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           第140回 直木賞受賞作  「利休にたずねよ」   山本兼一著



            おのれの美学だけで天下人・秀吉と対峙した男

                          千利休の鮮烈なる恋、そして死

                                             帯紙より
     


               
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   釜の湯音が、松籟のごとく響いている。

   瞼を閉じると、闇のなかに凛々しい女の顔がくっきりとうかんだ。

   あの日、女に茶を飲ませた。

   あれからだ、利休の茶の道が、寂とした異界に通じてしまったのは。  

                                           本文より



                
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心に残ったところを、書き記してみました



 *「死を賜る」 利休     天正19年(1591)2月28日  朝

                  京   聚楽第  利休屋敷   一畳半


         利休 切腹当日の一日・・・19歳のときの想い人の形見の香合を・・・・・


         利休の美を追求する天才的なこころ・・・秀吉さえも恐れをなした

 
  *「おごりをきわめ」 秀吉   利休 切腹の前日


       天下のすべてが、秀吉の掌にのっている。

       指一本うごかすだけで、あらゆるものが手に入る。

       人がひれ伏す。

       それなのに・・・・あの男。 天下にただ一人、あの男だけがわしを認めようとせぬ。


 *「ひょうげもの也」 古田織部


       茶の湯のくふうなら、織部はいつも心を尽くしている。

       利休に学びつつも一線を画し、大胆で雄渾な茶をこころがけてきた。

       利休はさりげない美しさを見つける天才である。

       織部は武家らしく大胆で動きのある茶をこころがけた

       利休とはちがう道を選んだ。

 *「木守」 徳川家康


       赤い肌に、おぼろな黒釉が刷いたようにかかっている・・・赤い今焼きの茶碗

       家康  「銘はなんというのかな」

       利休  「木守でございます」

       家康   「はて、銘の由来はなんであろう」

       利休   「他愛もないことでございます。
 
             長次郎の焼きました茶碗をいくつも並べ、

             弟子達に好きな物を選ばせたところ、これ一つが残りました」


 *「狂言の袴」   石田三成

             若くして、頭の切れる男

             秀吉に仕えながらも・・・・・

 
 *「うたかた」   利休

  
            茶の湯の神髄は、山里の雪間に芽吹いた草の命の輝きにある。

            丸くちいさな椿の蕾が秘めた命の強さにある。

            それは、恋の力にも似ているーーー。

            夏はいかにも涼しき様に、冬はいかにもあたたかなるように、

            水を運び、薪をとり、湯をわかし、茶をたてて、仏にそなえ、われものむ

            茶の湯の極致である。

            娘のおさん・・・利休の弟子・万代屋宗安の妻・・・の自殺

 *「ことしかぎりの」  宗恩

              
           宗恩の亡き夫・・・ 能楽の小鼓師 宮王三太夫

           利休の前妻が亡くなり、嫁として千家に迎えられて十年余り

           深い煩悩を抱えたままの日々


 *「西ヲ東ト」  山上宗二

           想ったままを口にしては家屋敷を召し上げられ、放逐される事たびたび

           ついには、秀吉の怒りをかって・・・・

           秀吉の命令により耳を削がれ、鼻を削がれ・・・頭上に白刃がひるがえった


 *「三毒の焔」  古渓宗陳

            大徳寺総見院(信長の菩提を弔う為に秀吉が建手た寺)の開山

            人の世には「三毒の焔」が燃え盛っている

            三毒・・・仏法が説く害毒で、貪欲、瞋恚、愚痴

                 すなわち、むさぼり、いかり、おろかさ、の三つ

            人の道を誤るのは、たいていこの三毒が原因である


 *「北野大茶会」  利休

            京の北野天満宮の松の林にびっしりと隙間無く、おびただしい茶の席

            1600席・・・趣向もしつらえもさまざま、侘び数寄の心があふれている

 
 *「黄金の茶室」  秀吉  利休

            黄金の茶の席は、憂き世とはまったくへだたった不可思議な異世界である

            利休・・・境の干魚商人千与四郎・・・宗易・・・

                 古渓宗陳より利休号をさずかる・・・「老古錘となりて禅に励め」

                 「鋭さも程ほどにせよ」・・・「利休」


 *「白い手」   あめや長次郎


            あめ色の釉薬を作って瓦を焼く職人

            利休のたっての頼みで茶碗を焼く事に・・・・

             緑釉の小壺・・・なかから紙に包まれた桜色の小指の爪が・・・

            「その白い指が持って、なお、毅然とゆるぎない茶碗を作ってください」と、


 *「もうひとりの女」  たえ

            干魚を商う千与四郎の妻


 *「恋」    千与四郎   19歳


           武野紹鴎からの預かりもの・・・・高麗から連れてこられた高貴な出の女

           与四郎の心はひかれていった

           真っ白な木槿の花を手折った・・・白い花も女も凛として美しかった

           舟で高麗に逃がす策を練る与四郎

           ついに追っての手が・・・何十人もの武者達に囲まれ・・・

           引き渡すのを拒み死を選ぶ女・・・茶をたて中に茶杓でほんのわずかの毒を・・

           女は、微笑みながら一息に呷った

           いつも、女の桜貝のような小指の爪と緑釉の小壺を懐に収めている


 *「夢のあとさき」  宗恩   利休 切腹の日


            仏間には宗恩とかめ・・利休がよそで生ませた子で、少庵の妻・・・がいる

            知らせを受けて一畳半の茶室へ向かう

            血の海に突っ伏している利休

            床には真っ白な木槿と緑釉の香合がおいてある

            夫の想い人の・・・・・

            手を高く上げ、庭の石灯籠に勢い良く投げつけた・・・音を立てて粉々に・・





 
  一気に読み終えて・・・・何故か心は爽やかで、穏やかでした

  一つの小説として読み、利休の壮絶な生涯の一部分を垣間見たことは

  これからの茶道を勉強していく上で、心に残るものが多々ありました



  心に残る本の一つです!!

