上海熊のイベント塾

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イベントを開催した場合、VIPを含めて来場者に関するカテゴリーが様々に定義分類される。
特別接遇対象で言うと、SVIP,VIP,IPの三分類で、これを接遇方法や対応、記念品などの内容でまた分類する。
VIPに関しては主催者や国柄、慣例によって考え方もまちまちである。

日本では席の順番や、読み上げ順等様々なルールがある上、行政が関係すると、また順番のルールがあったりする。
日本で長蛇の列がある人気パビリオンにVIPを優先入場していただくと、待っているお客さんの中には納得できずに苦情を言う方もいらっしゃる。
最近は、VIPが入場する入口を一般の入り口と分け、待ち列からはブラインドになるように計画している場合が多く見られる。

東京ディズニーランドの開業の際は、日本では当たり前だが、出資者や親会社の来賓者が来賓として胸に胸章をし、セレモニーに参加しようとする姿に、米国ディズニーの関係者からクレームが入ったという逸話もある。
ディズニーにおいては、すべての来場者が「ゲスト」であり、関係者はすべてが「キャスト」である。原則的にその関係以外に特別なVIPが存在しないのである。わかりやすい考え方である。

お隣の国、中国ではVIPと一般がはっきり区別されることは当たり前の事であり、日常的な事だ。
空港、レストラン、銀行等、どんな所にも存在する区別である。
上海万博のパビリオン運営をしても、博覧会事務局からのVIP、館独自のVIP、館どうしのVIP等数え上げればきりがないほどのVIPである。
ほとんどのパビリオンにおいてVIP専用入り口が設置されていたが、あの猛暑の中、長蛇の列に並んでいたお客さんから、大問題になるような苦情はほとんど発生しなかった。

このように、主催するイベントの内容、主催者の考え方、国柄、社会通念等を考慮しながら、VIPの接遇、対応には配慮したい。

また、最近ではハンディキャップを持った方(障害者、高齢者、妊産婦、乳児を伴う女性、幼児、外国人等々)への配慮も重要な課題となっている。
博覧会や展示会で展示を計画する場合、観覧想定層に対して、どの程度の表現内容にするのかは、大切且難しい問題だ。
専門家だけが集う展示会やトレードショーは目的がはっきりしている上、観覧対象層も明確な為、展示物や表記、説明も自ずと専門的になる。
しかし、一般的に老若男女がランダムに来場予想されるイベントの場合は、意外に説明表現をどのレベルで統一すべきか迷う所である。
博覧会では、一つの目安がある。
小学校の中学年〜高学年の生徒に興味を持って、理解される内容や表現に統一するのである。
言葉の内容が理解しやすいか、漢字のふりがなは適切か、等々。
この辺りで表現をまとめれば、幼稚でも無く、かと言って難解でも無く、意外と子供から年配の方迄、理解されやすい展示になるのである。
イベントを創り上げる際、ついつい枝葉の剪定に気を取られ、何の樹を植えたのかを忘れ、しっかりした幹を育てる事を忘れたかの様な準備作業を見かける事がある。
一見すると、わかりやすく、取り組みやすそうに見える枝葉の剪定作業に関わると、自分なりのやってる感、作業の進展を感じてしまう。
しかし、植木がそうである様に、しっかり幹を育て、枝葉が繁ったところで、剪定し枝ぶりの良い、全体のバランスがとれた剪定を行なう方が、間違いや、作業工程の遅延が起こる事が少ない。
イベントの準備作業も、まずしっかりした方針、指針を明確化する。ここで手を抜いたり、形式的な方針、指針を作るので無く、時間をかけてでも創り上げる事が出来れば、実はその後、判断、選択の連続作業である実施計画、実施準備をする上で、極めて的確で効率の良い作業をする事ができる。
森を見て樹を見ないのも問題だが、剪定に気を取られ過ぎて、幹を育てる事を忘れるのも大問題だ。

錯覚とサービス


巨大テーマパークには、観客サービスの為に人間の錯覚を利用した工夫がいくつも見られる。
例えば、ディズニーランド。
正面ゲートからシンデレラ城迄の道は、絵画の遠近法を利用して、僅かに道幅が城に近づくに連れて狭くなっている。当然ゲート側にあるマーケットゾーンの建物の外装も階高が1Fから2F.3Fになるに連れ低く造作されている。
まさに風景絵画を眺めたように奥行きが感じられる。
この効果は、来場者がパークの広さを実際のものより、もっと広く感じる事になる。広く感じさせるばかりで無く、実は遠くに感じる場所迄歩いた場合に思ったよりも意外と近くに感じると言う錯覚を起こすのである。
これは、広大な広さを誇るテーマパークで、来場者に対する精神的な疲労軽減に繋がるものである。
パビリオン前の蛇行並び列にも、待ち時間の精神的な軽減策が至る所に施されている。
錯覚は、サービスだけで無く、ショップにも利用されている。
先程のゲート側にあるマーケットゾーンは、外から見ると何店舗もの店が連なって居るように見えるが、ご存知のように、中に入ると大きな売り場が連なる一つの販売ゾーンである。
ところが、ヘビーリピーター以外のお客様は、一度外へ出ても、また違う入口からついつい中へ入ってしまう。結果、販売にも大きく貢献するのである。
博覧会やイベントでは、仮設、期間限定、予算規模などの制約から、恒久施設であるテーマパークの様な工夫をする事はなかなか難しいが、観客サービスの中で可能な施策は今後も検討、工夫していかなければならない。
イベントの制作にも理想と現実のバランスが大切だ。
まだ二十代の頃、大阪で開催された博覧会で初めてアシスタントプロデューサー兼催事ディレクターを任された時、今でもこの仕事をやっていく際に一つの制作指針となっている経験をした。

1970年の大阪万博の仕掛け人、作家、元大臣の堺屋太一先生のプロジェクト推進の在り方を間近に見聞きする事が出来た事だ。
基本構想が出来、実施計画をつくり、事務局総出で、具体的に作業を進めていく際に、先生は高い理想を掲げ、これでもか、これでもかと言うほどスタッフに限られた予算の中で、良きものを創り上げ、想像することを強要する。

この予算では絶対無理だと思うようなことを、平気で言ってくる。スタッフは、ない予算の中で、知恵を絞り、汗をかき、死に物狂いで要求される高き目標に届かそうとする努力を日々重ねる。
もうこれ以上は、絶対に無理だというようなところまで追いつめられたのを見るなり、非常に現実的なリアリストにかわる。
そこからは電光石火時間との勝負である。
この、理想と現実の切り替えが絶妙なのである。

知恵を絞り、汗をかき、死に物狂いで要求される高き目標に届かそうとする努力の結果が、限られた予算の中で出来うる最善の結果を生み出すのである。

私も出来るだけ見習おうと思いながら、もう六十前に。中々難しい。
いつになったら堺屋先生のような絶妙なタイミングを体得できるのやら。

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Prof.Murakami
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