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以前から、うっすらと感じていたことを、ちょっと記しておきたいと思います。
タイトル・・・・ちょっと大きく出てしまいましたでしょうか・・・^^;
日本が誇る文化のひとつに能があり、それを世阿弥が確立したというのは、皆様もご存知の通りです。
当ブログでは、たびたび世阿弥が出てきていると思いますが、
やはりこの人の書き記したものは凄いといつも感じるのです。
なぜならば、自分の言葉で(造語まで作り上げて)世界初の演劇評論書・指南書を残しただけでなく、
それが現代まで通じる内容だった点、
また、その内容は芸能だけでなく、今を生きる私たちの人生書にまでなっている点だと思うわけです。
いえ、それ以上に、世阿弥の功績は、能を世界的な地位まで確立させた部分でしょう。
能という芸能にブランドイメージを与えたわけです。
そのイメージの筆頭が「幽玄」です。
「幽玄」は能のためにある言葉となって、しかも多くの人がこの言葉をなんとなく頭に思い描き、使っています。
たとえば、風景が幽玄だ・・・というとき、能の幽玄を知らず知らずのうちにイメージしているに違いありません。
世阿弥は「花鏡」の中で、こんなことを言っています。
★ことさら当芸において、幽玄の風体第一とせり
(とりわけ能では、幽玄の姿であることがまず第一に大事なものである)
このブランドイメージを世阿弥は一代で確立しました。
老人であろうと青年であろうと、そこには幽玄がある。花が散る姿は美しい。その姿が老人の幽玄である。花はしおれるから美しいのだ。
余談ですが、日本ほど、老齢さに美を見出す国はなく、高齢の役者に素晴らしさを感じるのはわが国の特性でもあります。これも、実は、世阿弥のこの文化の思考があるためだと言われています。
話を元に戻しまして・・・・花が散っていくときに、美しいといわせるものがなければ、幽玄ではない。つまり、芸術として完成していない。
このブランドイメージこそ、武家の保護も受けることができた理由だと言われています。
とはいえ、ただ美しいだけの能はダメで、そこに強さも必要だと世阿弥は言います。
能は、言葉を謡い、舞を舞い、楽器を奏で、あらゆる芸術を美まで昇華させて集約させた総合芸術でした。つまり、美の結晶であったわけです。
そこに、能の価値が生まれました。他の芸術よりも抜きん出たものとしての価値が生まれたのです。
しかも、世阿弥はそこに「口伝」を創造しました。自分の家に代々伝えていく「秘すれば花」。
家元制度の発明です。
美しさの価値は、この制度によって神秘化され、権威づけられていったのです。
本来、世阿弥にとって勝負に勝つための方法だったこの手法が、意図せず、ブランド・イメージになったということかもしれません。もちろん、600年以上という伝統に培われたものもありますが、何よりも世阿弥が果たしたことは大変な偉業なのです。
(とはいえ、現在、能が退屈だ・・という人も少なくありませんよね。これも、実は、世阿弥が創り上げてしまったものでもあります^^;)
★★★実は、私メがここで本当に言いたかったのは、世阿弥のことではありません。★★★
前置きが長いのが私メのクセですが、このブランド・イメージで、ちょっと頭をかすめたのがぺ・ヨンジュンです。
日本でのぺ・ヨンジュンのイメージはさておき^^;、(日本ではちょっと違うイメージでしょうから)
韓国では大変、高級なイメージを保っている彼。
私生活をほとんど露出せず、インタビューにも出ず、CM以外では作品でしか登場しないぺ・ヨンジュン。これは、デビューからあまり変わっていません。
その彼が、ここ最近、動きを見せていたのは・・・・文化的なものへのアクセスでした。
書籍に挑む。
しかも、韓国文化を追う。
これは、彼の本がいわゆるタレント本と趣を異にするところです。
食に関しても伝統を重んじている部分、結構、多いですよね。
また、俳優が個人事務所を持ち、軌道に乗せたのはぺ・ヨンジュンが初めてでした。
韓国では、俳優が企業家としての顔を持つというケースは多いものの、文化人として活躍するというのは、そんなにいないのではないか? とも思うのですが(韓国の芸能を知り尽くしているわけではありません。間違っていたら、ご指摘ください)、中でも第一線級の俳優がここまで打ち込んで(俳優を休んでまでも)というのは、珍しいと思います。
注:※なお、韓国において、俳優が大学教授として演技論を教えるのは、すでに確立されております。
日本にもいないわけではありませんが、ぺ・ヨンジュンくらいのネームバリューで、【俳優を休んでまで】文化的な活動をしている方々も、そんなに多くはありません。また、俳優からの転身組は、多数、いらっしゃいますが、再度、第一線で活動している人は本当にひと握りです。
黒柳徹子さん(世界的ボランティア)
三國連太郎さん(作家)
片岡 鶴太郎さん(画家)
故・岸田今日子さん(絵本作家)など・・・ここに名前をあげた方は、皆様、俳優を休んで、それに情熱を傾けた人たちです。
つまり、韓国において、【俳優】という職業を通しつつも、まだまだ差別の残る韓国での俳優という地位から、文化面まで高めるイメージを確立しつつあることは(今は、まだなんともいえませんが)、特筆すべきではないかと思ったりするのです。
ぺ・ヨンジュンがこの先、どこへ向かっていくのかはわかりません。
もちろん、今後、また俳優としても活躍するだろうことは間違いありませんが、
本人が意図したかどうかは別にしても、確実にぺ・ヨンジュンは、ぺ・ヨンジュン自身のブランド・イメージを確立しつつあるようにも思えるのです。
いろんな意味で、これまでの俳優とはちょっと違う・・というイメージを抱かせるぺ・ヨンジュン。韓国において、いえ、アジア的に見ても、非常に面白い存在であることは確かだと思います。
世界的に認められている文化の象徴のあの「能」と並べるなんて・・・とおっしゃられる方もいらっしゃると思います。
あくまで私メのインスピレーションから発想したものであり、とても個人的な言い分なので、ご容赦くださいますよう。お願い申し上げますm(_)m
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