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去年、夏期の最小面積が史上最も少なくなった北極海。去年のとけ方があまりにも飛び抜けていたため、今年は去年と比較するととけていません。それでも、観測史上6番目くらいの海氷面積の小ささになっています。
Credit: JAXA
動画で見ると、北極海の海氷面積が過去約30年でどれくらい小さくなったか、よくわかります。
このままのペースでとけ続けると、今世紀半ばには夏の北極海から氷が消えることになると言われています。そしてそれは、もう止めようがなく、確実に起こることだと。
そして、海氷面積と同じくらい重要なのが、海氷の体積で、たとえ面積が小さくなっても氷が厚ければまだいいんですが、ここ数年、冬の間に氷が成長しなくなってきています。
地球観測衛星「クリオサット2」は海氷の体積を測定することができます。その観測データで、今年4月の北極の海氷は、過去3年間の観測の中で最も薄い状態になってしまったそうです。
これも、動画で観る方がイメージしやすいと思います。
なんとか北極海を凍らせる方法はないんだろうか?(ない)
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異常気象も世界各地で顕著になり、先進国でもようやく少しだけ身近な問題として捉えられるようになってきた気候変動問題ですが、とっくの昔から遠い未来ではなく、今の世代の切実な問題として真剣に取り組んできた国々があります。
南太平洋に浮かぶ島しょ国たち。
千年単位の歴史を持ち、周りを海に囲まれた、小さな島が集まってできた国々にとって、気候変動問題は次世代とか来世紀とか悠長なことを言っていられない「危機」なんです。
南太平洋の島しょ国の多くは、島の最も高い場所で海抜数メートル。ツバルやマーシャル諸島などは、海抜1メートルから2メートルしかありません。
そんな島々が連なる南太平洋では、気候変動による海面上昇は、住む場所と一緒に民族の歴史や文化を奪うかもしれない問題なのです。
9月中に発表される、国連の気候変動に関する政府間パネル (IPCC) の第5次報告書の中では、海面は2100年までに最大0.9メートル上昇する可能性が示唆されています。でも、気候科学者たちはこの数字を「甘く見積もりすぎ」と批判しており、米海洋大気庁(NOAA)が設置した専門家による検討委員会は、最悪の場合、2100年までに最大で海面が2メートル上昇する可能性があると発表しました。
南太平洋諸島やインド洋に浮かぶモルディブなど、海抜が低い島を抱えている島しょ国にとって、90センチ、2メートルという数字は、国と文化の消滅を意味することになるんです。
それらの国々の温室効果ガス排出量なんて、先進国と比較したら微々たるもの。ないも同然です。それなのに、彼らは最初に気候変動の影響を最も受ける国々になってしまう可能性がかなり高いんです。
なにもしていないというのに。僕たち先進国の大量消費社会のせいで、人口数万人の島しょ国が先祖代々千年単位で受け継いできた土地を離れ、見知らぬ場所で暮らさなければいけないことになるかもしれないのです。
そんな太平洋の国々のリーダーたちが、今月(2013年9月)太平洋諸島フォーラムを開催し、気候変動問題への取り組みに並々ならぬ決意を表明しました。
4日間の会議で彼らは、気候変動問題解決への太平洋諸国の今後の具体的な取り組みを明記した「マジュロ宣言」を採択しました。
たった今から、国だけに限らず、個人レベルからできることをやって気候変動問題解決に向け、先進国をリーダーとしてついていくのではなく、太平洋諸国が世界のリーダーとなり、先進国がそのあとを追うように、まずは自分たちが行動を起こすんだという、これまでの発展途上国には見られなかった動きを見せてくれました。
マーシャル諸島で暮らすキャシーさんは、もしもマーシャル人がマーシャル諸島を離れることになるとすれば、それはただ土地をなくすだけではなく、マーシャル人としてのアイデンティティーと文化も一緒に失ってしまうと語っています。
そして、それを理由として、マーシャル諸島には急に海面が上昇した場合の避難計画がないそうです。
キャシーさんはこうも語りました。
「敗北を認めることになるから逃げない。私たちは、この島々なしでは存在し得ないんです」
同じ南太平洋に浮かぶ島しょ国、ツバルの人が「この島は遠い昔、私たちの先祖に神様が与えてくださったのだから、もしも島が沈むのだとすればそれも神様の思し召し。わたしは、島と一緒に沈むことを選びます」と話していたことを思い出します。
マジュロ宣言は、今月中に国連事務総長の潘基文氏の元に届けられます。
完全に停滞している気候変動対策への世界的な取り組みへの流れを、マジュロ宣言で一気に変えることができれば、という太平洋諸国の想いが届いてほしいと願わずにはいられません。 【参照】
Majuro Declaration for Climate Leadership (マジュロ宣言/PDF)
極地の解氷や海水温・面上昇、温暖化の強い証拠−国連報告草案|ブルームバーグ
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国連の気候変動に関する政府間パネル (IPCC) の第5次報告書が、9月から順次発表されることになっていますが、今回その要約部分の内容の一部がリークして、各メディアがこぞって取り上げています。
「こぞって」という表現はあまり適してないかも。NYタイムズやワシントンポストなどの主要紙はそれなりに詳細に触れているものの、テレビメディアは軽く扱っている感じ。唯一気合いを入れて伝えたのが、アルジャジーラくらい。アルジャジーラはアル・ゴア元副大統領が設立したカレントTVを買収する形でアメリカに進出してきており、また、カレントTVもそうだったけどアルジャジーラも気候変動問題は真剣に扱っていたので、納得の結果かな。
さて、その漏れてきた内容でいちばん注目を集めているのは、前回は「温暖化は90%人間活動が原因」としていたのに対し今回のレポートでは「95%人間活動が原因」とさらに不確かな部分が小さくなっています。
これは単純に、過去データの蓄積と、気候モデルの進化によるところが大きく、今後もレポートが発表される度に人間活動による可能性は上がっていくと思われます。
