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最近、ほんとうに殺伐とした事件ばかり見聞きし、切なく、胸が裂かれるような苦しさや虚しさを覚えることもしばしばです。
昔も、凶悪な事件は起きていたのでしょうが、人びとはもっと穏やかだった気がします。
こんなふうに昔を懐かしんでしまうのは、私が歳をとったせいでしょうか?
(でも私は、20代から歳を取らないことになっております。よって誕生日もなし 笑)
私が小さかったころ・・・昭和のある時代。田舎町のこと。時間がゆったりと流れていました。
祖父にくっついて理髪店に行くと、いつも10円をくれたお店のおばさん。
あとで飴でも買いなさいとやさしく微笑んでくれました。
給食を残すと必ず全部食べるまで残された小学校時代。
偏食の私は、よくお昼休みじゅう給食と格闘しました。しばらく経つと、それを見ていた男の子たちが、嫌いなものを食べてくれるようになりました。
(※今でも世界では1日に1回も食べられないような子供たちがいるのに本当に申し訳ない思いですが、当時の私には辛いことでした)
学校を休むと、どんな生徒にもパンとプリントを持って来てくれた先生。あの時代は、まだ先生も余裕の時間がありました。先生と生徒の結びつきも深かったように思います。
道路を歩けば、近所のおじさんやおばさんが「元気か?」「勉強しよるか?」と声がかかりました。
ごく普通の光景でした。
こんな時代の、どこにでもあるシーンを切り取った短編の小説があります。
===★★★★★'''「小さな町の風景」杉みき子著'''★★★★★===
中学以上向きの本ですが、大人の読み手が多い作品です。赤い鳥文学賞にも輝いていますが・・・
''その中の一編に「夜のくだもの屋」という作品があります。''
――女学生は、合唱部の練習のために夜遅くまで練習がありました。
真っ暗な中を毎日帰宅する少女のために、通り道にあるくだもの屋さんが人知れずオレンジ色の灯をともし続ける・・・・それだけの話です。
あとで、少女もくだもの屋さんの好意を知る事になりますが、話はたんたんと終わっています。
何のことはない、ごく普通の出来事を綴っているだけなのですが、杉さんという書き手のやさしさによるものか、独特のワビサビ視線によるものなのか、愛情に溢れた心あたたまる珠玉の内容です。
「夜のくだもの屋」は、わずか5ページの短編。文にまったく無駄がないのも特徴です。
こんな物語が45編入っています。
心乱れたり、嫌な気持ちになった日に読むと、気持ちがスッと晴れてくるような作品ばかりです。
悲しい内容でも、なぜか杉さんの文は暗さがなく、媚びてもいません。
この本、1982年に出版されたときは、当然、ヤングアダルトのための本でしたが、今は、むしろ大人のための本だと感じます。
興味がある方は、一度読まれてはいかがでしょうか。
ドラマチックさなどはありませんが、叙情性ゆたかな一冊です。
それにしても表紙が物語っていますよね〜。
今どき〜??? という印象。とても、今、本屋さんで手に取りたいとは思えない表紙ですが、
内容は素晴らしいんです。
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mayさん、お疲れのところ、コメントをありがとうございます^^
どれも、5〜7Pくらいの短編です。
実は、現在は、ほとんどが大人の読者です。どの作品も、ゆったりして珠玉のものばかり。寝る前にちょっと読むのに最適です。語りは10代でも読めるように平易ですし。
でも、mayさん、お身体はお大事に。無理しないでねっ!
2007/7/6(金) 午後 10:52
幼少の頃を思い出します。昭和の原風景とでもいうのでしょうか?
