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上海万博開催時、私が従事した国家電網館の接遇で困ったことがあった。
博覧会開幕前、プレビューが開始される迄、接遇スタッフには日本では考えられないほどの研修期間があり、日本式の接客行為が繰り返しトレーニングされ、最初はぎこちないお辞儀も日本の博覧会で見られるような丁寧なお辞儀になり、姿勢も見違えるほど美しくなった。
ところが、プレビュー期間に北京から国営企業を、監理監督する政府直轄組織の高官が来館されることになり、急遽パビリオン前でのお出迎えや、館内のご案内をすることになり、リハーサルを何度も、何日も繰り返し、当日の朝を迎えた。この視察は、日本では考えられないほど中国共産党の組織ヒエラルキーから考えると重要な行事だった。
VIPが来館される迄のわずかな時間に、北京からの館長による最後のリハーサルチェックとなり、何度も練習したお出迎えの最終リハーサルを行った。
私的には、急遽準備した割には、スタッフ皆んなの努力もあり、かなりいい出来に仕上がったと思った。
しかし、館長からNGが出た。日本式の深々としたお辞儀は、少し慇懃な態度にも見え、なんとなく中国では受け入れにくいと。
急遽、私は考え方を変更し、今までトレーニングしてきた日本式の出迎え方を変え、中国のテレビニュースで政府の高官たちを出迎える場面でよく見られるような、盛大な拍手と笑顔、そして元気な声で歓迎の言葉を発するというものに。そしてOKが出た。
そのあと、一時間も経たないうちに、VIPのご一行が我々の館に到着し、中国式の歓迎を実施した。
結果的に、非常に自然でなごやか、そして心からの歓迎の雰囲気が出た良いウェルカムセレモニーになった。
その後、この経験を活かし、博覧会開幕後も、形式や様式よりも笑顔を重視した接遇に切り替えた。
特に高齢の来館者を見れば、遠方から来てくれた自分の祖父母と思い、家族連れの来館者は、自分の家族、親戚のおばさん、おじさんと思いながら、笑顔を絶やさず来場者に接しようと全スタッフに指示した。
六か月の長きに渡り、スタッフたちはそんな思いを維持しながらパビリオンを運営し、我が館来場者総数500万人に接遇してくれたと誇りに思っている。おもてなしに、心からの笑顔に勝るものは無いと再認識した。

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Prof.Murakami
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