校に通っている、
というとこで二人の協力を得つつ学校生活を続けていきます。

文化祭、体育祭、演劇、色々なエピソードが描かれていて、ちょこちょこと胸に響くシーンがあります。
ボロ泣きまではないですが、ちょっとウルッとくるような。
『いい話』。この一言に尽きますね。残りの二冊も楽しみです。

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