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郷に入っては郷に従え!
テーマ:上海熊のイベント塾

上海万博を経験して、今更ながら学習した事が沢山あった。
中でも、普段イベントを計画したり運営する場合、当たり前に思っているような事が、以外に理解されなかったことである。
一例をあげると、万博期間中は、上海の蒸し暑さの真っ只中。外気温は地表近くでは、45度越す照り返しがあった。
コンパニオンや誘導員、警備員等のお客さんと直接接するスタッフ達の足元には、中国では当たり前の個人用の水筒(白湯やお茶が入っている)が置かれている。ほぼ例外無くスタッフの足下には様々な色や形の水筒が無造作に置かれ、お客さんの前でも平気でその水筒で喉を潤していたのだ。
当然、日本の運営感覚で云うとお客さんの前ではやってはならない行為だ。
現場で気がつくと、注意をした。お客さんの前では、やめて控室やバックヤードで喉を潤すように。
しかし、改善が見られない。そこで、ディレクター会議の際に、十数人のディレクターに何故改善を求めているかをわかりやすく話して改善を求めた。
私は、運営におけるサービスの基本は、『お客さんが不快に思う事はしない、快適に過ごせる手助けをする』という、非常にシンプルな指針である。
この考え方でいうと、スタッフがお客さんの前で平気で水筒から水を飲んだり、足下に水筒が転がっている状況は、お客さんから見ると不快な光景である、と。だから、やめようと。
しかし、複数のディレクターから意見が出た。当然中国国有企業館なので、私以外の300人程のスタッフは全員中国人でエリート中国共産党員が殆どある。ディレクターも全員中国人。
彼らの口から発せられたのは、先生が言っている意味はしっかり理解出来ます。しかし、中国人のお客さんで、この光景に不快感をもつ人は一人も居ないと思います。何故なら、その光景は中国の日常で、街中のデパート、飲食店、等何処でも普通に見かける光景だからです、と。
これを聞いて、なるほどと思った。日本のルールがすべてでは無い。ここは中国、上海だった。
ディレクターの意見に納得はしたが、日本の運営の様に厳格に規制しないけれど、中国初めての国際博覧会の会場運営として、飲む時は、お客さんに目立たないように、そして足下に置く場合は、後方や目立た無い場所に置くように、その程度の配慮は努力してやって行こうと指示した。
日本だと、問題かもしれないが、その話し合い以降、皆が少し気を付けて、私が見ても不快だと思わないくらい改善された。
どこに行っても、基本は有るけれど、郷に入っては郷に従え!をこちらも意識する必要が有ると思う。

取らぬ狸の皮算用

ガンバ大阪のプロデューサー時代に、Jリーグ発足の翌年、アメリカで開催されたワールドカップの視察に出張する事があった。
その際、ニューヨークで大リーグの関連会社で、メジャーリーグプロパティーズという会社のブレックファーストミーティングに参加する機会を得た。

当時、Jリーグ開幕後のブームの真っ只中、チケットが発売開始30分程度で予約販売が完売する様な状況だった。

会議の中で、様々なプロスポーツの営業やマーケティングの方法を教示頂き、大変有意義な場だった。

中でも、私がブーム真っ只中でのチケット販売や座席のブロック割による、販売価格の話をした際に、ハッキリと否定された事だった。

私の考え方のベクトルは、知らず知らずの内にチームの合理的な販売に傾き、リーグ→チーム→観客の順に物事を考えていた。
それを聞いた社長は、ボードに突然図を書き始めた。
その図は、私が何の疑問も持たずに考えていたものと、正反対のものだった。
最上段に観客→チーム→リーグが描かれ、説明が始まった。
詳細は多岐に渡ったので割愛するが、要するに主催する側の都合や合理的な手法を優先すればする程、多用な観客のニーズから乖離し、人気の凋落、観客数の減少、収入の減収に繋がるというものだった。
例えば、チケットの販売や種類を検討する場合でも、職業による休日、多民族国家ならではの、チーム在籍選手の出身国、収入格差、祝日等で観客の側から見て購入し易いチケットの種類を多用に販売していた。
ところが、私が考えていたのは、チケットの種類を出来るだけ少なくしたり、管理や印刷経費の削減を全面に考えていた。