時間がう〜〜んとゆっくり流れていました。。
「青春18切符」でも買って・・ふら〜っと出かけることができたらいいな〜〜(いかん、現実は・・・隣国に向いてばっかり・・汗)
2007/7/6(金) 午後 11:20
シニョンさん、毎日が激動の日々ですよね〜。私もです。
ヨンジュンさんに出会ってからノンストップだし(ぷぷ)。
たまに、ふと、立ち止まりたくなると、読みたくなる本です。
シニョンさんは一日ぐーたらするなんてことなさそうですよね。
全部に全力投球だなぁ、凄いなぁ、って。
ヨンジュンさんファンは皆さんですけれど・・・
時には、なぁんにも考えない時間、息抜きも取ってくださいねっ。
2007/7/6(金) 午後 11:51
今日今から本屋に行きますのであれば立ち読みしてみます。
私も今週は疲れております。(笑)
2007/7/7(土) 午後 0:05
寝る前に読むのに丁度よい感じですね。いま、マスターキートンを読んでますから、これが終わったら。くまびー。
2007/7/7(土) 午後 3:29 [ pkr*b56* ]
ナオさん、こんにちは〜。十分、立ち読みできそうです(笑)。
早い人なら30分〜あればOKです。
季節のせいでしょうか、疲れがいつもより増す感じですよね。
御身体、ご自愛ください。
蛇足ですが、
●一定のある位置からしか見えない美しい峰の風景を老人が少年に伝えて、心の財産としてその少年に譲る話
●時計を売る店の常に再生する無限の時の新しさを歳をとらないおじさんと少年の会話で味わい深く描いた話
など多くの感銘に出会えるかもしれません。
もしかすると、図書館のほうが早く手に入るかもしれません。
2007/7/7(土) 午後 3:35
わぉ、くまびーさん、どうやら同じくらいの時刻に書き込んでいたようです。何だか嬉しい^^
マスターキートン(面白いですよね)とちょっと趣が違いますが、私たちのDNAのような心象風景に出会える感じでしょうか?
体験したことがなくても懐かしく穏やかな雰囲気に包まれます。
2007/7/7(土) 午後 3:41
まさにその通りですよね。ヒトも親切で楽しいご近所付き合いもあって...穏やかでヒトが助け合いを出来る素晴らしい時代でした。あのステキだった昭和のような時代はもう戻ってこないのでしょうか。
2007/7/7(土) 午後 6:56
チェリーさんは、まさにそんな絆の時代の素敵なブログを展開されていららっしゃいますよね〜。いつもお世話になっております。
ホントにご近所づきあいも、薄れてしまいましたよね。そして、歌などにも皆で盛り上がれるワクワクするような歌詞やドキドキするような曲が少なくなってきたような気もします。昭和・・・何か輝いていたと思うのは私だけではない気がいたします。
お忙しい中、ご訪問をありがとうございました。
2007/7/7(土) 午後 9:40
御察しの通りで近所の大型のツタヤにはありませんでした。
せっかくですので又探してみます。
図書館で借りるのもいいですね。
2週間借りれますし子供にも読ませられますからね。
2007/7/7(土) 午後 9:50
ナオさ〜ん、すみませんでした。やっぱりですよね。早くコメントしておけばよかったのですが。。。この本は、現役なのですが、知る人ぞ知る存在なので、大型店にもない場合があります^^; 毎日、溢れるほどの新刊本が出ているので出版業界も、品揃えが・・・めまぐるしいですよね。有名作家のものではないので、あちこちにおかれていないのが残念です。
中学生以上のお子さんならひとりで読めますし、それ以下なら、読んで聞かせてあげてもいいかも〜。ほんとは、子供たちにも読んでほしいですが、この本、いつの間にか大人の本になってしまいました・・・
2007/7/7(土) 午後 10:06
表紙にクレジットされている『佐藤 忠良』先生。プロフィールが彫刻家で東北出身、もしくは北海道育ち、東京芸大出身したら、お話したことがあります。そして握手して貰ったこともあります。素朴な職人さんのイメージでしたよ。
間違っていたら、知ったかぶりのアホと思ってスルーして下さい。同姓同名です。
2007/7/9(月) 午後 8:17 [ チェブ ]
チェブさん、こんばんは! そうです。たぶんその方に間違いないと思います。「さとうちゅうりょう」先生ですよね。東北の宮城のご出身で北海道で幼少期を過ごされています。
