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台湾で日本語教師をしています。今日は外交の総合的対策をお考えいただきたくメールしました。
今、日本は今回の「反日」デモでも明らかなように、外交的にも安全保障面でも大変困難な時期にさしかかり、総合的対策が必要です。外交面で今、日本に決定的に欠けているのは、「宗教」対応です。
キリスト教世界での宗教の影響力は言うまでもなく、今回の法皇死去でも日本の派遣した特使にはとかくの批判がありました。アメリカの「文明の衝突」論の背景も宗教です。また、世界の三大宗教の内、イスラム教は各個に指導者がいて統一されてはいませんが、各国との関係では大事な役割を果たせるのは、イラクの人質救出の場合もそうです(たとえ、金銭がかかったとしても)。インド圈でも、ヒンズー教にせよイスラム教にせよ、宗教指導者は尊敬を集め、世論に影響力があります。台湾でも、仏教界はとくに慈善事業で大きな影響力があり、間接的に政治的影響力を振るっています。各国での、そうした宗教勢力は長い友好関係を考えたとき、決して無視できない存在であり、むしろその民族のなかで、優れた精神性をもった階層と接触できる機会です。
極端に世俗化した日本では「宗教」勢力との対応はタブー視されていますが、日本のような宗教事情は世界でも希であり、日本の状況を世界に敷衍して考えるのは、外交関係の維持発展の上で、大きなマイナスとなりかねません。
今回の「反日」をみても分かるように、世俗の友好は利害衝突で簡単に逆転します。日本では「宗教」的偏見が争いのもとと見ていますが、「経済」も同じように争いのもとなのは、日本が痛切に感じているところではありませんか。しかし、宗教のすぐれたところは、ヨハネパウロ2世の業績を見ても明らかなように、人的交流の基盤として、恩讐を調停できる可能性があることです。国連のブラヒミ特使も、おそらく背景にはイスラムの教えを生かしていらっしゃるでしょう。
川口前外相や町村外相は日本の大変優れた外交人材ですが、紛争調停や国際舞台でより広く活躍するには、宗教的背景のある人材を特使などととして活用なさるのも大変すばらしいと存じます。韓国との調整を、民間レベルで仏教あるいはキリスト教関係者に任せることも一案ではないでしょうか。
また、今回の新法皇任命に伴いバチカンとの関係強化を行うことは、中南米やアフリカなど途上国外交では大変重要なことと存じます。
首相閣下、ならびに内閣におかれましては、旧弊にとらわれず新世紀の視点をお持ちになられますよう、切に希望いたします。
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