閉じる コメント(18)

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茶の湯の神髄は 山里の とありますが何となく少し分ってきた感じがします
金箔のような きんきらきん好きな秀吉とは合わなかったのでしょうかね そこには育った環境の違いでしょうか
貧しく育ったひとは 全てを派手にしたがるの教えでしょうか?

2009/8/1(土) 午前 5:07 [ mas*hi*o*omur*ya ]

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mas*hi*o*omur*ya 様 おはよう御座います♪

「早寝 早起き は三文の徳」・・・だと思います!!

そうですね〜・・・・
育った環境は少なからずとも、その人をも左右するでしょうね
貧しい農家の生まれの秀吉が一代で天下人にのし上がる・・・
「美」へのとらえ方の違いも当然ですね

“花をのみ 待つらん人に 山里の 雪間の草の春を見せばや”

花や華やかなものばかりをすばらしいものと思っている人達に
雪間に春を待っている草の芽を見せてあげたい
それこそが、皆が待っている春・・・すばらしきもの・・・である

藤原家隆の歌にあるように、これこそが真の「美」なのでしょうね

朝早くから、ありがとう御座いました♪

2009/8/1(土) 午前 8:15 [ おけい ]

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伝説にいろどられた利休さん〜〜その一端を小説に・・・
なかなか面白いですねえ〜 華やかな茶から侘びた茶へ~~利休さんと秀吉~~の葛藤も歴史の中の一こま・・でしょうか

2009/8/1(土) 午前 9:23 ban**n55*003

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ばんさん様 おはよう御座います♪

色々な伝え方をされている千利休ですね
今の大河ドラマ「天地人」と重なって歴史上の人物が見えてきます
角度を違えて見ると、又、その人柄は違って見えてきます
それぞれの人が、自分流に受け止めればいいのですね!

2009/8/1(土) 午前 10:15 [ おけい ]

おはようございます。
「利休にたずねよ」読みたいと思って本屋さんや図書館にも行って見るのですがなかなか出会うことが出来ません。
気長に探してみます。

秀吉と価値観の違いから、あのような出来事が起こったのかも。しれませんね。

2009/8/2(日) 午前 7:56 すみれ

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私も、つい先日この本を読み終えて、いつか感想をアップしようかなあと思っていたところです。戦国の武将は大好きだったのです、利休に関してはお茶を始めるまで全く守備範囲外でした。しかし、今回この本を読んで凄く興味がわいてきました。

博多や箱崎宮など私のふるさとが出てきたのも興味深かったです。

2009/8/2(日) 午後 2:05 jtg1126

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すみれ様 こんにちは♪

今、話題の本ですからね〜
色々なとらえ方があり、賛否両論がありますが・・・
一読の価値はあると思います

2009/8/2(日) 午後 4:10 [ おけい ]

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じょういち様 こんにちは♪

そうですか〜、じょういち様も読まれたのですね!
フィクション、ノンフィクションの違いはあるのでしょうが・・・
登場人物のとらえ方が面白いですね
大河ドラマ「天地人」と重なって、面白く読ませて戴きました
色々と心に残る本でした!!
じょういち様の感想のアップを楽しみにしていま〜す♪

又々、松中さん・・・やってくれましたね〜♪♪

2009/8/2(日) 午後 4:25 [ おけい ]

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利休の生き方(大河で秀吉を見たとき仲代達也が演じてた)は
気に入ってました。描き方が良かったのかもしれませんが・・・

2009/8/2(日) 午後 7:06 [ k15suzu ]

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suzu様 今晩は☆

そうですね〜、その時の視点によって描き方が違うので・・・
ある時は、共鳴出来ても・・・
ある時は、反発してしまったりと・・・様々ですね!
その時、そのときを感じれば良いのでしょうか!?

2009/8/2(日) 午後 11:10 [ おけい ]

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課題図書として、登録させて頂きます^^。

2009/8/2(日) 午後 11:54 [ tat*ug3 ]

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tat*ug3様 おはよう御座います♪

小説の一つとして読むのも良いかも・・・♪
感想文を御願いしますネ

2009/8/3(月) 午前 7:58 [ おけい ]

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私も今読んでます。 まだ古田織部のところ・・・

2009/8/5(水) 午前 10:31 senkyouan

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senkyouan様 こんにちは♪

そうですか〜♪
引き込まれる様に読んでしまいました!
人柄の紹介が本によって違いますが・・・・・
こういう面もあったの!と意外な面の発見もあり
色々と考えさせられる本でした
続きをお楽しみに♪

2009/8/5(水) 午後 4:53 [ おけい ]

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私も、感想をアップしました。トラバさせて下さい。

2009/8/5(水) 午後 8:18 jtg1126

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じょういち様 今晩は☆

御感想文、拝読させていただきました!
やはり、2回目に突入ですか〜、私も2回目をじっくり読んでいます
登場人物の取り上げ方に興味を持ちました

利休の人間性・・・もっと追及してみたいと思っています♪

2009/8/5(水) 午後 9:09 [ おけい ]

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読んでみたくなりました♪

まわりで読まれた方多いですよ。

2009/8/6(木) 午前 11:28 かれん

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かれん様 いつもありがとう御座います♪

そうですね、話題の本ですものね!
フィクション、ノンフィクションにこだわらず
利休とかかわりのあった人物像をバックに
利休の壮絶な人生の一部を知る事が出来た本でした!!

2009/8/6(木) 午後 5:19 [ おけい ]

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