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日本で博覧会を開催する場合は、開催事務局が設置する落し物センターと各パビリオン毎に設置する案内所を兼ねた落し物センターが通常はある。
当然、実施計画の際に我が国家電網館にも設置すべく配置計画をし、施設の設計に取り掛かった。 ところが、幹部会議の席でパビリオン責任者の幹部から不要論があがった。 私は、博覧会では多くの不特定多数の来館があり、会期半年の開催中には、小さいものではハンカチ、雨の日には傘、現金など様々な落し物が発生し観客サービスの面からも必要な施設である事を再三に渡って説得したが、結論が出ず、後日再調整になった。 再度打合せの会議の場でも、説得は難しく、中国の慣習よろしくトップの意思が硬い場合はその指示にしたがった。ただし、施設は設置しない代わりに、落し物があればスタッフが対応し、事務局設置の落し物センターを最大限活用するオペレーションを徹底する運営を追加した。 結局、六ヶ月の会期で500万人を超える来館者を迎えるに至ったが、落し物はハンカチ一枚、傘一本届かなかった。 落し物がなかったわけではなく、 届かなかったのである。 日本と違い、ふだんの街中でも落し物を警察に届ける様な習慣がないという事を、後で知った。日本の様に、落し物を拾って届けた人へ謝礼を渡すルールも無い中国では、拾ったものを隠匿しても罪悪感もなく、ラッキーといったところだ。 所変われば何とやら、である。 |
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