ただ、著名な気候科学者たちは、具体的な内容についてこれまでの報告書と同じくとても保守的で、気候変動による今後のリスクを小さく見積もりすぎだと主張しています。
また、報告書発表までに報告書作成に携わっている科学者間でレビューを重ねなければならないため、どうしても最新の研究結果が反映されないという傾向にあります。
まだ最終バージョンではないので、変更が加えられる可能性はあるものの、基本的にはリークしたものと似た内容になると思われます。
どうか大学のテストで新しい報告書の詳細について出題されたりしませんように。
【参照】
温暖化「人類が原因」の可能性95% 国連報告書の内容判明|ハフィントンポスト
Climate Panel Cites Near Certainty on Warming|New York Times
New IPCC Report: Climatologists More Certain Global Warming Is Caused By Humans, Impacts Are Speeding Up|Climate Progress
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地球上のいたる所で異常な暑さが続いている北半球の2013年夏。
気候変動による気温上昇が日常生活の中で感じられるようになってきてしまいました。そして、夏の異常な暑さ、熱波は今後増え続けるという研究結果が英学術誌「エンバイロメンタル・リサーチ・レターズ」に発表されました。
現在、熱波の影響は地球上の陸地の約5%に及んでいます。このままのペースで気温上昇が続いた場合、2020年には影響が2倍の約10%に、2040年には現在の4倍にあたる約20%に及んでしまいます。
2040年以降どうなるかは、人類がこれからどれだけ温室効果ガス排出量を削減できるかにかかっているのだそうです。減らすことができれば、熱波の影響の範囲は一定になりますが、減らせないようなことがあると、影響の範囲は年に1%ずつ増え続け、2100年には地球の全陸地の85%にまで広がってしまうことになるそうです。
言い換えれば、今の段階でこれだけのことが起こってしまうのはほぼ決定済みなのです。今よりも広い範囲を熱波が襲い、干ばつや山火事などが起こるのはもうほとんど避けられないということなんです。
ここテキサスは5%の現段階でしっかりと熱波の影響を受けまくっているので、研究結果に新鮮な驚きを感じることはできませんでしたが、日本の今年の酷暑を見ていると、先進国にもついに気候変動を実感できる異常気象が起こるようになってきたんだなー、と感じています。
2020年までにどのような気候変動対策をとるかで、21世紀後半の気温上昇のペースが決まるといわれています。まだ、ほんの少しだけ21世紀末までの気温上昇を2℃以内に抑える可能性は残されていますが、現実的な線はおそらく3℃くらいになるのではと予想されています。
個人的には、2020年までになどと悠長なことを言っている暇はないと感じています。国や国際レベルで温室効果ガスの排出量削減に取り組むためには時間が必要かもしれませんが(これすらも厳しい取り決めはよという感じですが)、個人や小さなコミュニティレベルでできることはあります。
事態の深刻さと相反して、個人レベルでの意識が低い印象を受けるので、それぞれの人がもっと気候変動に関心を持って、自分の行動が近い将来と遠い未来にどんな影響を与えることになるのか、しっかりと認識してできることをやっていかなければならないと思います。
明日からでも、来週からでも、来月からでも、来年からでもありません。
行動を起こすべき時は、「今」です。
【参照】
More Frequent Heat Waves by 2020 ‘Almost Certain’|Climate News Network
Heat waves to become more frequent and severe|IOP (Institute of Physics) - Alpha Galileo Foundation
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日本のみならず、北半球のあらゆる場所が記録的猛暑になっています。
よく考えてみると、ここテキサス州カレッジステーションも連日40℃近くまで気温が上昇しているので、慣れているとはいえ猛暑だわ。
それにしても、転載記事を読むとヨーロッパの猛暑が酷い。「平均気温が平年値を約10度も上回り」ってすごいことですよ。2011年の夏、テキサス州の6月から8月までの3ヶ月間の平均気温が観測史上最高を記録したとき、平年と比較すると3℃高かった。それでも記録的な干ばつとワイルドファイアーで数千億円規模の損失を出したんです。
9℃とか10℃平年を上回るって、尋常じゃない。人間が適応できるレベルの差じゃないと思います。エアコンがないと人が死んでしまうレベル。フランスは、猛暑による死者が8月1日から20日までの間に1万4802人って・・・。
さて、転載記事中にある偏西風のお話。
猛暑を引き起こしているのは上空1万メートル付近で地球を1周して吹いている偏西風の蛇行。猛暑の地域では偏西風が北側へ蛇行しており、南側の高温域から高気圧に覆われて気温が上昇する。偏西風は年間を通じて蛇行しているが、一定期間続くと高気圧が停滞し、猛暑になるという。 後半部分に「偏西風の蛇行は大気の対流活動が影響を与えると考えられているが、詳しい要因は分かっておらず」とありますが、北極海の氷の減少と北極圏の気温上昇が偏西風の蛇行を促す傾向が強いとされているので、昨年北極海氷の喪失が過去最高を記録したことからも、この偏西風蛇行はリーズナブル。
偏西風蛇行が大気を停滞させてしまうため、高気圧が居座っている場所では猛暑が続き、低気圧が居座ると大雨が降ることになってしまいます。
気候変動が猛暑の一因であるのは疑いようのないところなのですが、記事中でその猛暑を引き起こしている偏西風の蛇行もまた気候変動によるもので、それがまた北極海氷の減少と繋がりがあるとなるともう負のスパイラルはとっくに始まってるからこりゃ止めらんないなという印象。
手遅れなのかどうかなんてわからないけど、気候変動対策が急務であることは間違いありません。
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