Be A Man

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小説「BeAMan」

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BeAMan 25

そして、その欲望が熟すれば熟する程に、ますます、地は呪われたものとなり、ますます、何も生み出さなくなって行くのである。
隠さないうちは、労せずして食べられたものが、いまや、耕しても耕しても何も実を結ばなくなりつつある。
文明は、人間の生活を楽にしたように見えて、ますます、労働を厳しいものとし、やがては終末へと人類を導いていく、ハメルーンの笛吹きではないのだろうか?
そもそも、錬金術はないのである。
そして、錬金術と思えるものには罠がある。
機械を作れば、農作業は楽になるが、反面、機械を作り出す労働が必要になる。
しかし、それならまだ良い。
ただ、労働が、摩擦の分、増加しただけであろう。
だが、本当の錬金術が当たり前となったとき、人類は、一体、何処へ向かうのだろうか?
本当の錬金術とは、質量保存の法則とかエネルギー保存の法則が成り立ち得ない世界である。
そして、その結果を、誰もが知らない。

栗毛石の心の中は、以上のように変遷し、そして、徳田原を尊敬するようになっていった。
栗毛石は、マスターベーションと経済学との関係というテーマを卒業し、いまや、環境問題という新しいテーマの下に新しい視点からの研究に走り出したのである。

彼の考えの転換は、デモクリトスからデモクリトリスに時代が流れていく過程で、所謂「問題点」を持つことにも御咎め無しで、彼は、いま、新しいテーマの下、研究に邁進するのであった。
古くからのデモクリトスに固執する人々にとってみたら、それは栗毛石の暴走の始まりでもあった。

たぶん、徳田原のヒントは次のような結論を持っていたのであろう。

そもそも、人間が文明を持つようになったのは、性器を隠す事から始まったのだ。
知恵の木の実を食べた人間は、先ず、性器を隠したのである。
神は、隠された性器の状態を見て、初めて、人間が知恵の木の実を食べた事を知ったのだ。

性器を隠していなかったら、おそらく、人間は自己を自己として認識してないのではないだろうか?
そして、他者も他者として、認識しないであろう。
もし、自己と他者の認識があったにせよ、それは、動物の持つ自他の認識程度のものなのだろうし、
そのほうが、人間は幸福であったのかも知れない。

そして、隠された物は見たいと欲するようになる。
此処が、そもそもの、欲望の起源、煩悩の起源なのだ。
つまり、見るために蓄えるのである。

蓄えるというよりも、第一段階では力であった。
そして、土地身分へ。
そして、お金へ。
そして、・・・。
と、変遷していくのである。

そして、その時代に応じた条件を、より多く満たしている者は、より多くを見、
満たしていない者は、見る事が出来ない。
此処にマスターベーションの起源を見るのである。

見たい処が見る事が出来なくなった時に、マスターベーションは起源を見、
そうならないために、生存に必要以上の人間の営みが始まった。
その必要以上の人間の営みが、文化文明科学等の進歩を創り出す原動力となったのである。

やがて、文明が成熟すると貨幣が生まれ、貨幣が人間の欲望が増していく中で、いかなる変遷をし、何をもたらすのか説明したのが経済学なのである。

即ち、マスターベーションも経済学も、人間が性器を隠す事から生まれた兄弟であり、マスターベーションの方が先に生まれた兄、そして経済学は、その弟なのであるという事なのでは?

以上が徳田原の言いたかった事なのではないだろうか?

BeAMan 23

栗毛石の疑問。
マスターベーションの経済学的説明であるが、それは既に徳田原には解決済みの問題であった。
栗毛石が彼を訪ねて来る事も徳田原には既に予定説的に見えていたのかも知れない。

徳田原はいっぺんに栗毛石の疑問に答える事はしなかった。
そして、ひとつのヒントを彼に与えたのだった。

それは、「マスターベーションが先で、経済学は後なのですよ。」という言葉だった。

はじめは栗毛石には何がなんだか分からなかった。
そんな栗毛石に徳田原はひとつの書物を手渡した。
それは、あの古代古之書であった。

そして徳田原は言った。「貴方はデモクリトスの聖典はお読みになりましたね?」

デモクリトスの聖典、それはデモクリトス国家の国家建設の必要性を説いた、およそデモクリトス国家に関わる人なら一度は読めと言われる本である。
難解な書物で膨大なページ数に及ぶため、栗毛石のような人物でさえ、専門以外の部分は、概説書で済ましてしまうのだった。