著者の杉さんが新潟のご出身(現在も)で、何か交友関係があったのかもしれません。握手もされたのですか? いいですねぇ。美術家の方は、往々にしてユニークで素敵な方が多いです。絵も素朴な感じでお人柄が忍ばれます。スルーなんてとんでもありません^^ コメントをありがとうございました。とても嬉しいです。
2007/7/9(月) 午後 8:36
お金の話で下品ですが、佐藤忠良先生が日本で一番値段の高い彫刻作品を制作するのですよ(10年前の知識)。先生が私に語った言葉で今でも思い出すのは「チェブ君!彫刻は腰だよ!」です。気難しいところもありますが、愛弟子の笹戸千津子先生が来ると滅茶苦茶ご機嫌になります。
2007/7/9(月) 午後 8:57 [ チェブ ]
へぇ、そんなに偉い先生だったんですか。これはまた、失礼いたしました。
>とても、今、本屋さんで手に取りたいとは思えない表紙ですが、
なんて、穴があったら入りたくなるようなことを書いてしまいました。先生に申し訳ないです。知らないってことは、恐ろしいですね。ただ、最近の、目立てば良しのような装丁が多い中で、地味&滋味な表紙の雰囲気では、なかなか手にとってもらえないかも〜と感じまして。
ところで、チェブさんも芸術家さんですか? 「彫刻は腰」・・含蓄のあるお言葉です。以前、現代アートの元永定正先生にお会いしたとき、「絵は馬鹿じゃなきゃ描けないよ」といわれました。こちらも哲学的なお言葉でした。元永先生もそうですが、女性(特に愛弟子さん?)に弱いのはどなたも同じようですね。人間的で魅力的です^^
2007/7/9(月) 午後 9:07
いえいえ、芸術家なはずはありません。ただ、彫刻取り扱いでは日本で一番の美術商で働いていた経験があるだけです。それ故、会社の看板で忠良先生に会えるわけなのです。
勿論、雰囲気・魅力はありますよ。商売よりも作家に会うのが楽しいですね。よく「画家(がか)じゃ無くて馬鹿(ばか)」なんて駄洒落がありますね。本当、言葉で表現できないでしょう。言葉で語りつくせる境界の向こう側の世界です。keiyuさんも美術に興味があるのですね。
2007/7/9(月) 午後 10:33 [ チェブ ]
チェブさんは・・・アートコンサルタントでいらっしゃったのですね。非常に皆さんが羨むような、狭き門の世界にお入りになっていたんですね〜〜。
私は美術に関してはほとんど門外漢です。ただ、昔、新劇をやっておりました関係上、芸術(美術・音楽・舞踏など)に親しむべしと教えられました。とはいえ、当時はまったくの不勉強で。その後、ほんの少しだけ前進した程度で、まだまだ初心者の域です。
私には奥が深すぎて。。。なかなか近づけません。
2007/7/9(月) 午後 10:51
あ〜いいですね、こういう本今とても読みたい気分ですよ。
私も毎日の殺伐したニュースには本当に心を痛めています。
エゴがうずまく社会。一番心が痛いのは「いじめ」問題です。教育問題に興味があるものですから・・・・人の心の痛みに鈍感な人が増えているのでしょうか。
ちなみにかに座って感受性強いみたいですね(笑)
2007/7/13(金) 午後 10:50 [ fuyuka ]
fuyukaさん、ぜひこの本、おすすめします。
文は平易だし、短編ばかりだし。2Pの作品もあるんです。
気持ちがやわらかくなるような本ですよ。
この作品は、小難しく考えないで読めるもので、意外と好みに関係なく、ほっとできる内容だと思います。
たくさんの少年少女の主人公が登場しますが(中学生以上が中心)いじめとは無縁の世界が広がっていますね。
感受性? 今の社会にいると、みんな感じやすくなっているかもですねぇ^^ 蟹座は母性の星座といわれますが、私の場合、もっと育てなきゃと思ってます。fuyukaさんは、十分育っているから、そろそろ・・・^^
2007/7/13(金) 午後 11:45
ところで、fuyukaさんは教育問題に興味があるの?
私は、少しだけ首を突っ込んでいます。
かい間見るだけですが(PTAなどではないので、目線がまた違うかもしれませんが・・・)
子供たちひとりひとりを見てると純真な子達が少なくないのだけれど・・・流される子も多いですねぇ。
やっぱり、大人たちに責任があると痛切に感じます。
2007/7/13(金) 午後 11:57