担当者が語ったのはごくシンプルなものだった。
“売れなければ、何の意味もない、お客様に買って貰える工夫をし、そのために汗を流し、工夫し、労力をかけるのは、当たり前だ”

要するに、机上で合理的な事だけ会社の為に考えても、売れなければ何の意味もない。
“取らぬ狸の皮算用”という事だ!

イベントの協賛依頼

イベントの開催予算には自主財源以外に入場料収入や各種の営業収入が含まれる。
営業収入には、出展料、出店料、営業歩合、駐車場収入などの他に広告協賛などが含まれる。

現在は21世紀に入って久しいが、特に出展や広告協賛については古き(良き)日本のルールが全国どこで開催されても残っている。

全国津々浦々の神社で開催される伝統的なお祭りでは、氏子を中心に地域の有力な企業、団体に奉加帳が回り、各々が寄進したお金が運営に使われる。
これは、氏子の義務にも近いもので、相応の寄進が集まる。

博覧会や大型イベントの開催でも同じような協力があって、事業として成り立っている。

昨今の景気の悪さや、イベントでの企業広告の効果の低下の中、開催事務局が協賛をお願いするのは、並大抵の努力ではない。
協賛する側も厳しい経済状況の中から、かなりの無理をして協力することになる。

普通は、地域の祭礼と同じで、リーディングカンパニーが協賛した金額をベースに、各協賛企業が金額を想定して協力するのが大体の流れである。

私が若いころ経験した博覧会で一度このルールをやむ追えず事務局が破った事がある。
色々な事情の中で、地域1でなく2の大手企業に先に協賛決定の手続きをしてしまったのである。
結果何が起こったかというと、事務局が想定していた協賛の上限が下回り、総合的な協賛総額も下がったのである。
その上、No2が先行したために、N01企業の心象を悪くさせ、開催間近になるまで、協賛の調整がもつれることになってしまった。

どんなに、近代国家になっても、日本には眼に見えない、ジャパンルールが、現在でも存在するのである。
この件に限らず、どこにも書いてないような、ルールが地域、業種によって明らかに存在する。経験者や年長者の体験や助言は大切にしていきたい。
たかがイベント、されどイベント!
この言葉は結構深く、重い。
私たち、イベントを創る側にいる人間は、常に考えないといけない言葉だ。
博覧会を創っても、集客イベントを創っても、意外に施主はたかがイベントと思っている事が多い。
博覧会なら、建築を判っている担当者は、しょせん仮設建築、いつもよく似た仮設パビリオンだから、設計も施工も本設のものより簡単で、短期間に出来ると甘く考えている場合がある。
予算にしても、役所から出向してきている人の中には、いつももっと大きな予算を切り盛りしているから、この位・・・と思っている人もいる。
しかし、大型テントや膜構造物だから建築基準法、消防法がすごくゆるく緩和されているわけではない。
飲食が伴えば食品衛生法、会場内の混雑には警察の雑踏指導、周辺の予想される交通渋滞には、当然交通輸送計画と、様々な法律の中で期間限定のイベントを計画実施する。
一見すると期間限定のお祭りをするのだから、我々をお祭り屋や興行屋のようにみる施主もいる。
要するに、多少軽く見たり、いいかげんな業界と見るのである。
はたして、現実はどうか?
我々は、自分たちの仕事に誇りを持ち、様々な法律の制約の中から、お客さんに喜ばれるイベントを誠実に創り上げるプロの集団である。
業界の中には、様々な考えや、色々な人がいる。
中には、いいかげんな事をする人達も。
そんな人はどんな業界にもいる。私たちの業界が軽んじられることなく、正当に社会から評価されるためにも、一人ひとりが誠実に仕事をやっていきたい。

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