栗毛石は言った。「はい、大体は・・・。」

栗毛石は徳田原の目を見た瞬間、この人物には及ばないと生まれつきのバランス感覚から下手に出ているのであった。
しかし徐々に彼は下手に出るというよりも一種の尊敬の気持ちでこの導師を敬う気持ちが芽生え始めていた。

徳田原は古代古之書を手渡しながら言った。
「この本は先の持つ意味から、後の持つ意味までを教えている。デモクリトスの聖典は、後の持つ意味を数字で説明している。」

いま、栗毛石は古代古之書を詳しく調べている。
栗毛石は、いま、まさにコペルニクス的に彼の持つ考えを転換しようとしていた。

BeAMan 22

音柱はノイローゼ気味であった。
そして、そのノイローゼとは決して嫌な気持ちなのではなく良い夢を見たときの朝のまどろみにも似た心地の良いノイローゼなのであった。
音柱はいつも愛する古都姫様の声を聴いていたのである。
おそらく、それは、ずっとまえから彼に聴こえていたと思われるのだが、それが意識として彼が認識できたのは、先のデモクリトス崩壊と時を前後させての事であった。
いや正確に言えばデモクリトス崩壊の頃はまだ古都姫様の声ではなく天の裁判所の裁判の様子が聴こえてきていたのだ。
そのときは、まだ、こんなに甘美な夢ではなく、その幻聴はタダの苦しみであった。
苦しみ以外の感情といえば、まさに世界がメラメラと燃えて行く、それが不思議と恍惚感をもって感じられたくらいで、言ってみれば、それは意識が焼かれる痛さと恍惚感であっただろう。
それから、やがて裁判は何処かへ消えうせ、最近では、いつも古都姫様の声が彼の味方になって御機嫌をとってくれるのだ。
赤ちゃんに戻ったような音柱は何も食べずに生きていく事が出来るのなら、ずっと、この夢の中で生きていたいと思うのであった。

栗毛石はこのような状態を次のように分析した。
人間には意識上に認識されてはいない情報が常に在る。
意識上まで認識される必要の無い情報は意識されない。
図地の分化でいう地となる。
しかし地は無意識の中で認識されている。
何を図とし、何を地とするのかは、その人の生活する文化、習慣が決めている。
その文化、習慣が破壊された時、それまで見えていなかった地の世界を垣間見る。
そして、地とは神々の世界である。
栗毛石は、音柱の状態を以上のように認識した。

その頃、世間では「解体新書は何の為、書かれたか?正解は売る為。その心は、買いたい新書。」とか、その手のJOKEが流行りだし、それを話す層が上流階級のインテリなのであった。
インテリが知識を放り出し、悪ぶったり実際悪くなったりと、綺麗だった花畑が少しずつ荒れ始めていた。
それは、綺麗だった夕暮れが、やがて闇の中へ吸い込まれていくようにデモクリトス崩壊とシンクロしていたのであった。

BeAMan 21

雫石温泉にようやく栗毛石と赤井が辿り着いた時、雫石温泉は或る噂に包まれていた。

日本の何処に在るか分からなかった、言い伝えだけだと赤井が思っていたその温泉はマスメディアの普及により、否が応でもその所在地を、栗毛石と赤井に告げてしまった。
それは、岩手県の雫石スキー場の近くである事は、いかにその言い伝えに興味の無かった赤井にとっても一目瞭然であった。

というのは、メディアは雫石スキー場での大会の天候不順に拠る開催の遅れを声高に御茶の間に告げていたからである。

二人は女性の裸が見る事ができるのであれば何処の温泉でも構わなかったのであるが、折角この際だから雫石温泉を訪ねる事にしたのである。

しかしその選択は、マスターベーションという人間にしかない高度な上部構造を経済学という土台で説明するべく、この温泉に立ち寄った栗毛石にとっては、幸か不幸か、彼の研究の根幹をまさにコペルニクス的に転換させてしまう事と相成ったのである。

ところで噂の中身であるがそれは一口に言ってしまえば「デモクリトリスも死んだ。」ということである。

それは、雫石温泉で公共浴場が営まれ始めて100年の記念祭が催されていた、まさにその年「デモクリトスは死んだ。」とこの温泉街で騒がれた噂に、まさに匹敵する噂であった。

また或る者は噂していた。「デモクリトリスは今まさに瀕死なのだ。」と。

そして、それらの噂はCFと美香との愛し合う気持ちと奇妙なシンクロを魅せて流れるのであった。

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