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実母が再婚するとなると、当然、
新しいく父親になる男性についての目は厳しくなるものだが、
私は少しも気にしていなかった。
だが、1年もたった頃には大っっっっ嫌いになっていた。
理由はいくつもあるが、とにかく、一般常識が通用しないのだ。
ストリートファイトも嫌だった〜〜。
前出の谷さんの伝記も、
読み物としては面白いが、身内としてはどうよ・・・という物が多い。
だが、ここでは、戦争体験に関係のある物だけ書く。
「神風特攻隊」なる方たちが、行きの燃料だげを積んで突撃した事を読んで、
涙ながらに父に聞いた時、父はにべもなく
「ああ、あいつらは下手だったんじゃ。下手は仕方ない。」と言った。
私は、全身の毛が逆立ちそうな怒りがこみ上げた。
命をかけて、国を守ろうと敵艦に突っ込む人を
「下手だから。俺は上手かったから帰りの燃料もあった。」
とは、なんていう言い草だろう!!!
私は、一事が万事、父のやる事なす事が気に入らなかった。
父が、知人以外の知らない朝鮮人をやけに嫌うのも嫌だった。
でも、大人になってから、孫に「神風特攻隊は下手だった」と言った時、
私は父の中の本当の気持ちが少し見えた。
そう思うしか、なかったんだな〜〜って。
特攻の前に、何人もの特攻隊員が
「塩川さん、明日、行くことになりました。よろしくお願いします。」
と、挨拶に来たそうだ。
「おう、任せとけ。俺が必ずお前らを敵艦まで連れていってやる。」
兄貴分の父は、きっとその時、本人たちにも
「まあ、お前らは下手だからしょうがないのう。」と、言った事だろう。
神風特攻隊の捨て身の攻撃は、最初こそうまくいったものの、
次第に敵艦にたどりつく前に迎撃される事が多くなった。
特攻隊にとって、せめて自分の命で敵艦にダメージを与えたかったわけで、
途中で撃沈されるのは何としても避けたかった。
そんな特攻隊にとって、敵機の前に立ちはだかって引きつけ、
自分たちを目的地まで守ってくれる父は、頼れる兄貴分だったのだろう。
そして、そんな人たちに「下手」と言い切る父もまた、
同じく命など、とうに捨てていた・・・という事だ。
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